日航の査定チーム近く本格稼働、機構支援判断は年明け以降

官民共同出資の企業再生支援機 構は、支援を要請している日本航空に関して、資産査定チームを近く本 格的に稼働させる。支援機構の西沢宏繁社長(72)は9日、ブルーム バーグ・ニュースとのインタビューで、査定終了と支援の引き受け判断 が年明け以降になるとの見通しを示した。

西沢社長は一般論とした上で、支援機構の支援対象企業について は「3年で営業黒字化を目指すのが基本的な考えだ」と強調した。その 後は譲渡先を見つけて引き渡すことになるとし、その際には、従来の業 界の枠にとらわれず、柔軟な発想で取り組むとの考えを明らかにした。

日航が10月29日に支援要請したことを受け、支援機構は企業再 生支援機構法に基づき、支援の可否の検討に入っている。最終的な支援 決定は査定結果を受けて、企業再生支援委員会の審議を経て決まる。

三菱UFJ証券の姫野良太アナリストは日航問題について「結果 的に再建へのスケジュールが先に延びた印象」とし、「中間決算までに は何らかの形が出ると期待していたが、来年にかけて具体的な方策が見 えてくる格好になると、マーケットに不透明感や不信感が募ることは否 めない」との見方を示した。

さらに、姫野氏は「担当大臣は法的整理の選択を否定しているも のの、抜本的なリストラを実施するためには検討してみる価値もあるの ではないか」とコメントした。

政府が不振企業の再建を目指す支援機構は10月14日に設立、16 日に業務を開始した。政府と金融機関がそれぞれ100億円を出資。支 援機構は事業資金として上限1兆6000億円の政府保証を付けて借り入 れ、支援を決めた企業には自ら融資することも可能だ。

支援機構はゼロから査定

日航の経営再建をめぐっては、前原誠司国土交通相の直轄専門家 チーム「JAL再生タスクフォース」が9月末から約1カ月間の資産査 定を行い、すでに報告書を提出して解散している。西沢社長は支援機構 としてゼロから査定を行うのが基本だとし、「われわれ自身でつくる。 何かをたたき台にするつもりはない」と述べた。

また、西沢社長は日航再建を目指す政府の意向と、支援機構の支 援の可否の判断は別だと強調した。支援機構が支援決定する前に、対象 企業が破たんした場合について、西沢社長は「支援決定までもたないな ら支援するまでもなく、中断するしかない」とコメントした。

西沢社長は日本興業銀行に入行し、常務などを経て、東京都民銀 行頭取、会長などを歴任。また、日本商工会議所特別顧問・税制委員長 などにも就任している。

馬淵澄夫国土交通副大臣は9日の定例会見で、つなぎ融資や年金 削減の立法化問題などの日航再建をめぐり、13日までに閣議了解を踏 まえて詰めていく方針と前原国交相から聞いていると述べた。

前原国交相は10日の閣議後会見で、当面の日航再建問題として 「つなぎ融資と年金の取り扱いが大きなポイントになっている」と指摘 した上で、7省庁の副大臣を中心とした日航再建対策本部がいずれ対策 を発表すると強調した。

日航再建に向け有識者会議が9月半ばにまとめた説明資料では、 返済などのため今期に約2800億円の資金調達が必要と指摘している。 日航に対しては、6月に一部政府保証が付いた政投銀などによる1000 億円規模の融資契約がまとまった。

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