東京外為:格下げ懸念でポンド下落―米祝日前でリスク選好一服

東京外国為替市場では午後の取引 でポンドが下落。格付け会社フィッチ・レーティングスが英国の格下げ の可能性に言及したことがきっかけとなり、ポンド売りが活発化した。

ポンドは対ドルで1ポンド=1.67ドル台半ばから一時、1.6603ド ルまで下落。米国の祝日をあすに控えて、リスク選好の流れが一服する 中、ドルの売り持ち高を手じまう動きも出やすかった。

バークレイズ銀行FXストラテジストの逆井雄紀氏は、「毎度のこ とだが、格付け機関からソブリン格付け関連のヘッドラインが出ると格 下げ懸念が強いポンドが売られる」と指摘。ただ、「これがドルキャリ ートレード(低金利のドルを借り入れ、高利回り資産に投資する取引) の流れを大きく変えていくかといえばそうはならない」といい、「ポン ド売りは短期的に収束していくだろう」と語った。

フィッチの世界ソブリン格付け責任者、デービッド・ライリー氏は 「AAA」格付けを有する国の中で英国が最もリスクが高い国の一つだ との見方を示した。

ポンドは対ユーロでも1ユーロ=0.8940ポンド付近から0.9016ポ ンド付近まで下落。対円でも1ポンド=150円台後半から一時、149円 3銭まで売られる場面が見られた。

米祝日控えて持ち高調整

オーストラリア・ドルやカナダ・ドル、ニュージーランド・ドルは 対ドルで10月下旬以来の高値水準から反落。週明け以降、米国の低金 利政策の継続期待や世界的な株高、商品高を背景に資源国通貨買いが強 まっていたが、米国の祝日をあすに控え、この日の東京市場では買い持 ち高を縮小する動きが見られた。

NTTスマートトレード・工藤隆営業企画部長は、英国の住宅価格 指数やオーストラリアの企業景況感指数の上昇といった良い材料が出て も、ポンドや豪ドルはあまり上がらず、「利益確定を目的としたドル買 いが出ているようだ」と指摘していた。

ユーロ・ドルも前日の海外市場で2週間ぶりに1ユーロ=1.50ド ル台を回復したが、東京市場では伸び悩み、一時は1.4951ドルまでユ ーロが弱含む場面が見られた。

リスク選好の流れは変わらず

欧州ではこの日、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が11 月のドイツ景況感指数(期待指数)を発表する。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は55と前月の56を下回 っており、一段のユーロ売りを促す材料となる可能性もある。

もっとも、東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネー ジャー、二瓶洋氏は、「米雇用統計の悪化で調達通貨としてのドルの位 置付けは強まっており、G20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会 議)の刺激策維持の合意を好感して株価が上昇する中、リスク選好の流 れは変わらない」と指摘。米国の祝日を前に調整が入りやすく、ドル安 が加速する感じはないものの、当面は対高金利通貨を中心にドルが売ら れやすい地合いが続く可能性が高いとみている。

一方、ドル・円相場は1ドル=90円ちょうど前後から89円台後半 で方向感に乏しい展開が続いた。二瓶氏は、90円付近ではオプション 取引に絡んだ売り買いが交錯しやすく、「ドル・円はちょっと動けない 状況」と説明している。

--取材協力 関 泰彦 Editors:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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