米国債:10年債続伸、ドル安で入札需要を喚起との観測

米国債相場では10年債が続伸。 ドルが15カ月ぶり安値に下落したことで、10日に実施される250 億ドルの10年債入札への需要が喚起されるとの見方が広がった。

この日実施された400億ドルの3年債入札では、海外の中央銀 行を含む間接入札の割合が過去最高を記録した。前週末の20カ国・ 地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で各国が景気刺激策の継続 で合意したことを背景に、ダウ工業株30種平均は13カ月ぶり高値 に上昇。原油相場も値上がりした。

ニューバーガー・バーマンの債券ポートフォリオマネジャー、 タノス・バーダス氏は「ドルの価値下落を背景に、海外投資家にと っては一段の国債買いが可能になる」と指摘。「これが将来的に需要 を生む」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時34分現在、10年債利回りは前週末比2ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.48%。同年債(表 面利率3.625%、2019年8月償還)価格は6/32上げて101 1/4。

この日の入札で、間接入札の割合は68.5%だった。発行額400 億ドルは3年債入札としては過去最大。投資家の需要を測る指標の 応札倍率は3.33倍と、少なくとも1993年以降では最高水準となっ た。過去10回の入札の平均は2.63倍。

入札は堅調

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、セル ゲイ・ボンダルチャク氏は「株式相場が堅調であるにもかかわらず、 国債入札がなお好調であるという事実は、明日の入札への励みにな る」と指摘した。

3年債入札の最高落札利回りは1.404%と、入札直前の市場予 想1.419%を下回った。米財務省は3年債入札を08年11月に再開。 それ以前の18カ月は中断していた。財務省は今週12日に、30年債 としては過去最大規模となる160億ドルの入札を実施する。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責 任者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで「海外からの需要 が根強い上、市場は国債を必要としているため入札は順調だろう」 と記述。「困難があるとすれば、10年債入札で起こるだろう。投資 家はリターンと比較した残存期間のリスクに直面して投資をためら う可能性がある」と続けた。

米財政赤字は、9月末に終了した前会計年度に記録的規模とな る1兆4200億ドルに拡大した。オバマ米大統領の下、景気てこ入 れ策として歳出を増やしたことが背景。

「二重苦」

デフレやリセッション(景気後退)を10年間にわたって経験 してきた日本の投資家は米国債には割安感があると指摘する。デフ レにより国債の定額利率の価値が高まるとの見方だ。

米財務省のデータによると、8月までの日本の米国債買越額は 1050億ドルとなり、外国勢の買い手として中国を上回った。保有残 高は7310億ドルと、市場全体の10%余りに達した。17%に上る増 加は、25%増を記録した2004年以来最大。

みずほ投信投資顧問や三菱UFJ投信などは、リセッションに 対する米政府の対応と、1990年代の「失われた10年」の日本政府 の取り組みとの間に類似性があるとして米国債を購入している。

みずほ投信の外国債券運用部長の竹井章氏は、米経済がリセッ ションと信用収縮の二重苦に直面していると指摘。今後はデフレも 加わって三重苦に見舞われる恐れがあるとし、これは米国債市場に 好材料との認識を示した。

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