今日の国内市況:TOPIX続落、長期金利が1.475%―ドル安・円安

日本株相場は、TOPIXが3日 続落。上期最終赤字の東レを中心に繊維株が安く、国内金利の上昇を背 景に有利子負債の多さ、配当利回り魅力の後退が嫌気され、電気・ガス や陸運株も売られた。三井住友フィナンシャルグループなど銀行株の一 角も下落。半面、利益の上振れが好感された東京海上ホールディングス など保険株が高く、相場全般を下支えした。

TOPIXの終値は前週末比3.34ポイント(0.4%)安の870.67。 一方、日経平均株価は前日比19円64銭(0.2%)高の9808円99銭で 終了。東証1部の売買代金は1兆1347億円と、前週末比10%減った。

米国で前週末6日に発表された10月の米失業率は26年ぶりの 10%超えとなったが、米金融緩和の長期化観測などから、同日の米株式 相場は小幅上昇。この流れを受け、週明けの東京市場でも取引開始前に は上昇を予想する声も聞かれたが、朝方に為替が円高方向に進んだ影響 もあり、終始軟調に推移した。東証1部の騰落銘柄状況は値下がり 1045、値上がり516と、全体相場1688の6割が下落。業種別33指数は 25業種が下落、上昇は8にとどまった。

業績面で悪材料を出した銘柄に売りが先行。6日の取引時間中に4 -9月期の連結純損益が63億円の赤字になったと発表した東レが売ら れ、同じ繊維株では通期赤字額が拡大、無配となる三菱レイヨンも大幅 続落した。7日付の日本経済新聞朝刊で、携帯電話や固定通信の低迷を 背景に4-9月期の営業利益が前年同期比15%になったもようと報じ られたNTTを中心に情報・通信株も下げた。

国債増発懸念などを背景にした長期金利の上昇も、株式相場の重し だ。新発10年債利回りが1.475%と、6月17日以来の水準まで上昇。 コスト負担懸念から東京電力など電気・ガス株が下落。電気・ガス指数 は一時2.5%安の618.49と、03年12月以来の安値水準へ沈んだ。

また、CLSA証券が投資判断を引き下げたオリンパスが下落。電 子楽器事業の回復が緩やかなことを理由に、10年3月期の連結営業損 益予想を赤字転落に修正したローランドが1年ぶりの安値を更新した。 10年3月期の最終赤字が拡大する見通しと発表したNOKも大幅安。

半面、上昇が目立ったのが保険株。自然災害が想定を下回ったこと などから、東京海上Hと三井住友海上グループホールディングスは6日 に09年4-9月期業績は従来予想を上振れたもようと発表。あいおい 損は10年3月期の業績予想を上方修正しており、東証1部の業種別33 指数の値上がり率1位は保険指数だった。

また、10年3月期の利益予想を上方修正したクボタのほか、コマ ツなど機械株が上昇。スズキの上げも目立ち、新興国需要を期待した買 いも入った。また、金先物相場が再び史上最高値を更新したことから、 住友金属鉱山など非鉄金属株も買われた。

長期金利が5カ月ぶり高水準

債券相場は下落(利回りは上昇)。財政悪化懸念や今週の国債入札 に対する警戒感が強まり、次第に売りが優勢となった。長期金利の指標 とされる新発10年債利回りは一時1.475%と約5カ月ぶりの高水準を つけた。

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは、前週末比0.5ベー シスポイント(bp)低い1.445%で取引を開始した。しかし、その後は 徐々に水準を切り上げており、午後に入ると8月10日につけた直近の 高水準1.46%を突破し、一時は2.5bp高い1.475%と6月17日以来の水 準まで達した。

超長期債も軟調。新発20年債利回りは1.5bp高い2.16%、新発30 年債利回りは2bp高い2.28%に上昇している。

東京先物市場の中心限月12月物は4営業日続落。前週末比5銭高 の137円61銭で始まり、直後に8銭高の137円64銭まで上昇した。そ の後、日経平均がプラスに転じると売りが優勢となり、水準を切り下げ て、一時27銭安の137円29銭まで下落し、中心限月で8月半ば以来、 3カ月ぶり安値をつけた。結局、18銭安の137円38銭で終了した。

財務省はあす40年利付国債の利回り競争入札を実施する。今回は 2回債と銘柄統合されるリオープン発行で表面利率は2.2%となる。発 行額は前回と同じ3000億円程度。

今週は10日に40年利付国債の利回り競争入札、12日には5年利 付国債入札が実施される。10月半ば以降の入札は、国債増発による需 給悪化懸念から低調な結果が続いている。前週は5日の10年債入札結 果が不調だったことが相場下落のきっかけとなった。

ドルと円が下落

東京外国為替市場ではドルと円が主要16通貨に対して下落。米国 の株価が底堅さを維持するなどリスク資産向け投資の流れが継続してお り、低金利通貨のドルや円に売り圧力がかかった。

この日は、ユーロ・ドル相場が午後の取引で一時1ユーロ=1.4960 ドルと10月26日以来2週間ぶりのドル安値を付けた。米国の株価指数 先物がアジア時間も引き続きプラス圏を維持する中、リスク回避に伴う 円買い圧力も弱まる格好となり、円は主要16通貨に対して全面安とな った。対ユーロでは一時1ユーロ=134円91銭、前週末のニューヨー ク時間午後遅くに付けた133円45銭から円安が進んだ。

ドル・円相場は早朝に1ドル=89円69銭を付けたあと、90円23 銭まで円が軟化する場面もみられた。

前週末の米株式相場は、雇用統計の悪化にもかかわらず、小幅高で 取引を終了。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は10月23日以来の 水準まで低下しており、投資家のリスク回避姿勢が抑制されている可能 性が示された。

この日はドイツで9月の鉱工業生産指数が発表される。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめた市場予想では、季節調整済みで前月比の伸び 率が1%と、2カ月連続のプラスが見込まれている。

英スコットランドのセントアンドルーズで開催された20カ国・地 域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は7日午後に世界経済のバランス を取り戻すための工程表をまとめて閉幕。しかし、声明には為替レート に関する内容は盛り込まれなかった。

加えて、国際通貨基金(IMF)が7日に公表した報告書では、 「ドルがキャリートレード(低金利のドルで資金を調達して高金利通貨 などに投資する取引)の資金調達通貨」に利用されている兆候がみられ てユーロや一部新興国通貨に上昇圧力が加わっている可能性があるとの 見解が示されている。

藤井裕久財務相はこの日の午後の参院予算委員会で、10日に来日 するガイトナー米財務長官と会談することを明らかにした上で、「米国 は本当はドルを強くしたいが、現実にはそうなっていない。ドルが弱い から円高であり、ユーロ高になってしまっている」との認識をあらため て示している。

前週末6日に発表された10月の米雇用統計では、家計調査に基づ く失業率が10.2%と、1983年以来、26年ぶりに10%を超えた。さらに 非農業部門の雇用者数は前月比で19万人の減少と、雇用の減少幅はブ ルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の17万5000人を上回った。

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