ユニバーサル造社長:IHI側との統合に時間-リスク評価

(アナリストコメントなどを追加します)

【記者:松井博司 菅磨澄】

11月9日(ブルームバーグ): JFEホールディングスとIHI が昨年発表した造船部門の統合の検討で、JFEの子会社、ユニバー サル造船の三島慎次郎社長は、想定されるリスク評価が必要になった として、実現には時間がかかるとの見通しを示した。

金融危機で新造船の発注が停止するほど環境が激変したのが主因。 三島社長は環境の変化によって「リスク評価をあらゆる側面から行っ ている」と述べた。昨年4月に統合の検討を発表してから1年半以上 経過したが、両グループとも統合への意欲は失っていない、とも強調 した。同社長が6日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに答 えた。

同社長によると、アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(IH IMU)との統合検討を発表した時点の海運市況は活況だった。いか に生産力を上げて、コスト競争力をつけるかを視点に統合の検討を始 めたが、金融危機後の海運会社は船体規模の拡大を見直しており、船 主の船体整備計画は明確になっていないという。

この状況下で親会社に統合プランを提出するのは、「確たる説得 力を持たない」というが同社長の認識だ。このためタンカーやコンテ ナ船など、今後の海運市場でどのような船舶が必要とされ、両社設備 をどのように住み分ければ統合メリットが生まれるか、半面どのよう なリスクが残るかの評価を行っているという。

結論に期限は設けず

同社長は「胃袋だけ大きくなって、食べ物がない状態が続くと困 る」とし、海運市況の停滞が5年以上続くのであれば、「お互いに耐 え忍び、市場が回復してから(統合)する可能性もある」と語り、結 論に期限は設けない考え。「何とか統合できるという計画を描かない と、(親会社に計画を)上げられない」とも語り、市場動向を慎重に 見極める姿勢を示した。

新生証券シニアアナリストの松本康宏部長はこれについて、両社 の統合は急ぐべきだと話す。現時点で受注がゼロということは、売り 上げが3-4年後に悪化するのは明白。「統合にかかるコストを考え れば、利益が出せている今のうちに早く統合したほうがよい」と松本 氏は指摘する。統合して規模のメリットを追及し、利益を出し続けれ ば親会社に対する貢献度も高いはずだと同氏は話している。

当事者同士は「統合したい」

一方で、同社長は「IHIMUとユニバーサルは統合したいと思 っている」と両社に統合の意志が強いことも強調。①両社の造船所が 近接している②ユニバーサルのタンカー、ばら積み船、IHIMUの コンテナ船を統合すれば商品の幅が広がる③資材調達時の購買力が強 化できる④研究開発力も強化できる-などの面で大きな統合メリット があると力説した。

ユニバーサルは日立造船と旧日本鋼管(現JFEホールディング ス)が互いの造船部門を統合させ、2002年に折半出資で設立した造船 会社。未上場だが、国交省の調べでは国内造船の新造船建造量では今 治造船に次いで第2位の規模(2007年現在)を誇る。

日本の造船業が韓国・中国勢に追い抜かれている中、IHIがJ FE側に統合を提案。これを契機に日立造船がユニバーサルの持ち株 の35%をJFEに譲った上で、JFEがIHIとの話し合いに入るこ とで08年4月に合意していた。

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