G20:将来の救済費用、銀行に一段の負担迫る方針-収益圧迫は不可避

【記者:Simon Kennedy and Emma Ross-Thomas】

11月9日(ブルームバーグ):20カ国・地域(G20)各国政府は、 将来の救済費用を賄うため、金融機関にさらに大きなコスト負担を迫 る方針を示唆している。金融取引課税(トービン税)をその手段とす べきかどうかで意見が対立しているにもかかわらずだ。

英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) から米シティグループに至るまで、金融機関救済のためにこれまで、 全世界で5000億ドル(約45兆円)余りの公的資金が支出された。 週末のG20財務相・中央銀行総裁会議ではこうした事態を受けて、将 来の救済費用を金融業界に負担させる方法が議論された。しかし、各 論で各国の意見対立が生じ、いわゆるトービン税の検討を求めるブラ ウン英首相に対し、ガイトナー米財務長官が直ちに反対を表明した。

ブラウン首相は7日の同会議で、「この業界の成功の恩恵がごく少 数の人々に独占される一方で、破たんに伴う費用をわれわれ全員が負 担するのは受け入れ難い」と発言。ガイトナー財務長官も「将来の危 機のコストを吸収せざる得ない立場に納税者を置くことがないよう確 実を期したい」と語った。

ブラウン首相はまた、金融機関のリスクに応じた保険料支払いや、 救済資金プールの創設義務付け、経営難に陥った金融機関に資金調達 と引き換えに保険料の前払いを求める提案も行った。

米政府による反対はトービン税の導入の公算が小さいことを意味 するが、議論が行われた事実だけで市場を不安にするには十分かもし れない。ロンドンを拠点とするロンバード・ストリート・リサーチの チャールズ・デュマス会長は、危機の際に自力での生き残りを金融機 関に迫るほかの提案で各国政府は基本合意しており、金融機関の利益 が圧迫されるのは避けられないと考える。

デュマス会長は「銀行業界は、従来通りのビジネスに戻ることが できないとようやく気付き始めた。ある種の保険料導入や自己資本規 制の厳格化に向かうのは当然の流れだ。その結果、収益性が損なわれ る公算が大きく、そうなるはずだ」と話している。

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