原油相場:100ドル到達は困難か-OPEC増産で在庫膨らむ

石油輸出国機構(OPEC)は過 去2年で最大のペースで生産を増やしており、過去最高水準に近い原 油在庫はさらに膨らんでいる。原油相場が100ドルに達すると見込ん だ投資は損失につながる恐れが出ている。

2010年3月までに原油を100ドルで購入する権利であるオプショ ンの建玉(未決済残高)は10月に約4倍に増加。今月に入ってさらに

5.9%増加している。トレーダーらがポジションを積み上げるなか、第 2次世界大戦以降で最悪の世界的リセッション(景気後退)にあるに もかかわらず、OPECは3月以降、原油生産を4%(日量110万バ レル)増やした。

サウジアラビアのアブドラ国王は、原油価格は消費国と生産国双 方にとって75ドルが適正な水準であるとの見解を示している。同国は 生産を約50%(日量400万バレル)増やす能力がある。この量はブラ ジルの消費量に相当する。工業国の原油在庫が既に1998年以来の高水 準に達するなか、供給はさらに拡大すると予想されている。98年には 原油相場は10ドルまで下落した。

米コンサルタント会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州) のスティーブン・ショーク社長は「原油相場が100ドルに達するとO PECの利益にならない」と指摘。「OPECは、相場上昇を主導して いるのが投機家であることを分かっている。どこかの時点でこの相場 は内部崩壊するだろう。持続できないからだ」との見方を示す。

原油先物相場では、投資家らが来年3月に相場が79ドルになると 見込んでいることが示唆されており、ブルームバーグが米ウォール街 のアナリストを対象に実施している調査でも誰も来年末までに相場が 100ドルに上昇するとは予想していない。ニューヨーク商業取引所(N YMEX)の原油先物相場の先週末の終値は77.43ドルだった。

原油相場は年初来で74%上昇し、年間ベースでは1999年以降で 最大の上昇率を示す可能性がある。一方、米国の原油在庫は5.4%増 加し3億3590万バレルに達している。

来年3月までに原油を100ドルで購入する権利であるオプション の建玉は10月に2万7482枚と、9月の7181枚から増加。今月に入っ てさらに1609枚増え5日時点で2万9091枚となっている。この量は 原油2900万バレル以上に相当する。

膨らむ在庫

ブルームバーグが集計したデータによると、OPECの10月の生 産量は前月比8万バレル増の日量2876万バレルと、10カ月ぶりの高 水準となり、原油在庫は膨らんでいる。データによると、サウジは月 間ベースで過去半年間のうち4回輸出を増やした。

JPモルガン・チェース(ニューヨーク)の商品調査部門の世界 責任者、ローレンス・イーグルス氏は「サウジは現行の相場水準が望 ましいとの見解を示しており、この水準を維持する能力がある」と指 摘する。

サウジの原油生産は2月に日量786万バレルと2002年以来の低水 準まで落ち込んだ後、同815万バレルまで回復している。ただ、最近 は増加していたが、10月は前年同月比で13%減少した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE