バフェット氏の勇気、米銀持てず-ガイトナー財務長官の努力も徒労に

ガイトナー米財務長官は著名投資 家ウォーレン・バフェット氏(79)さながらに「米経済で再びチャン スをつかめ」と銀行に訴えているが、効果が上がらない。

シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)を含む米金 融機関は計2000億ドル(約18兆円)の公的資金注入を受けながら、 失業者の増加や企業倒産増、規制当局による監督強化のなかで融資を 制限している。米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、 商業や産業向け融資は2008年10月以降、17%減少した。

銀行が融資に消極的なため、エコノミストや投資家の予想以上に 米景気は鈍化し短期金利は長期にわたって低位推移するとみるのは米 ゴールドマン・サックス・グループの主任米国エコノミスト、ジャン・ ハッチウス氏だ。リスクが高くても利幅の大きい融資ではなく、比較 的安全性の高い米国債に銀行が資金を振り向けるため、米国債の価格 は上昇するが、銀行収益は抑えられるという。

ハッチハウス氏は信用逼迫(ひっぱく)について「深刻な問題だ。 2010年の景気は大方の見方よりもかなり弱いままとなる恐れがあり、 FRBは政策金利をほぼゼロ%で来年いっぱい据え置く公算が大き い」と指摘する。

同氏の10年の米成長率予想は2%で、ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト67人の予想中央値(2.4%)を下回る。ハッ チハウス氏の予測が的中すれば、来年6月までの米利上げ確率は50% 超とみる米金利先物市場参加者は見通し変更の必要に迫られるだろう。

バフェット氏が強気に転じるなかでも、JPモルガン・チェース を含む米銀は融資を減らしてきた。同氏は自身率いる投資・保険会社 バークシャー・ハサウェイが先週発表した260億ドルの鉄道会社バー リントン・ノーザン・サンタフェ買収合意について、「米経済の将来に すべてを賭けた勝負だ」と述べた。

JPモルガンの融資は9月末現在で6531億ドルと、その1年前の 7614億ドルから減少。BOAの融資および住宅ローンは8784億ドル と、同9223億ドルを下回った。銀行は07年12月に始まった直近のリ セッション(景気後退)で貸し出しを減らす一方、米国債投資を拡大。 その保有残高は6月末までの1年間で26%増の1250億ドルとなった。

RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、アイラ・ジ ャージー氏は「銀行は向こう数四半期、少なくとも2010年末までは米 国債の購入を続けるだろう」と指摘し、10年物米国債利回りは来年い っぱい4%を下回る状況が続くと予想した。6日は3.497%だった。

しかし、銀行が資金を融資に回さずに抱え込めば、収益は抑えら れる。ホブデ・キャピタル・アドバイザーズのエリック・ホブデ最高 経営責任者(CEO)は銀行の「リターン(投資収益率)は下がる」 と話した。

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