日本の投資家、割安感で米国債購入-「失われた10年」と類似

デフレやリセッション(景気後退) を10年間にわたって経験してきた日本の投資家は、利回りが少なく とも1960年代以降で最低水準にあっても米国債は割安だと指摘して いる。

米財務省のデータによると、8月までの日本の米国債買越額は 1050億ドルとなり、外国勢の買い手として中国を上回った。保有残 高は7310億ドルと、市場全体の10%余りに達した。17%に上る増加 は、25%増を記録した2004年以来最大だ。

みずほ投信投資顧問や三菱UFJ投信などは、リセッションに対 する米政府の対応と、1990年代の「失われた10年」の日本政府の取 り組みとの間に類似性があるとして米国債を購入している。バンク・ オブ・アメリカ(BOA)のメリルリンチ部門が算出している指数に よると、90年代の日本国債のリターンは90%に達していた。一方、 日経平均株価は90年1月から98年10月までに最大で67%下落して いる。

みずほ投信の外国債券運用部長の竹井章氏は、米経済がリセッシ ョンと信用収縮の二重苦に直面していると指摘。今後はデフレも加わ って三重苦に見舞われる恐れがあるとし、これは米国債市場に好材料 との認識を示した。

10年物米国債(表面利率3.625%、2019年8月償還)は先週、 価格が101 1/32、利回りは3.5%で終了した。09年の利回り平均は

3.19%と、08年通年の3.64%から低下し、米連邦準備制度理事会(F RB)が米国債の日々のデータ公表を開始した1962年以降で最低と なっている。

利回り低下を予想

7月に米国債を購入した竹井氏は、10年債利回りが年末までに

2.75%に低下すると見込んでいる。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の昨年12 月以降の投資収益率はマイナス2.8%。米国債はこのペースでいくと 今年は1999年以来となるマイナスを記録する見通しだ。金融危機後 の世界経済の立ち直りで、安全資産としての米国債の魅力が低下して いることが背景にある。

90年代の不動産市場崩壊をめぐる日本政府の対応と同様に、米政 府は国内経済に大量の資金を供給しているが、金融機関はその資金を 融資に回す代わりに債券投資に利用している。

FRBと米政府は景気てこ入れや資産価格下支えを目的に計11 兆6000億ドルの融資・拠出・保証を実施した。S&P500種株価指 数は年初来安値676.52を記録した3月9日から58%上昇し、

1069.30に達している。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏(ニュ ーヨーク在勤)は「日本の投資家は自国での経験からデフレを予想す る傾向にあるが、中期的にもっと切迫した懸念はインフレだ」と指摘 している。

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