債券は下落、財政悪化懸念や入札接近で-1.475%と5カ月ぶり高水準

債券相場は下落(利回りは上昇)。 財政悪化懸念や今週の国債入札に対する警戒感が強まり、次第に売りが 優勢となった。長期金利の指標とされる新発10年債利回りは一時

1.475%と約5カ月ぶりの高水準をつけた。

トヨタアセットマネジメントのチーフファンドマネジャーの深代潤 氏は、「鳩山政権に対する財政スタンスへの懸念を背景に、海外勢によ る先物売りが出ている。これまで買い手だった国内銀行勢も慎重になっ ている」と述べた。

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは、前週末比0.5ベー シスポイント(bp)低い1.445%で取引を開始した。しかし、その後は 徐々に水準を切り上げており、午後に入ると8月10日につけた直近の 高水準1.46%を突破し、一時は2.5bp高い1.475%と6月17日以来の水 準まで達した。午後4時時点では2bp高い1.47%で推移している。

超長期債も軟調。新発20年債利回りは1.5bp高い2.16%、新発30 年債利回りは2bp高い2.28%に上昇している。

最近の長期金利の上昇傾向について、みずほ証券チーフマーケット エコノミストの上野泰也氏は、財政拡張に傾斜している新政府に対する 市場の警告という意味合いがあると指摘し、「悪い金利上昇」との見方 を示している。

政府の行政刷新会議はこの日、来年度予算編成に向け、事業仕分け の対象リストを正式に決定する予定。「歳出への切り込みが不十分なも のにとどまり、3兆円という事実上の目標額を大きく下回るような場合 は、鳩山由紀夫政権の財政に対する市場の信任は一段と低下することは 避けられない」と、みずほ証の上野氏は懸念する。

モルガン・スタンレー証券債券ストラテジストの伊藤篤氏は、米雇 用統計が悪かったにもかかわらず、円債市場で金利は上昇したと指摘。 金利上昇が止まるのは水準感というよりも、来年度発行計画などの概要 が分かる日程の要因が大きいのではないかとみている。

先物は3カ月ぶり安値

東京先物市場の中心限月12月物は4営業日続落。前週末比5銭高 の137円61銭で始まり、直後に8銭高の137円64銭まで上昇した。そ の後、日経平均がプラスに転じると売りが優勢となり、水準を切り下げ て、一時27銭安の137円29銭まで下落し、中心限月で8月半ば以来、 3カ月ぶり安値をつけた。結局、18銭安の137円38銭で終了した。

日経平均株価は小幅続伸。朝方は軟調だったが、プラス圏に値を戻 し、結局、19円64銭高の9808円99銭で取引を終了した。

あす40年債入札

財務省はあす40年利付国債の利回り競争入札を実施する。今回は 2回債と銘柄統合されるリオープン発行で表面利率は2.2%となる。発 行額は前回と同じ3000億円程度。

トヨタアセットの深代氏は、40年債入札については、相場観とは あまりは関係ないと指摘する。むしろ、「その後の5年債入札の方が気 になる。銀行勢の買いが引けば、10年債利回りは1.5%が視野に入るだ ろう」という。

今週は10日に40年利付国債の利回り競争入札、12日には5年利 付国債入札が実施される。10月半ば以降の入札は、国債増発による需 給悪化懸念から低調な結果が続いている。前週は5日の10年債入札結 果が不調だったことが相場下落のきっかけとなった。

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