IMF:米超低金利が世界的キャリー取引の原動力-新たな不均衡の芽

国際通貨基金(IMF)によれば、 米国の歴史的低金利が世界的なキャリートレードの原動力となって いる。IMFはドルの一段の下落余地も指摘し、新たな金融不均衡へ の懸念も浮上している。

IMFは7日、スコットランドのセントアンドルーズでの20カ 国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に際し公表した報告書 で、「ドルがキャリートレードの資金調達通貨となっている兆候があ る」とし、このキャリートレードが「ユーロや一部の新興国通貨への 上昇圧力につながっている可能性がある」と分析した。ドルについて は「中期的な均衡点に接近してきたものの、なお過大評価されている」 との見解を示した。

ドル資金がほぼ金利ゼロで調達できることから、トレーダーらが この安価な資金をリスク資産に振り向け市場をゆがめることを懸念 する声が出ている。米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は 4日、「すべてのキャリートレードの母」に言及した。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの通貨調査ディレク ター、ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「米金利は 少なくとも2010年前半までは事実上ゼロにとどまるだろう。キャリ ートレードを続ける時間はまだ十分にある」と語った。「米国の労働 市場の状況はまだ非常に厳しく、世界の他の国・地域の方が迅速に回 復している。従って、ドルは引き続き、鎖のなかの最も弱い輪だ」と 解説した。

ドルは主要貿易相手国通貨のバスケットに対し過去7カ月で約 13%下落した。IMFはユーロについて、「均衡点から見て強め」と の認識を示した。中国の人民元については「大幅に過小評価されてい る」と指摘。人民元は「ドルに連動して実質実効為替レートで下落し、 中期的な見通しに対しては依然、大幅に過小評価されている」として いる。

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