【今週の債券】堅調か、長期金利1.4%台半ばで投資家需要-入札注目

今週の債券相場は堅調(利回り低 下)な展開が予想されている。国債増発による今後の需給懸念は根強い ものの、前週には長期金利の指標である新発10年債利回りが約3カ月 ぶり高水準の1.4%台半ばまで上昇しており、運用難の投資家からの買 いが見込まれている。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、米国債入札 が終わるまで海外勢の先物売りが警戒されるとしながらも、日本の5年 債入札では当面の利上げが見込みづらく、中短期債には買い安心感があ るという。長期債については「相場反転の買い場探しに入るのではない か」と予想する。

ブルームバーグ・ニュースが6日夕までに市場参加者4人から聞い た今週の新発10年債利回りの予想レンジは全体で1.40%から1.50%と なった。前週末の新発10年債(303回債)利回りの終値は1.45%。

前週の債券相場は続落して、新発10年債利回りは一時、8月10日 以来の高水準の1.455%まで上昇した。民主党政権下での財政悪化懸念 に加え、5日の10年債入札が低調だったことが売り材料視された。

もっとも、新発10年債利回りは10月6日につけた今年度の最低水 準1.24%から一貫して水準を切り上げ、直近1カ月間で20ベーシスポ イント(bp)以上も上昇しており、投資家の買いが期待できるとの見方が ある。岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「10年債 利回りが5週連続で上昇した反動がそろそろ出てきそう」とし、1.4% 台半ばでの買いが支えとなり、相場は足場固めの展開になるという。

国内で貸し出しが低迷する中、投資家は余剰資金が積み上がってお り、国債増発懸念で購入を控えていた向きからの買いが膨らめば、新発 10年債利回りが予想以上に低下することもありそうだ。損保ジャパ ン・グローバル運用部債券運用第1グループリーダーの砺波政明氏は投 資家には余裕資金があり、1.4%割れを試す可能性もあるという。

40年債、5年債入札に注目

今週は10日に40年利付国債の利回り競争入札、12日には5年利 付国債入札が実施される。10月半ば以降の入札は、国債増発による需 給悪化懸念から低調な結果が続いている。前週は5日の10年債入札結 果が不調だったことが相場下落のきっかけとなった。入札が相場の波乱 材料となる可能性があるだけに市場の注目度が高い。

40年債入札は、2回債と銘柄統合されるリオープン発行で表面利 率(クーポン)は2.2%。発行予定額は前回債と同じ3000億円程度。 バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは、 金利水準が前回入札時より10bp程度上昇していることに加え、30年債 との対比で割安感が出て「買いやすい」とみて、無難な結果を見込む。

5年債入札では、クーポンは前回債より0.1ポイント高い0.7%が 予想されている。発行予定額は前回債より1000億円多い2兆4000億円 程度。岡三アセットの山田氏は、「10月以降の国債入札が不振だった ことへの懸念は残るが、5年債入札は金融政策への安心感から大きな波 乱は起こりにくい」という。

機械受注など発表

経済指標では10日に10月の景気ウオッチャー調査、11日に9月 の機械受注(船舶・電力を除く民需)などが発表される。足元で景気回 復基調が示されても、先行き不透明感は払しょくできず、日銀の金融政 策が当面は変更されないとの観測が強いことから、債券相場への影響は 限定的となりそうだ。JPモルガン証券の徳勝礼子シニア債券ストラテ ジストは、「経済指標はあまり気にしていない」と指摘している。

市場参加者の予想レンジとコメント

6日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の通 り。先物は中心限月の12月物、新発10年国債利回りは303回債。

◎岡三アセットマネジメント・山田聡債券運用部長

先物12月物137円20銭-138円00銭

新発10年債利回り=1.40%-1.48%

「10年債利回りは1.4%台半ばで足場を固める展開か。10月以降の 国債入札が不振だったことへの懸念は残るが、5年債入札は金融政策へ の安心感から大きな波乱は起こりにくい。10年債利回りが5週連続で 上昇した反動がそろそろ出てきそうだ。ただ、日米両国ともに入札結果 が低調となるリスクがあり、その場合には再び金利上昇余地を探る」

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物12月物137円20銭-138円00銭

新発10年債利回り=1.40%-1.48%

「投資家の買いは打診的で、米国債入札が終わるまで海外勢の先物 売りが警戒される。5年債入札では、銀行は財政プレミアム(金利上乗 せ)を要求する姿勢。ただ、当面の利上げが見込みづらい中、中短期債 は買い安心感がある。長期債は相場反転の買い場探しに入るのではない か。国債増発計画が固まってくる12月には大量償還も控えている」

◎大和住銀投信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダー

先物12月物137円20銭-138円20銭

新発10年債利回り=1.40%-1.50%

「長期金利は引き続き不安定に推移しそう。国債入札が懸念される 米債市場で利回りスティープ(傾斜)化が続けば、日本の10年債利回 りが1.5%に近づく場面がありそう。ただ、5年債入札は低金利政策の 長期化観測に支えられて、増発があっても無難にこなすとみている。入 札を通過すれば金利は上振れには至らずに徐々に落ち着きそうだ」

◎シュローダー証券投信投資顧問・塚谷厳治債券チームヘッド

先物12月物137円00銭-138円00銭

新発10年債利回り=1.40%-1.50%

「為替市場で円安が進めば金利が上昇しやすくなる。一方、円高圧 力が高まれば、5年債に買い需要が強まり、金利は低下するだろう。前 週の10年債入札が悪かったのは、銀行勢の買いが手控えられた部分が 大きいとみており、5年債入札を見極めたい。もっとも資金余剰の状況 なので買い場探しになるだろう」

--共同取材:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Chiaki Mochizuki

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