米国債(6日):2年債は上昇、失業率10%台に上昇で

米国債市場では2年債が上昇。利 回りは5月以来の最低に低下した。10月の失業率が26年ぶりの高水 準となる10.2%に上昇したため、米連邦公開市場委員会(FOMC) が長期にわたり政策金利を引き上げないとの見方が強まり、買いが優 勢になった。

2年債は週間ベースで2週連続で上昇。雇用統計では非農業部門 雇用者数が前月比で19万人減少。雇用者数の純減幅はブルームバー グ・ニュース集計のエコノミスト予想中央値(17万5000人減)を上 回った。2年債と10年債の利回り差は一時2.70ポイントと、7月27 日以降で最大に拡大した。来週に総額810億ドルの中長期国債入札を 控えていることが背景。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォー ド)のシニア国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「失業中 の消費者は支出を抑える可能性が高い。そのため、景気回復のペース に疑問符が付く。資源のたるみの根源がしばらく残存することになり そうだ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時21分現在、2年債利回りは3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し、0.85%。一時は5月21日以来で最低とな る0.8321%まで低下した。2年債価格(表面利率1%、償還2011年 10月)は2/32高の100 9/32。利回りは週間では5bp低下した。10 年債利回りは前日比2bp低下し、3.50%。

失業率のピーク

失業者に加え、経済悪化が原因でパートタイムを余儀なくされた 労働者や過去1年間に就職活動をしたものの、現在職探しをあきらめ た人を含む広義の失業率は17.5%(前月17.0%)と、過去最高水準 に達した。

ドイチェ・バンク・セキュリティーズのチーフ米国エコノミスト、 ジョゼフ・ラボーニャ氏は顧客向けリポートで「経済成長の改善で労 働投入が増えるため、失業率は10-12月(第4四半期)にピークに達 するとみている」と指摘した。

7―9月(第3四半期)の実質国内総生産(GDP)伸び率は

3.5%。自動車買い替え奨励策の恩恵を受けた自動車業界を除けば、

1.9%にとどまった。

2006年にノーベル経済学賞を受賞した米コロンビア大学のエドム ンド・フェルプス教授は6日、米経済では過去10年に比べて低い長期 成長率と高い失業率が「新たな標準」となり、米経済の回復ペースは 勢いを失う可能性が高いとの認識を示した。

同教授は7-9月期にGDPの増加幅が過去2年で最高を記録、 雇用の減少は2010年1-3月(第1四半期)で底入れする可能性があ るものの、経済回復が「力強さ」を失ったことに変わりはないと指摘 した。

定例入札

財務省は前日、来週実施する国債入札の規模について、3年債が 400億ドル、10年債は250億ドル、30年債は160億ドルと発表した。 ブルームバーグのデータによると、いずれの年限の国債発行額も過去 最高。財務省はまた、30年物のインフレ連動国債(TIPS)の発行 を再開し、同20年物の発行を停止する方針も明らかにした。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで「来週の四半期定例入 札に向け利回り曲線はスティープ化が続き、長期債は売り圧力を受け るだろう」と指摘。「インフレが低く抑制される限り、雇用市場が本格 的に回復する兆候が表れるまで金融当局は積極的に流動性を引き揚げ ることはしないだろう」との見解を示した。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミューラー氏は「雇用 が安定し、さらには改善しない限り、米金融当局は何も政策を変えな いだろう。回復のペースは鈍くなるだろう」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE