NY外為(6日):ドル下落、高失業率で低金利長期化観測

ニューヨーク外国為替市場では ドルが対円で下落。米失業率が10.2%に上昇したことから、米連邦 準備制度理事会(FRB)の超低金利政策が来年も続くとの観測が強 まった。

フィッシャー・フランシス・ツリーズ・アンド・ワッツ(ニュー ヨーク)の資産運用担当者、デービッド・ティーン氏は失業率につい て、「短期的には、景気回復の不確実性を高める。また、長期にわた り低金利が必要であるとの見方を補強する」と指摘。「来年の半ばま で潤沢な流動性が供給されるとの見通しを確実にするものだ」と述べ た。

カナダ・ドルは対米ドルで月初来の大幅安。カナダの雇用者数が 10月に予想外に減少したことに反応した。メキシコ・ペソとノルウ ェー・クローネはともに円に対して下落。米雇用統計を受け、高利回 り資産の保有を減らす動きが活発になるとの見方が広がった。

ニューヨーク時間午後3時28分現在、ドルは対円で0.9%安 の1ドル=89円93銭(前日は同90円71銭)。ユーロは対円で

1.1%安の1ユーロ=133円44銭(前日は同134円92銭)。ド ルは対ユーロで1ユーロ=1.4838ドル(前日は同1.4871ドル)。

ドルは対ユーロで一時0.4%上げる場面もあった。米労働省が 6日に発表した10月の雇用統計で失業率が1983年以来で初めて 10%を超えたことを受け、リスク資産への需要が後退した。ドルは その約1時間後に上げ幅を縮小。FRBの利上げはほかの中央銀行に 比べて出遅れるとの観測が強まった。

米雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調 整済み)は前月比で19万人減少。雇用者数の純減幅はブルームバー グ・ニュース集計のエコノミスト予想中央値(17万5000人減)を 上回った。前月は21万9000人減。

「リスク志向が活発化」

バークレイズ(ニューヨーク)のチーフ米国通貨ストラテジスト、 スティーブン・イングランダー氏は、「為替市場は今回の統計に対し 長期間注目はしないだろう」と指摘。「基調としてはリスク志向の活 発化だ」と述べた。

ドルは対ユーロで週間ベースでは1%安。FRBが今週2日間の 日程で開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に、政策金 利を「長期にわたり異例な低水準」に維持する方針をあらためて示し たことが背景。FOMCは政策金利であるフェデラルファンド(F F)金利の誘導目標をゼロから0.25%の範囲に維持することを決め た。

FOMCが来年の上半期に利上げに踏み切るとの見方が後退して いる。金利先物市場動向によると、FOMCが6月の会合までにFF 金利を少なくとも0.25ポイント引き上げる確率は52%。1週間前 の同確率は63%だった。

ECBの姿勢

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は前日、景気対策として 緊急に導入した流動性供給措置の一部を引き揚げる方針を示し、EC Bの非伝統的措置の中心である1年物資金の無制限供給について、 12月を最後とし継続しない意向を示唆した。ECBは政策金利を過 去最低の1%で据え置いた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト48人の予想中央値によ ると、ドルは対ユーロで年末までに1ユーロ=1.50ドルに下落し、 来年3月まで同水準にとどまる見通しだ。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は前日比ほぼ変わらずの75.811。

同指数は3月に付けた3年ぶり高水準から15%低下。米国の利 上げはほかの国に比べて出遅れるとの観測が背景にある。同指数は 10月21日に14カ月ぶり安値を付けた。

オッペンハイムKAG通貨部門の責任者、アチム・ウォールド氏 は、この日の米雇用統計が「米国の低金利が少なくとも来年の4-6 月(第2四半期)まで維持されることを確認する」内容だとして、ド ルの対主要通貨での下落は続くと述べた。

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