野村とバークレイズ、バンカー大量採用-他社の苦境追い風に人材獲得

野村ホールディングスと英銀バ ークレイズは、過去10年にM&A(企業の合併・買収)助言業務で 世界のトップ10に入ったことがない。しかしこのところは、数百人 規模でバンカーを採用して業務を強化している。競合他社の人員 削減やボーナス減額が両社の追い風となっている。

両社はそれぞれ、昨年に破たんした米リーマン・ブラザーズ・ホ ールディングスの一部事業を買収。その後、世界的に事業を拡大して いる。リーマンの米部門を買収したバークレイズは、M&A助言業務 のためのバンカーを欧州で30人以上採用する計画だ。欧州とアジア の株式事業では今年、約750人を採用している。

リーマンの欧州部門を買収した野村は米国の従業員数を3月以降 でほぼ36%増やした。今週は為替ストラテジストのジェンズ・ノード ビグ氏を米ゴールドマン・サックス・グループから獲得した。

両社は世界的な事業展開でシティグループやモルガン・スタンレ ーなど米国勢と競い合うため、リーマン事業を買収した。世界の金融 機関が33万7500人を削減し、公的資金注入を受けた銀行のボーナ スが制限されるなかで、政府救済を免れた両社に人材獲得の好機が訪 れた。

ロンドンの金融機関向け報酬アドバイザー、スクエア・マイル・ サービシズのショーン・スプリンガー最高経営責任者(CEO)は 「救済されなかった銀行は最も優秀な人材を獲得するのに非常に有利 な立場にある」と話した。救済された銀行が払いにくくなった「高給 を提示している」と指摘した。

リーマン事業買収のおかげで、バークレイズは今年、米国でのM &A助言で6位に浮上した。ブルームバーグのデータによれば、 2007年は71位。全世界ベースでの今年の順位は10位。野村は09 年7-9月(第2四半期)に海外事業の利益が初めて国内を上回った。 同社は増資で調達した48億ドルの一部を米部門拡大の原資とす る方針を示している。

仲田正史最高財務責任者(CFO)は10月28日の決算発表の 際、同社への移籍を望む優れた人材は多いとして、市場シェア拡大の チャンスがあると述べていた。

同社は米国株事業の責任者としてバンク・オブ・アメリカ(BO A)出身のシアラン・オケリー氏、北米金利トレーディングの共同責 任者としてシティグループのジェフリー・マイケルズを採用。欧州で はシティグループ出身のジム・マコーミック氏を欧州債券調査責任者 として獲得した。欧州では合計で650人を増やしたという。

バークレイズはドイツ銀行のサム・ディーン氏やシティグループ のトマス・キング氏を獲得。元ゴールドマン・サックス・グループの ハワード・スプーナー氏も採用した。

バークレイズのロバート・ダイアモンド社長は6月にブルームバ ーグテレビジョンとのインタビューで、世界の投資銀行トップスリー の1社となりたいと語っていた。バークレイズ・キャピタルの欧州・ アジア株式責任者、ディクシット・ジョシ氏は、優れた米国チームに 加えて「欧州とアジアで株式と助言事業を拡大するため最高の人材を 集める計画を実践している」と話した。

バークレイズと野村は互いの人材も侵食し合っている。7月には バークレイズが野村から松本聡氏を獲得。10月にはチャールズ・ス ペロ氏がバークレイズから野村に移った。