ボーナス、各国首脳ら規制に躍起-「大き過ぎる」額引き下げは望み薄

世界各国の首脳と規制当局は、銀 行の報酬に何らかの枠をはめようと躍起だ。そのために金額保証のボ ーナスの廃止や損失が膨らんだ年には前年のボーナスを返還させる仕 組みなど、あれこれ方策を模索している。しかし、一般庶民にとって 最も気になるある疑問点については、ほとんど検討がされていない。 つまり、「大き過ぎる」ボーナスの金額とはいったい幾らなのだろう。

コーポレートガバナンス(企業統治)や報酬の専門家は、新たな 規制によってボーナスを例えば米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン担保証券の発行高と連動させるようなシステムはなく なるだろうと言う。また、後で損失が出るような取引について性急に 報酬が支払われることも阻止されるだろう。オバマ米大統領ら20カ 国・地域(G20)首脳は、金融業界の従業員らが過度のリスクを取る ことを防ぐのを目的としたガイドラインに賛成している。

ポール・ヘースティングス・ジャノフスキー・アンド・ウォーカ ー(ワシントン)で金融機関の依頼に基づき報酬問題を扱う弁護士、 マーク・ペリオ氏は、新規則案は長期的な成功や安定につながる行動 と報酬の連動性を高めると指摘した。ただ、報酬額の引き下げにはつ ながらないだろうとして、報酬が減ったとすれば「私は驚く」と話し た。

特別多くの公的資金を受け取った7社のみが、米政府から報酬減 額を命じられたが、このうち大手銀行はバンク・オブ・アメリカ(B OA)とシティグループの2行だけだ。オバマ政権の報酬特別監督官、 ケネス・ファインバーグ氏は7社の上級幹部の報酬をほぼ半減させる ことを命じた。

モデル

ファインバーグ氏は報酬減額の決定について、ウォール街の他社 にとってもモデルになるべきだと述べている。しかし、ペリオ氏はゴ ールドマン・サックス・グループなど公的資金を返済した各社がファ インバーグ氏の方針を取り入れ報酬を減らすとは考えにくいと言う。

ニューヨークの報酬コンサルタント、アラン・ジョンソン氏はウ ォール街の2009年報酬が前年比40%増え約260億ドル(約2兆3500 億円)に達すると予想。また、英民間調査機関の経済ビジネスリサー チセンター(CEBR)によれば、ロンドンの銀行員たちの今年のボ ーナスは前年から50%増え60億ポンド(約9000億円)となる見込み。

危機をうまく乗り切った銀行は利益を伸ばし、報酬も増える見込 みだ。ゴールドマンの今年の報酬総額は過去最高だった07年の201 億ドルに並ぶ勢い。

人材あっせん会社、ボイデン・グローバル・エグゼクティブ・サ ーチのマネジングディレクター、ジョアンヌ・ブランソーバー氏は、 ゴールドマンは優れた人材に高報酬を支払うことを恥じたりはしない として、「『わが社の業績はいい、今までのやり方を変えるつもりはな い』という姿勢の旗手だ」と指摘した。

(英語原文は「ブルームバーグ・マーケッツ」誌12月号に掲載)

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