今日の国内市況:日経平均反発、10年債1.4%半ば-G20控え円買い

東京株式市場では、日経平均株価 が反発。米国で雇用関連統計が市場予想を上回ったことや為替の落ち着 きが好感され、電機や精密機器などハイテク業種への買いが指数の上げ をけん引した。

日経平均株価の終値は前日比71円91銭(0.7%)高の9789円35 銭。一方、増資懸念の金融株が重しとなり、TOPIXは同0.95ポイ ント(0.1%)安の874.01と小幅続落。

米労働省が5日発表した先週1週間の新規失業保険申請件数は51 万2000件と、エコノミスト予想中央値の52万2000件を下回り、1月 以降では最低となった。また、第3四半期の非農業部門労働生産性指数 は前期比年率9.5%上昇と市場予想を上回り、過去6年で最大の伸びを 記録した。これを受け、5日の米ダウ工業株30種平均は前日比200ド ル以上上げ、1万ドル台を回復して終了。

また6日の東京外国為替市場では、円相場が1ドル=90円台後半、 1ユーロ=134円台後半と、5日午後3時時点と比べ円安水準で安定推 移。輸出企業の採算悪化懸念の後退につながり、キヤノンや京セラ、フ ァナック、テルモなどが買われ、日経平均を押し上げた。

輸出関連に主導された日経平均に比べ、TOPIXは朝方から伸び 悩んで午後にマイナス転換。

時価総額の大きい大手銀行株が、増資懸念の広がりを受け軟調だっ たほか、5日に通期業績予想を上方修正したトヨタ自動車が下げたこと も響いた。6日付の日本経済新聞朝刊は、主要国の銀行監督当局が世界 で活動する主要銀行に対し、自己資本比率規制を強化すると報道。大手 邦銀の一部は普通株の追加発行による多額の資本調達を迫られそうとし ており、株式価値希薄化などを警戒した売りでみずほフィナンシャルグ ループ、三井住友フィナンシャルグループが安い。

保険株の下げも目立ち、総額1200億円の新株の発行登録を行った T&Dホールディングスが急落した。

東証1部の売買高は概算で18億8277万株、売買代金は1兆2632 億円。値上がり銘柄数が453、値下がりは1115。業種別33指数は11 業種が上昇、22業種が下落。

個別では、液晶用ガラス基板の好調で2009年12月期の連結業績予 想を上方修正した旭硝子が大幅高。日本板硝子や日本電気硝子といった ほかのガラス株も連想買いが入って高い。普通株発行を通じて最大 1340億円の資金調達を行うと朝方発表したNECは、財務強化を評価 した買いを集め、下期にカーエレクトロニクス事業の黒字化計画を示し たパイオニアも急反発。

半面、海外工場の閉鎖に伴う特損計上などで、09年12月期に上場 来初の連結最終赤字に落ち込む見通しとなったブリヂストンが安い。住 友ゴム工業、横浜ゴムも売りに押され、東証ゴム製品指数は2.5%安と、 33指数で値下がり率トップ。10年3月期に100億円を超す連結最終赤 字に転落する見通しとなったアコム、4-9月期純損益の赤字転落を発 表したNTT都市開発はともに急落した。

10年債1.4%半ば、米雇用統計に注目

債券相場は小動き。新発10年債利回りは1.4%台半ばでの推移に 終始した。長期金利が3カ月ぶりの水準に上昇したことで、今後は買い 需要が膨らむとの期待が相場を支えた。一方、米雇用統計に対する注目 度も高いため取引は控えられた。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)高い1.455%で始まった。開始後に買いが入ると0.5bp低 い1.445%をつけたが、その後は1.445-1.45%でもみ合った。午後4時 8分現在でも前日比変わらずの1.45%で取引されている。

新発10年債利回りは10月8日に1.245%をつけた後に上昇に転じ て、この1カ月で20bp強も水準を切り上げた。市場では国債増発に伴 う需給悪化懸念が根強くくすぶるなか、国債発行計画の見直しによって 12日の5年債入札からは増発も始まる。しかし、10年債利回りが3カ 月ぶりの水準まで上昇したことで買い需要も見込まれている。

実際、この日は米雇用統計の発表を控えて様子見姿勢が強まったも のの、内外株高のわりに売り圧力は強まらなかった。

東京先物市場の中心限月12月物は前日比2銭安い137円58銭で始 まった。開始後には137円47銭まで続落して、中心限月として8月13 日以来の安値圏に到達。しかし、日中取引における値幅はわずか19銭 にとどまり、結局は4銭安の137円56銭で終了した。

米国では景気回復期待などを背景にダウ工業株30種平均の終値が 2週間ぶりに1万ドル台を回復しており、国内市場でも株高を反映した 債券売りを予想する見方もあったが、先物12月物はおおむね前日終値 付近での取引となるなど底堅い推移となった。

現物市場では10年債の1.4%台半ばや5年債の0.7%付近で投資家 の買いが見込まれるため、先物には海外勢などが売り持ち高を解消する との指摘もあった。

米雇用統計に対する注目度が高いことも、この日の日中の取引手控 え要因だった。エコノミスト調査の予想中央値によると、10月の米雇 用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万5000人減少すると見込まれ ている。10月の失業率は前月より0.1ポイント上昇の9.9%となり、 1983年以来で最悪の水準になる見通しだ。

G20警戒で円買い優勢の局面も

東京外国為替市場では、この日の米雇用統計発表を控えて、景気の 先行きを見極める展開となった。午後の取引後半にかけては、20カ 国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を警戒した円買いが強ま る場面もあったが、日中の取引は総じて小動きだった。

ドル・円相場は1ドル=90円台半ばから後半を中心に推移した。 輸出企業のドル売り観測もあり、ドルは朝方に付けた90円86銭を上値 にじり安に展開。午後の取引終盤は、スコットランドで開かれるG20 を控えアジア通貨高を促す可能性があるとの観測などを背景に、円買い にやや圧力がかかり、90円44銭までドル安・円高が進んだ。

この日の米国時間には10月の雇用統計が発表されるが、ブルーム バーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、非農業部門の雇用者数 は前月比で17万5000人の減少と、雇用の減少ペースは前月の26万 3000人減から鈍化が見込まれている。

一方、10月の失業率は9.9%と、1983年以来最悪の水準が予想さ れている。市場の一部では、失業率が今後10%を超える可能性も指摘 されている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は3、4日に開いた連邦公開市場 委員会(FOMC)で、政策金利を「長期にわたり異例な低水準」に維 持する方針をあらためて表明。さらに、「家計支出は拡大しつつあるよ うだが、失業の継続と所得の伸び悩み、住宅資産の減少、厳格な信用条 件に依然抑制されている」と指摘している。

半面、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は5日に開いた政策 決定会合後の記者会見で、景気対策として緊急に導入した流動性供給措 置の一部を引き揚げる方針を示した。

さらに、トリシェ総裁は、「最新の情報は引き続き、経済活動が7 -12月(下期)に改善していることを示唆している。政策委員会は、 このような見通しに対するリスクはほぼ均衡していると考えている」と 述べている。

また、同日に決定会合を開いたイングランド銀行(BOE)は、焦 点となっていた資産買い取りプログラムの規模を250億ポンド(約3兆 7500億円)拡大し、総額2000億ポンドとすることを決定。拡大幅は市 場予想の500億ポンドを下回った。

市場ではFRBの出口政策の出遅れ感が浮き彫りとなり、海外でド ル売りが進行。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.4917ドルと、10 月27日以来のドル安値を付けた。

ただ、トリシェ総裁は「強いドル」を支持する姿勢を示している。 加えて、この日からスコットランドのセントアンドリュースで、G20 財務相・中央銀行総裁会議が開かれることから、この日の東京市場では、

1.48ドル台後半でユーロが伸び悩む展開となった。

5日に発表された米国の経済指標は、10月31日終了週の新規失業 保険申請件数が51万2000件と、1月以来の最低水準に減少。第3四半 期の非農業部門労働生産性指数(速報値)は前期比年率9.5%上昇と、 過去6年で最大の伸びを記録した。

米経済指標の改善などを受けて、前日のダウ工業株30種平均は1 万ドルを回復して取引を終了。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・ オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は 10月29日以来の水準まで急低下しており、投資家の間でリスク投資を 敬遠する姿勢が弱まる可能性が示された。

この日の東京株式市場では、日経平均株価が上昇。午前にはオース トラリア準備銀行(RBA)が公表した金融政策四半期報告で、2009 年の同国成長率見通しが8月時点の予想の3倍を超える水準に引き上げ られるなどして、豪ドル買い主導でクロス・円(ドル以外の通貨の対円 相場)が下支えされた面もあったようだ。

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