NEC:最大1340億円を調達、財務と投資へ-株価は急騰

通信機器国内最大手のNECは6 日、普通株発行を通じて最大1340億円の資金調達を行うと発表した。 前期(2009年3月期)の巨額赤字計上で痛んだ財務体質の改善のほか、 インターネットを仲介してソフトなどを使う「クラウドコンピューティ ング」や自動車用電池など成長事業の強化に充てる。

具体的には最大で発行済み総数の28%に当たる5億7500万株を新 規発行。うち3750万株は主幹事を務める大和証券SMBCに割り当て、 残りは公募とする。NECによる公募増資は2003年12月以来ほぼ6年 ぶり。今回増資は7月から報道が相次いでいたこともあり、発表を受け 株価は急騰、一時12%高となった。

払い込みは公募増資が11月下旬で、大和への増資は12月24日。 新株の発行価格と実際の調達額は11月18-20日に決める。NEC広報 担当の宮川誠氏によると、増資により9月末に20.9%だった連結自己 資本比率は、26%程度に回復の見込み。調達の国内外比率は半々。

岡三証券の藤井智之アナリストは増資発表で「悪材料出尽くし」と なったと指摘。調達に関しては「財務にはプラスだが、調達資金を使う 先の電池などがうまくいくかは別問題。足元の業績を見てもプラスの成 長イメージがわかない」とコメントした。

自動車用電池に200億円

最大調達額1340億円のうち、400億円はクラウド事業、200億円は 次世代ネットワーク整備、200億円は自動車向けリチウムイオン電池な ど「グリーンテクノロジー」事業に、それぞれ投じる。残額は負債返済 に充てる。NECは電池事業で日産自動車と提携している。

NECは前期連結決算で、昨秋以降の世界的な不況から2966億円 の純損失を計上。3月末の自己資本比率は20.9%と前年同期の28.5% から低下していた。

他の大手電機メーカーでは、3月末の同比率が8.2%に落ち込んだ 東芝が6月に総額5000億円規模の資本増強を実施。11.2%となった日 立製作所も増強を模索している。

--取材協力:安真理子

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE