日銀のTB買い切りオペ、落札利回り上昇-増発控え在庫売りの見方

日本銀行が実施した国庫短期証券 (TB)買い切りオペは、前週に引き続き落札利回りが上昇した。増 発が見込まれる1年物の入札を17日に控えて、利回り上昇を警戒した ディーラーからTBの在庫処分の売りが出たとの見方が多い。

この日のTB買い切りオペ4000億円は、前日終値と比較した平均 落札利回り格差がプラス0.008%、案分落札利回り格差もプラス

0.007%となり、前回(プラス0.005%)から格差がさらに拡大した。 通知額の4倍となる1兆6011億円の応札が集まった。

複数の市場関係者によると、来年4月以降に償還される6カ月物 以上のTBの売却が多かった。前日終値から推計した落札利回り水準 は0.17%台前半から後半とみられている。

国内証券のTBディーラーによると、1年物の増発で利回りの上 昇が予想されるため、業者や銀行は長めのTBを早めに処分しておき たいのではないかという。

今後の増発懸念

財務省は10月30日、2009年度下期の国債発行計画を見直し、T B1年物を月2000億円増の2.5兆円程度とすることを明らかにした。 個人国債の販売未達分などの振り替え発行が背景。

今回の増発は市場で十分吸収できるとみられているものの、6カ 月物以上のTBは投資家の需要が限られるうえ、全体的な需要減少で TB利回りは上昇傾向にある。また、税収不足を補う一段の増発観測 も根強く、需給悪化懸念が強まっている。

この日の業者間取引では、来年8月償還のTB48回債が0.18%、 来年9月償還のTB56回債は0.185%に売られた。来年10月償還の新 発TB1年物62回債は買い注文が0.195%まで引き上げられている。

1年物入札に先立ち実施される11日の3カ月物入札について、

0.16%以上の利回り水準なら投資家の需要が期待できるとの声が多い。 資金繰りの調整としてTBを購入する銀行が多いためだ。

ただ、別の国内証券のTBディーラーは、そもそも3カ月物はそ れほど妙味のある利回り水準ではないとして、投資家が慎重姿勢を継 続した場合、TB市場のさらなる需給悪化を警戒していた。

特別オペ終了の影響

民間企業債務を担保に0.1%の3カ月物資金を無制限に貸し出す 企業金融支援特別オペが来年3月で終了する影響を警戒する声もある。 日本銀行は終了後も通常オペで潤沢な資金供給を継続するとしている が、実際の金融調節を見極める慎重な姿勢があるうえ、終了後はオペ の調達金利がある程度上昇するとの見方がある。

また、特別オペ終了が近づけば、同オペで資金手当てを行ってい たコマーシャルペーパー(CP)の発行金利上昇が予想されている。 CP利回りがTB利回りを下回る「官民逆転」が解消されれば、投資 信託などの運用資金がTBからCPに流出する可能性も高いという。

一方、この日の全店共通担保オペ8000億円(期日2010年2月4 日)の最低落札金利は、前回(期日10年1月27日)より1ベーシス ポイント高い0.14%だった。企業金融支援特別オペ(期日10年2月 1日)の応札額は3287億円。同オペは7兆円弱の残高があり、需要 が根強く残っている。

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