さよなら「ベルサーチ」、日本で進む女性の高級ブランド離れ

東京の人材派遣会社に勤務する 佐山亜希子さんは、残業手当がなくなり年収が約120万円減ったた め、自分の消費行動を見直した。佐山さんが最初にしたことの1つは 「ルイ・ヴィトン」や「グッチ」など高級ブランド物の購入を控える ことだった。

埼玉県在住の佐山さん(41)は「切り詰められるところから切 り詰めている。ブランドに興味がなくなったわけでなく、余裕がなく なったから」と話している。

佐山さんは生活費を倹約しており、それは人口減少や賃金低下 とともに、日本の景気低迷の要因となっている。ブルームバーグ・ニ ュースがエコノミスト17人を対象にまとめた予想中央値では、日本 経済は今年、5.7%のマイナス成長が見込まれている。米コンサルテ ィング会社ベインによると、今年の日本国内の高級品消費は190億 ユーロ(約2兆5600億円)と、2005、06年に付けたピークの220 億ユーロから14%減少する可能性がある。

ベインが10月19日発表したところでは、世界の高級品販売は 今年、8%減の1530億ユーロと予想され、うち米州は16%、欧州は 8%減少が見込まれる。しかし、世界最大の人口を抱える中国では 66億ドルと、昨年の59億ドルから12%増える見通しだ。

みずほ証券の飯塚尚己シニアエコノミストは、成長率から見て、 「中国やシンガポールに拠点があればいいと、東京は高級品メーカー から見限られ始めている」と指摘。「より安価なファストファッショ ンの台頭によりブランド離れが進みつつあるため厳しい状況が続く」 と予想した。

見限られる東京

東京都在住の主婦、鹿野正子さん(46)はフランスの高級ブラ ンド、ミッシェル・クランからユニクロに乗り換えた。ミッシェル・ クランのフェイクの革ジャケットは1万9950円。ユニクロでは同様 の商品が5990円程度で売られている。

鹿野さんは「ユニクロはデザインがいい。安いけどわたしに似 合う」と言う。

高級ブランド品最大手の仏モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン (LVMH)は昨年、ヴィトン旗艦店を銀座に出店する計画を撤回。 出店する予定だった店舗に入居したのは米衣料品小売り最大手のギャ ップだった。イタリアの同業ジャンニ・ベルサーチも今年10月、日 本撤退と事業戦略全体の見直しを発表した。帝国データバンクの調べ では、ベルサーチ・ジャパンの売上高は4年前は41億円だったが、 08年には16億円に落ち込んだからだ。

仏エルメス・インターナショナルのパトリック・トマス最高経 営責任者(CEO)は、日本市場では「極めて厳しい」状況が続くと 予想。その一方で、アジア市場は「ブームに沸いている」という。仏 PPRのジャンフランソワ・パルス最高財務責任者(CFO)による と、傘下グッチの日本での売上高は今年7-9月期に20%減少した。

ベインによれば、年内に開店予定の高級品店300店舗のうち、 15%が中国本土で、25%は別のアジア諸国となる見通しだ。宝飾品 大手の伊ブルガリのフランチェスコ・トラパニCEOは10月9日、 売り上げが今年後半、特に中国で改善したことを明らかにした。アジ アは同社最大の市場となっている。

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