11月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで下落し、1週 間ぶり安値まで1セント未満に迫った。6日の米雇用統計発表を控え た市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が他の主要中央銀行に 比べ、景気刺激策の終了で後れを取るとの観測が強まった。

英ポンドは対ドルで3日続伸した。イングランド銀行(英中銀) による資産購入プログラムの規模拡大幅が、ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想中央値より小さかったため、流動性供給過多への 懸念が後退した。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が緊急流動 性プログラムの一部を引き揚げる方針を示し、これがユーロの支援材 料になった。

GFTフォレックス(ニューヨーク)の外国為替調査ディレクタ ー、ボリス・シュロスバーグ氏は「FRBは明らかに出遅れている」 と指摘。「前日のFOMC声明の基調は前回と変わらなかった。この 日のECBの基調は流動性供給が無制限ではないとの姿勢にやや変化 しており、両者の姿勢は明らかに違ってきた」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ =1.4877ドル(前日は同1.4861ドル)。ユーロは対円で0.1%高の 1ユーロ=135円3銭(前日は同134円85銭)。ドルは対円でほぼ 変わらずの1ドル=90円76銭(前日は同90円72銭)。

スウェーデン・クローナは対ドルで0.6%高、南アフリカ・ラン ドは0.2%値上がりした。株式相場の上昇を背景に低金利通貨で調達 した資金を高金利通貨で運用するキャリー取引が活発になった。米国 の政策金利はゼロ付近にとどまっていることから、ドルを調達通貨に 選好する動きが強まっている。

米国株は堅調

ダウ工業株30種平均は前日比2.1%値上がりした。米労働省が 発表した先週1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は51 万2000件と、1月以降で最低となった。

みずほコーポレート銀行の米国通貨セールス責任者、ファビア ン・エリアソン氏は「統計の数値に改善がみられた後すぐにリスク志 向が高まった」と指摘する。

JPモルガン・チェースがまとめた主要通貨のインプライドボラ ティリティ(IV、予想変動率)は3カ月ぶり高水準付近から低下し た。

FOMCは前日、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金 利の誘導目標を「長期にわたり異例な低水準」に維持する方針をあら ためて示した。その理由として、インフレ期待の安定に加え、失業率 が低下しないことを挙げた。また同金利を0%-0.25%に据え置い た。

労働市場

ブルームバーグがエコノミスト84人を対象にまとめた調査の予 想中央値では、10月の雇用統計で失業率は9.9%と、前月の9.8%か ら上昇する見通しだ。非農業部門の雇用者数は17万5000人の減少 が見込まれている。9月は26万3000人減だった。

ユーロは1週間ぶり高値を付けた。ECBのトリシェ総裁はEC Bの非伝統的措置の中心である1年物資金の無制限供給について、 12月を最後とし継続しない意向を示唆した。

同総裁はこの措置について、「ECBが長期にわたって続けるこ とを市場は予想していない」とした上で、「市場の感触を否定するよ うな発言はしない」と付け加えた。

英ポンドは対ドルで0.2%高。イングランド銀行は資産買い取り プログラムの規模を250億ポンド(約3兆7500億円)拡大し、総額 2000億ポンドとすることを決めた。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト48人を対象にした調査の中央値では、2250億ポ ンドへの拡大が見込まれていた。

◎米国株式市場

米株式相場は急伸。ダウ工業株30種平均は7月以来で最大の上 げを記録した。午前に発表された週間失業保険申請件数が予想を下回 ったほか、第3四半期の労働生産性が予想以上の伸びを示したことが 好感された。また、ネットワーク機器最大手のシスコシステムズが景 気回復を追い風に増収に転じるとの見通しを示したことも、買いを誘 った。

シスコは2.8%高。同社の8-10月期(第1四半期)決算では、 利益がアナリスト予想を上回った。同社はまた、自社株買いプログラ ムを100億ドル拡大する計画も発表した。

米医薬品データ会社のIMSヘルスは身売りに合意したことが 買い材料となり大幅上昇。この日のダウ工業株30種平均は全銘柄が 値上がりした。特にクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレ スが高い。

米労働省が発表した10月31日に終わった1週間の新規失業保 険申請件数(季節調整済み)は51万2000件に減少、第3四半期の 労働生産性は過去6年で最大の伸びだった。

S&P500種株価指数は前日比1.9%上昇の1066.63。ダウ工業 株30種平均は203.82ドル(2.1%)高の10005.96ドル。10000ド ル台で取引を終えたのは10月22日以来で初めて。ニューヨーク証 券取引所の騰落比率は9対1。

ジェフリーズのチーフ市場アナリスト、アート・ホーガン氏は、 「経済指標全般を見渡すと暗い材料より明るい材料の方が多い。特に 週間失業保険申請件数の結果には満足している」と述べた。

S&P500種産業別10指数はいずれも値上がりした。週間失業 保険申請件数が減少したことから、市場参加者は景気が回復するのに 伴い、失業のペースが鈍化しつつあると受け止めた。

労働生産性

第3四半期の非農業部門労働生産性指数(速報値)は前期比年 率9.5%上昇、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の 上限も上回った。一方、第3四半期の単位労働コスト指数(単位当た りの生産に要する労働コスト)は5.2%低下した。

ブルームバーグがまとめた調査によると、6日発表される10月 の米雇用統計では17万5000人の雇用減が予想されている。失業率 は9.9%への上昇が見込まれている。

S&P500種は今年3月に記録した12年ぶり安値から58%値を 戻した。

シスコシステムズが高い。8-10月期決算は純利益が前年同期 比19%減の17億9000万ドル(1株当たり30セント)だったが、 一部項目を除いた1株利益は36セントとなり、ブルームバーグの調 査で示されたアナリスト予想31セントを上回った。

IMSヘルスは23%急伸、S&P500種銘柄で最大の上げだっ た。同社は約52億ドルでTPGキャピタルとCPPインベストメン ト・ボードが運営する投資ファンドに身売りすることで合意に達した と発表した。

銀行株

米ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、ディック・ ボーブ氏が、過去8カ月間の株式相場上昇をけん引した銀行株が利益 回復期待を背景に、来年末までにさらに2倍に上昇するとの予想を示 したことから、銀行株が買いを集めた。

S&P500種銀行株は2.6%高。3月の12年ぶり安値からは 129%値を戻している。ただ年初来からは8.5%のマイナスとなって いる。

◎米国債市場

米国債市場では2年債と10年債の利回り差が9月以来で最大に 拡大した。来週に総額810億ドルの中長期国債の入札を控え、期間 が長めの国債に売りが出た。

労働省が6日発表する10月の雇用統計では非農業部門雇用者数 は17万5000人減少すると予想されている。そうなった場合、過去 1年以上で最小の減少幅となる。米連邦公開市場委員会(FOMC) は前日、事実上のゼロ金利政策を「長期にわたり」維持する方針をあ らためて示した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アレック ス・リー氏は「市場は供給に向けて準備を進めている。そのため、期 間が長めの国債が売られている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し3.53%。10年債価格(表面利率3.625%、 償還2019年8月)は1/32安の100 25/32。

一方、金融政策に最も敏感な2年債利回りは2bp低下して

0.88%。利回り差は2bp拡大し264bpと、9月17日以来で最大 となった。インフレリスクが背景にある。

財務省は前日、来週実施する国債入札の規模について、3年債が 400億ドル、10年債は250億ドル、30年債は160億ドルと発表した。 ブルームバーグのデータによると、いずれの年限の国債発行額も過去 最高。財務省はまた、30年物のインフレ連動国債(TIPS)の発 行を再開し、同20年物の発行を停止する方針も明らかにした。

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャロ ン氏(ニューヨーク在勤)はリポートで、2年債と10年債の利回り 差が6月以降で最大まで拡大し、その後「重要な抵抗線」を突破した 後、過去最大になる可能性があると指摘。FOMCが政策金利を「長 期にわたって」ゼロ近くに維持する方針をあらためて示す中で、4日 に256bpを上回ったスプレッドが、まず275bpに拡大すると予測 した。ただ、終値ベースで247bpを下回った場合は「この見方を撤 回する」と説明している。

FOMCは前日、政策金利を「異例な低水準」にとどめる根拠と して、「低レベルでの資源活用とインフレ抑制トレンド、安定したイ ンフレ期待」を初めて挙げた。

シティグループ(ロンドン)の金利戦略世界責任者、マーク・ス コフィールド氏は電子メールで「これらの分野の一つでも大幅に改善 すれば、FOMCの金融政策姿勢が引き締めに傾く引き金となろう」 と指摘。「短期金利はいつか正常化する必要があり、市場はそのリス クを過小に見積もっているというのが当社の見方だ。来週の供給圧力 は短期的には利回り曲線をスティープ化させるかもしれないが、その トレンドは持続せず、2010年は大きくフラット化するだろう」と語 った。

失業保険

米労働省が5日に発表した10月31日に終わった1週間の新規 失業保険申請件数(季節調整済み)は51万2000件。前週から2万 件減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は52万2000件だった。

24日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は574万9000 人と、前週の581万7000人から減少。3月21日終了週以来の低水 準となった。一方、受給期間終了後に延長給付を受けている人は17 日に終わった週に11万5000人増え、401万人となった。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで、「景気は非常に深刻 な状態から回復しつつある」としながらも、FOMCは「峠を越した と確信しているわけではなく、住宅と労働市場の改善のため、長期に わたり低金利を維持する必要があると考えているようだ」と指摘した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は4日続伸。米連邦準備制度理事会 (FRB)は利上げで他の中央銀行に後れを取るとの観測が強まり、 ドルが下落、金の魅力が高まった。

金先物相場は前日の時間外取引で、過去最高値のオンス当たり

1098.50ドルを付けた。FRBは前日まで開催した米公開市場委員会 (FOMC)終了後の声明で、政策金利を「長期にわたり」異例な低 水準に維持する方針をあらためて示した。この日ドルは対ユーロで一 時0.4%安まで値下がりした後、下げ幅を縮めた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドディ ーラー、フランク・マギー氏は「米経済には利上げを実施する余裕が ない」と指摘。「それがドル安につながり、金は間違いなくこのシナ リオから恩恵を受ける」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比2ドル(0.2%)高の1オンス=1089.30ドル と、終値ベースの最高値で終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は下落。6日発表される10月の米雇用統 計で失業率の上昇が示されるとの見方から、エネルギー製品への需要 が後退するとの観測が広がった。

10月の米雇用統計では、失業率が26年ぶり高水準となる見通し だ。4日は米エネルギー省が発表した週間統計で10月30日終了週 の原油やガソリン、留出油の在庫減少が示されたことを受け、相場は 上昇していた。

リターブッシュ・アンド・アソシエーツ(イリノイ州ギャレー ナ)のジム・リターブッシュ社長は、「あすの雇用統計は極めて重要 だ」とし、「発表までは投資家の姿勢も消極的になっている」と語っ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比78セント(0.97%)安の1バレル=79.62ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続伸。米経済指標が市場予想を上回ったほか、フ ランスの銀行最大手BNPパリバやベルギーの小売り企業デレーズ・ グループがアナリスト予想を上回る決算を発表したことを好感した。

BNPパリバは3.3%高。同社の7-9月(第3四半期)決算は、 前年同期比で45%の増益だった。デレーズ・グループは小売株の上 昇をけん引。同社は通期見通しを引き上げた。オランダの小売り大手 ロイヤル・アホルドは4.5%値上がり。外部からの買収提示の可能性 に対して、経営陣刷新で対応するとの観測が強まった。

ダウ欧州600指数は前日比0.6%高の240.52で引けた。欧州中 央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)はともに政策金利を 据え置いた。各国政府の景気刺激策や過去最低水準の政策金利がユー ロ圏経済のリセッション(景気後退)脱却を支援するとの見方を背景 に、同株価指数は3月9日の水準から52%上昇している。

LGTキャピタル・マネジメント(スイスのプファフィコン)の 株式分析部門責任者、マンフレド・ホファー氏は、「企業決算と経済 指標のトレンドは上向いている」と指摘。「幾分の反動はあったが、 全体的なトレンドは改善方向にある」と述べた。

米労働省が発表した先週1週間の新規失業保険申請件数(季節調 整済み)は51万2000件と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト予想の中央値の52万2000件を下回った。同じく労働 省発表の2009年第3四半期の非農業部門労働生産性指数(速報値) は前期比年率9.5%上昇と、伸び率はエコノミスト予想中央値の

6.5%上昇を上回った。

5日の西欧市場では、アイスランドを除く18カ国すべてで主要 株価指数が上昇。ダウ・ユーロ50種指数は前日比1.1%高、ダウ・ 欧州50種指数は0.6%上げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ10年債相場が下落。欧州中央銀行(E CB)のトリシェ総裁が景気対策として導入した流動性供給措置の一 部を引き揚げる方針を示したことが材料視された。

10年債利回りは一時、9月23日以来の高水準となった。トリシ ェ総裁が「今後には恐らく起伏があるだろう」と述べ、非伝統的措置 からの引き揚げは「段階的」となるとの見方を示したことを受け、独 2年債相場は下げ幅を縮小した。ECBは今年、カバード債の買い取 りを始めたほか、景気刺激を狙った無制限の融資を銀行に提供した。 ECBはこの日の政策決定会合で、主要政策金利を過去最低の1%に 据え置いた。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バン キングの債券ストラテジスト、コーネリアス・パープス氏は、「ユー ロ圏の低金利は維持されるだろう。ECBが過剰流動性の排除を急い でいないのは明らかだ」と述べ、「利回りが大幅に上昇するリスクは 急激に低下した」と語った。

ロンドン時間午後5現在、独10年債利回りは前日比3ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.34%。一時は3.39%ま で上げる場面もあった。同国債(表面利率3.5%、2019年7月償 還)価格は0.21ポイント下げ101.26。同2年債利回りは1.30%と、 前日からほぼ変わらず。一時は1.36%まで上げた。

◎英国債市場

英国債市場では10年債相場が下落し、利回りは3カ月ぶり高水 準となった。イングランド銀行(英中央銀行)による資産買い取りプ ログラムの規模拡大がエコノミスト予想より小幅だったことが材料視 された。同プログラムはリセッション(景気後退)対策として始まっ た。

イングランド銀はこの日の金融政策委員会(MPC)で資産買い 取りプログラムを250億ポンド拡大した。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト調査での予想中央値は500億ポンドの拡大だった。 MPCは声明で、資産買い取りプログラムについての検討を続けるこ とを明らかにした。MPCは政策金利を過去最低の0.5%に据え置く ことも決定した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の英金利ストラテジスト、ジェイソン・シンプソン氏(ロンドン在 勤)は「量的緩和が終わりに近づきつつあるのは明らかだ。これは国 債にとっては支援要因ではない。中銀声明はこれまでよりもやや楽観 的だ。市場の反応は想像していたよりもやや積極的だった」と語った。

10年債利回りはロンドン時間午後5時現在、前日比7ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.86%。一時は8月5日 以来の高水準となる3.90%まで上げた。同国債(表面利率4.5%、 2019年3月償還)価格は0.55ポイント下げ104.99。2年債利回り は0.88%と、前日からほぼ変わらず。0.95%まで上昇する場面もあ った。

10年債と2年債の利回り格差(スプレッド)は297bpと、 1992年以来の最大幅に拡大した。

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