米国債:利回り曲線スティープ化、入札控え長期債に売り

米国債市場では2年債と10年債 の利回り差が9月以来で最大に拡大した。来週に総額810億ドルの中 長期国債の入札を控え、期間が長めの国債に売りが出た。

労働省が6日発表する10月の雇用統計では非農業部門雇用者数は 17万5000人減少すると予想されている。そうなった場合、過去1年 以上で最小の減少幅となる。米連邦公開市場委員会(FOMC)は前 日、事実上のゼロ金利政策を「長期にわたり」維持する方針をあらた めて示した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アレック ス・リー氏は「市場は供給に向けて準備を進めている。そのため、期 間が長めの国債が売られている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し3.53%。10年債価格(表面利率3.625%、 償還2019年8月)は1/32安の100 25/32。

一方、金融政策に最も敏感な2年債利回りは2bp低下して

0.88%。利回り差は2bp拡大し264bpと、9月17日以来で最大 となった。インフレリスクが背景にある。

財務省は前日、来週実施する国債入札の規模について、3年債が 400億ドル、10年債は250億ドル、30年債は160億ドルと発表した。 ブルームバーグのデータによると、いずれの年限の国債発行額も過去 最高。財務省はまた、30年物のインフレ連動国債(TIPS)の発行 を再開し、同20年物の発行を停止する方針も明らかにした。

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャロ ン氏(ニューヨーク在勤)はリポートで、2年債と10年債の利回り差 が6月以降で最大まで拡大し、その後「重要な抵抗線」を突破した後、 過去最大になる可能性があると指摘。FOMCが政策金利を「長期に わたって」ゼロ近くに維持する方針をあらためて示す中で、4日に 256bpを上回ったスプレッドが、まず275bpに拡大すると予測した。 ただ、終値ベースで247bpを下回った場合は「この見方を撤回す る」と説明している。

FOMCは前日、政策金利を「異例な低水準」にとどめる根拠と して、「低レベルでの資源活用とインフレ抑制トレンド、安定したイ ンフレ期待」を初めて挙げた。

シティグループ(ロンドン)の金利戦略世界責任者、マーク・ス コフィールド氏は電子メールで「これらの分野の一つでも大幅に改善 すれば、FOMCの金融政策姿勢が引き締めに傾く引き金となろう」 と指摘。「短期金利はいつか正常化する必要があり、市場はそのリス クを過小に見積もっているというのが当社の見方だ。来週の供給圧力 は短期的には利回り曲線をスティープ化させるかもしれないが、その トレンドは持続せず、2010年は大きくフラット化するだろう」と語っ た。

失業保険

米労働省が5日に発表した10月31日に終わった1週間の新規失 業保険申請件数(季節調整済み)は51万2000件。前週から2万件減 少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は52万2000件だった。

24日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は574万9000人 と、前週の581万7000人から減少。3月21日終了週以来の低水準 となった。一方、受給期間終了後に延長給付を受けている人は17日に 終わった週に11万5000人増え、401万人となった。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで、「景気は非常に深刻 な状態から回復しつつある」としながらも、FOMCは「峠を越した と確信しているわけではなく、住宅と労働市場の改善のため、長期に わたり低金利を維持する必要があると考えているようだ」と指摘した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE