ECB総裁:緊急の流動性供給措置、段階的引き揚げの方針

欧州中央銀行(ECB)のトリ シェ総裁は5日、景気対策として緊急に導入した流動性供給措置の一 部を引き揚げる方針を示した。

同総裁は政策決定後の記者会見で、「ECBの流動性措置のすべ てが今までと同じ度合いで必要ということにはならないだろう」と語 った。「政策委員会は今後確実に、異例の流動性措置が適切な時期に 徐々に段階を追って引き揚げられるとともに、注入された流動性が吸 収され、中・長期的な物価安定に対するいかなる脅威に対しても効果 的に対応できるようにする」と続けた。

世界の他の中銀も、危機対応の緊急策の引き揚げを示唆し始めて いる。イングランド銀行(英中銀)もこの日、資産購入規模拡大を市 場予想よりも小幅にとどめた。

トリシェ総裁は、ECBの非伝統的措置の中心である1年物資金 の無制限供給について、12月を最後とし継続しない意向を示唆した。 同総裁は、この措置について、「ECBが長期にわたって続けること を市場は予想していない」とした上で、「市場の感触を否定するよう な発言はしない」と付け加えた。

ECBはこの日、主政策金利である短期買いオペ(売り戻し条件 付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を過去最低の1%で据え置 いた。

ECBは次回の1年物資金入札を12月15日に実施する。2回 目だった9月の入札では無制限の資金供給オペに対して市中銀行は 750億ユーロ(約10兆1000億円)を応札した。6月の初回は 4420億ユーロだった。トリシェ総裁はこの日の会見で、12月の入札 で金利を上乗せするかどうかは明言を避けた。

ユーロ圏経済は7-9月(第3四半期)にプラス成長に復帰した もようだ。トリシェ総裁は「最新の情報は引き続き、経済活動が7- 12月(下期)に改善していることを示唆している」と語り、「ユー ロ圏の成長は2010年に徐々に回復する見込みだ。そのような見通し に対するリスクは均衡している」と説明した。

欧州連合(EU)の欧州委員会は3日に、ユーロ圏の2010年成 長率をプラス0.7%と予想し、従来のマイナス0.1%予想から上方修 正した。

トリシェ総裁は6、7両日にスコットランドのセントアンドリュ ースで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議 に出席する。この日の会見では、「強いドルは米国の国益だ」との見 解をあらためて示した。

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