今日の国内市況:日経平均1カ月ぶり安値、債券下落-円が強含み

東京株式相場は反落し、日経平均 株価は終値で約1カ月ぶりの安値。米連邦公開市場委員会(FOMC) 会合で政策当局が超低金利政策の維持を再表明したが、金融緩和による 景気や株価押し上げの効果は限られるとの見方が広がった。ドル相場の 軟調も影響し、電機など輸出関連株が下落。原油高止まりがコスト圧迫 要因になるパルプ・紙、空運株も安い。

日経平均株価の終値は前日比126円87銭(1.3%)安の9717円44 銭で、10月6日の9691円以来の低水準。TOPIXは同6.31ポイン ト(0.7%)安の874.96。朝方は、TOPIXが一時プラス転換するな ど底堅さを見せる場面もあったが、午前後半にかけじり安、午後はきょ うの安値圏でもみ合った。

米連邦準備制度理事会(FRB)が3-4日に開いたFOMC会合 で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0-0.25%のレンジ で据え置き、声明で長期にわたり異例な低金利水準を維持する方針をあ らためて示した。

世界的な金融緩和を平時モードに戻す「出口戦略」に備えた動きへ の根強い懸念や、足元の米景気実態の厳しさへの警戒感を背景に、ホン ダやキヤノン、ソニー、オリンパスなど輸出関連株が下落。FOMCが 低金利政策の長期継続姿勢を示したことで、東京外国為替市場ではドル を借り入れ、高金利通貨に投資する動きが今後も続くとの見方が広がり、 ドルが対円で1ドル=90円台後半から90円台前半まで軟化したことも、 日本の輸出企業の採算悪化懸念につながった。

また、4日のニューヨーク商業取引所で原油先物相場が上昇したこ とを受け、原燃料コスト負担の増加が意識され、前日午後に上期好決算 を受け高値引けとなったレンゴーが反落するなど、パルプ・紙株も下落。 日本航空など空運株、中部電力など電力・ガス株も下げた。

東証1部の売買高は概算で19億3671万株。売買代金は1兆2230 億円と、10月1日以来の低水準。値下がり銘柄数が1110、値上がりは 437。業種別33指数は26業種が下落。7業種が上昇。

債券相場は下落

債券相場は下落(利回りは上昇)。前日の米国市場で連邦公開市場 委員会(FOMC)声明発表後に長期債が下落した地合いを引き継いだ ほか、この日の10年債入札結果が低調となったことを受けて売りが膨 らんだ。新発10年債利回りは8月半ば以来の水準まで上昇した。

現物債市場で10年物の304回債利回りは、前日比2ベーシスポイ ント(bp)高い1.415%で取引を開始した。その後は徐々に水準を切り 上げて、午後2時50分過ぎには4.5bp高い1.44%まで上昇し、新発 10年債利回りとしては8月11日以来の高い水準をつけた。午後4時8 分時点でも1.44%で推移している。

また、10年物の303回債利回りは一時、前日比5.5bp高い

1.455%まで上昇した。長期金利が約3カ月ぶりに1.4%台半ばに上昇 したことを受けて、投資家からの買いも入っているもようだ。

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)1.4%の10年利付 国債(303回債、11月発行)の価格競争入札では、最低価格が99円50 銭、平均落札価格は99円64銭となった。

最低価格は市場予想の99円62銭を大幅に下回ったほか、最低と 平均落札価格の差(テール)は14銭となり、前回債の1銭から急拡大 した。応札倍率は2.42倍となり、7月入札以来の低水準となった。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比9銭安の137円87銭 で始まり、いったんは137円89銭にやや戻した。午後に入って、10年 債入札が低調な結果となると、売りが増えて一時は42銭安の137円54 銭まで下落し、中心限月では8月13日以来の安値をつけた。結局は36 銭安の137円60銭で取引を終えた。

朝方は4日の米国債相場が3日続落したことを受けて売りが先行し た。FOMCでは、政策金利の誘導目標の据え置きが決まり、声明文に も大きな変更がなかったが、米市場では超低金利が長期化するとの見方 から、金融政策の影響を受けやすい中期債が買われ、インフレ懸念の広 がりを嫌気して長期債に売りが出た。

円が強含み

東京外国為替市場では円が強含みとなった。日本株の下落を背景に 投資家のリスク許容度の低下が意識され、資源国通貨や欧州通貨を売っ て、比較的安全資産とされる円を買い戻す動きが優勢となった。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で1ユーロ=135円台後半までユ ーロ高・円安が進んでいたが、この日の東京市場では一時、133円79 銭まで円が上昇。海外時間に1ドル=91円台に乗せる場面も見られた ドル・円相場は一時、90円29銭まで円買いが進んだ。

一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、市場の注目が 欧州の金融政策やあすの米雇用統計に移る中、午後にかけては様子見姿 勢が強まった。

前日の米国株は堅調に推移していたが、引けにかけて上げ幅を縮小。 5日の東京株式相場も午前10時前後から下げ幅を拡大し、日経平均株 価は前日比1%超下落して取引を終えている。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨に対して全面 高となっている。株安により投資家のリスク選好度の高まりが一服する との見方から、円買い・高金利通貨売りが強まった。

円はニュージーランド(NZ)ドルに対して一時、前日比約1.4% 上昇。ニュージーランドの失業率上昇やボラード中銀総裁が同国の景気 回復について豪州に比べて「より鈍く不安定」との認識を示したことが 背景で、NZドルは豪ドルや対米ドルに対しても売られた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 ECBとBOEは政策金利をそれぞれ過去最低の1%と0.5%に据え置 くと予想されている。

一方、BOEについては、資産購入規模を現行の1750億ポンドか ら2250億ポンドに拡大するとの見方が優勢で、ECBについても、詳 細に言及せずに緊急刺激措置を打ち切る方向で検討していることを示唆 する可能性があるとみられている。

ポンドは前日の海外市場で対ドル、対円で上昇していたが、この日 の東京市場では反落。ユーロも対ドルでは1ユーロ=1.48ドル台後半 から1.48ドル台前半まで値を下げている。

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