トヨタ:今期純損失予想2000億円に縮小-販売やコスト改善

自動車販売で世界1位のトヨタ自 動車は5日、今期(2010年3月期)の連結純損失予想を従来の4500 億円から2000億円に上方修正すると発表した。販売見込みやコスト削 減が想定を上回っているため。

ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト19人の予想中央 値では1100億円の赤字が見込まれていた。前期(09年3月期)の純 損益は4369億円の赤字だった。

トヨタは今期の四輪車販売計画を従来の660万台から703万台と した。このうち、アジアで17万台、北米および日本でそれぞれ11万 台、その他地域で9万台を上乗せした一方で、欧州は5万台下方修正し た。また為替レートを対ドル92円から93円前後、対ユーロで131円 から132円前後にそれぞれ見直した。

トヨタの一丸陽一郎副社長は都内で開いた決算会見で「各国政府 の需要喚起策により当初の想定よりも市場が活性化してきたことや、ハ イブリッド車をはじめとした環境対応車の好調な販売状況を反映した」 と販売台数を上方修正した背景を述べた。一方で、「多くの国では年内 に需要喚起策が終了するため、市場の先行きは依然として予断を許さず、 今後も慎重に市場動向を見極める必要がある」とした。

こうした修正で今期の営業損失予想は従来の7500億円から3500 億円に改善する。上方修正分の内訳は、販売台数の積み増しなど台数・ 構成の影響で2500億円、原価改善で800億円、研究開発費の見直しな ど固定費削減で200億円、想定為替レートの修正で500億円となって いる。

大和住銀投信投資顧問の小川耕一チーフ・ポートフォリオ・マネ ジャーは「政府のインセンティブ効果で台数が想定より増えており、操 業度が上がっている」とし、「トヨタもまた、ホンダ、日産のように政 府インセンティブの恩恵を受けている」と指摘した。また、「ハイブリ ッドを中心に売れており、(プリウスの)利益率も上がってきている」 と述べた。

販売計画の見直しを受けてトヨタおよびレクサスブランドの世界 生産台数も従来の630万台から705万台に修正した。前期との比較で は0.7%の減少となる。

第2四半期は金融事業を除くと実質赤字

トヨタが同時に発表した第2四半期(09年7-9月期)連結純利 益は前年同期比84%減の218億円だった。日米欧での販売減に円高も 加わり2年連続の減益となった。

第2四半期の世界販売台数は前年同期比16%減の172万9000万 台。このうち日本が同1.6%減の49万6000万台、北米が同18%減の 51万8000万台、欧州が同20%減の22万2000万台、アジアが同

8.1%減の22万7000万台などとなっている。期中の為替レートは対ド ルが94円(前年同期108円)、対ユーロが134円(同162円)だっ た。

一丸副社長は、第2四半期が4四半期ぶりに黒字を確保したこと について「金融事業のプラス分が貢献している」とした上で、「金融事 業を除くと実はマイナス」と指摘した。同四半期の金融セグメントの営 業利益は729億円で、主に北米での融資利ざやの拡大や貸し倒れ・残 価コストの減少により前年同期に比べて640億円の増益になった。

またトヨタの布野幸利副社長は決算会見で、欧米の自動車市場に ついて、いずれも「一本調子で上がる状況にない」との見方を示した。 今年の米国新車市場は「1000万台プラスアルファ」と述べた。一方、 成長が見込まれる「新興国では積極策を繰り出していく」と語った。

米カリフォルニア州にある旧ゼネラル・モーターズ (GM)との 合弁工場について布野副社長は「旧GM側とステップ・バイ・ステップ で進めている」とコメントした。米国で乗用車の運転席フロアマットが アクセルペダル操作に支障をきたす恐れが出ている問題については「米 当局との意見の相違はなく、建設的な協議をしている」とし、「事実の 隠蔽は一切ない」と強調した。

--取材協力:萩原ゆき、上野きより Editor:Hideki Asai、Kiyo Sakihama

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