三菱東京UFJ銀の中山氏:需給懸念が金利低下を抑制、投資家は慎重

三菱東京UFJ銀行円貨資金証券 部の中山憲一副部長は、日本の長期金利が今後は下がりにくい状況が続 くと予想している。民主党政権の下での中長期的な財政規律の維持を市 場は懐疑的にみているほか、世界経済が緩やかな回復途上にあるなかで は、上期のような投資家の積極的な買いが見込めないためだ。

中山氏は4日のブルームバーグとのインタビューで、自民党政権下 では曲がりなりにも基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化 という目標が掲げられたが、民主党は中期的な財政の見通しを明確に示 していないと指摘。また、短期的にも2010年度予算編成の過程で新規 国債の発行額が今年度補正後の44兆円に収まらない可能性も含めて、 需給に関する不透明要因が金利上昇要因として意識されるとみる。

今年度に入って長期金利の指標である新発10年国債利回りは、6 月11日に昨年10月以来の高い水準となる1.56%をつけたが、その後は

1.25-1.45%のレンジを形成しており、足元では期初からのちょうど中 心にあたる1.4%をめぐる攻防となっている。中山氏によると当面は

1.4%付近でのもみ合いが見込まれるものの、年末にかけて需給不安が 顕在化する場面では1.6%に接近する可能性があるともいう。

また、米国はじめ世界経済が今後も回復基調をたどるとみているこ とも、長期金利の低下余地を抑制する要因になると指摘。中山氏は日本 経済についても今後に大きく落ち込むリスクは小さいとして、物価下落 と景気が連鎖的に悪化するデフレスパイラルに突き進むとは考えにくい ともいい、長期金利の押し下げ要因にはならないとみる。

需給、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)両面から、投資 家が積極的に債券購入に動かないと見込まれるため、長期金利はいずれ 水準を切り上げるとも予想する。中山氏は日本銀行の利上げが展望でき る状況にはないなかで金利が大きく上振れることはないとしながらも、 「下期には1.25%が下限として徐々に意識され、来年度には1.3%-

1.7%程度にレンジが上がることも想定できる」との見方を示した。

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