円強含み、株安で高金利通貨売り優勢―欧州金融政策・米雇用見極め

東京外国為替市場では円が強含み となった。日本株の下落を背景に投資家のリスク許容度の低下が意識 され、資源国通貨や欧州通貨を売って、比較的安全資産とされる円を 買い戻す動きが優勢となった。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で1ユーロ=135円台後半まで ユーロ高・円安が進んでいたが、この日の東京市場では一時、133円 79銭まで円が上昇。海外時間に1ドル=91円台に乗せる場面も見られ たドル・円相場は一時、90円29銭まで円買いが進んだ。

一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、市場の注目 が欧州の金融政策やあすの米雇用統計に移る中、午後にかけては様子 見姿勢が強まった。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、「きょ うは特にBOE(イングランド銀行)が注目。市場のコンセンサスで は資産購入規模が500億ポンド拡大されるということだが、個人的に はそれほど拡大しないとみており、その場合はポンドが買い戻される 可能性がある」と語る。

円全面高

前日の米国株は堅調に推移していたが、引けにかけて上げ幅を縮 小。5日の東京株式相場も午前10時前後から下げ幅を拡大し、日経平 均株価は前日比1%超下落して取引を終えている。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨に対して全面 高となっている。株安により投資家のリスク選好度の高まりが一服す るとの見方から、円買い・高金利通貨売りが強まった。

円はニュージーランド(NZ)ドルに対して一時、前日比約1.4% 上昇。ニュージーランドの失業率上昇やボラード中銀総裁が同国の景 気回復について豪州に比べて「より鈍く不安定」との認識を示したこ とが背景で、NZドルは豪ドルや対米ドルに対しても売られた。

BOE、資産購入規模拡大か

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 ECBとBOEは政策金利をそれぞれ過去最低の1%と0.5%に据え 置くと予想されている。

一方、BOEについては、資産購入規模を現行の1750億ポンドか ら2250億ポンドに拡大するとの見方が優勢で、ECBについても、詳 細に言及せずに緊急刺激措置を打ち切る方向で検討していることを示 唆する可能性があるとみられている。

ポンドは前日の海外市場で対ドル、対円で上昇していたが、この 日の東京市場では反落。ユーロも対ドルでは1ユーロ=1.48ドル台後 半から1.48ドル台前半まで値を下げている。

米雇用統計の下振れ警戒

また、エコノミスト調査の予想中央値によると、6日発表される 10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万5000人減少す ると見込まれている。10月の失業率は9.9%と前月から0.1ポイント 上昇し、1983年以来、最悪の水準になる見通しだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)は3、4両日に開いたFOMC 会合で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を ゼロから0.25%の範囲に据え置き、「長期にわたり異例な」低金利を 続ける方針をあらためて示した。

市場では「長期にわたり」という文言が変更されるとの思惑も出 ていたが、低金利政策の継続姿勢が維持されたことで、FOMC後に はドル売りが加速。対ユーロでは一時、10月27日以来となる1.49ド ル台前半までドル安が進んでいた。

野村氏は、「雇用統計が予想よりも弱ければ、米国の利上げがさら に遠のくとの見方につながる」といい、「その場合、米長期金利の動向 次第ではあるが、ドルが売られる可能性がある」と指摘する。

一方、シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部 為替市場調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、雇用統計の 下振れは株安につながると分析。「その際、高金利通貨が売られて、ク ロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が下落する」リスクがあるとみ ている。

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