11月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで2カ月ぶりの 大幅下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が2日間の日程で開催し た米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明で、政策金利を長 期にわたりゼロ付近で維持するとあらためて表明したことが背景。

米金融当局が来年の1-3月(第1四半期)に利上げに踏み切る との見方が後退した。南アフリカ・ランドは2日連続ですべての主要 通貨に対して上昇した。金相場が過去最高値を更新したことが背景。 ノルウェー・クローネは4日ぶりに反発。原油相場がバレル当たり 81ドルに乗せたことを好感した。

シティグループの為替ストラテジスト、トッド・エルマー氏は 「FOMCは一段と慎重になっているようだ」と指摘。「リスク志向 への幾分の支えとなるなか、ドルにとってはマイナスの結果をもたら した」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時13分現在、ドルは対ユーロで1ユー ロ=1.4878ドル(前日は同1.4724ドル)。一時は1.2%安と、9 月8日以来最大の下落となり、10月27日以来のドル安水準となる

1.4909ドルを付けた。ユーロは対円で1.6%高の1ユーロ=135 円8銭(前日は同133円1銭)。ドルは対円で0.4%高の1ドル= 90円73銭(前日は同90円33銭)。

FOMCは政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘 導目標を「長期にわたり異例な低水準」に維持する方針をあらためて 示した。その理由として、インフレ期待の安定に加え、失業率が低下 しないことを挙げた。FOMCは政策金利を0-0.25%に維持する ことを決定。ブルームバーグがエコノミスト96人を対象にまとめた 調査でも、全員が金利据え置きを予想していた。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、カミラ・サットン 氏とサチャ・ティハニ氏は4日付の顧客向け調査リポートで、「長期 にわたりという表現を継続したことで、一段のドル安の可能性が残っ た」と指摘。「この日の声明は、FOMCが来年の7-9月(第3四 半期)まで金利を据え置くとするわれわれの見解に沿う内容だ」と記 述した。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は、前日比で0.9%低下し75.711。

同指数は3月に付けた3年ぶり高水準から15%低下した。FR Bによる利上げはほかの中央銀行に比べて遅れるとの観測が背景。同 指数は10月21日に14カ月ぶり安値を付けた。

金利先物市場動向によると、FOMCが3月の会合までにFF金 利を少なくとも0.25ポイント引き上げる確率は27%。1週間前の 同確率は34%だった。

ドイツ銀行は前日、ドルの見通しを引き下げ年末までに1ユーロ =1.55ドルに下落するとの予想を示した。従来見通しでは同1.50 ドルへの値下がりを見込んでいた。ブルームバーグがアナリスト48 人を対象にまとめた予想平均でも1ユーロ=1.50ドルが見込まれて いた。

労働市場

金融当局は労働市場が回復の兆しを示すまで利上げには消極的だ。 ブルームバーグがエコノミスト84人を対象にまとめた調査の予想中 央値では、10月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は17万5000 人の減少が見込まれている。失業率は9.9%と、前月の9.8%から 上昇する見通しだ。米労働省は6日に同統計を発表する。

米ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教 授はFOMCの声明発表前に米経済専門局CNBCとのインタビュー で、ドル相場について、半年後には15-20%反発している可能性が あると指摘した。

今回の金融危機を2006年時点で予測したことで知られるルービ ニ教授は、投資家はドルを調達通貨とした「究極のキャリー取引」で、 利回りの高い商品や新興市場国資産を購入していると述べた。

◎米国株式市場

米株式市場では、ダウ工業株30種平均が一時前日比156ドル 高まで値上がりした後で伸び悩み、前日比小幅高で終えた。連邦公開 市場委員会(FOMC)は会合後に発表した声明で引き続き政策金利 を過去最低水準で据え置くことをあらためて表明したが、クレジット カード規制が銀行の業績を損ねるとの不安が売りを誘った。

米銀のウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェース、シティ グループを中心に金融株が下落。金融株はS&P500種株価指数産 業別10指数のうち値下がり率最大だった。米下院はこの日、クレジ ットカード規制の一部施行前倒しの是非を採決、賛成多数で可決した。 これにより、金融機関はクレジットカードの金利引き上げが一段と困 難になる。

FOMCがフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0%か ら0.25%のレンジで据え置き、声明で「長期にわたって」異例な低 金利水準を正当化する可能性が高いと述べたことが好感され、S&P 500種は最大1.5%値上がりしたが、その後売りが優勢となり上げ をほぼ失った。

オークブルック・インベストメンツのジリ・チェルクーリ氏は 「クレジットカード規制だけでなく規制全般について、議会が金融機 関の企業活動をどれほど締め付けるかが重要だ」と語る。「議会が手 を出さない方が、金融株にとっては良い」と付け加えた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%上昇の1046.5。ダウ工業 株30種平均は30.23ドル(0.3%)高の9802.14ドル。ニューヨ ーク証券取引所の騰落比率は4対5。

FOMC声明

FOMCはまた、「企業は依然として固定投資を縮小し、人員を 削減しているが、そのペースは減速している」と指摘、「住宅セクタ ーの活動はこの数カ月にかけて活発になった」と述べた。

米供給管理協会(ISM)が発表した10月の非製造業総合景 況指数は50.6と、前月の50.9から低下したが、新規受注は55.6 と前月の54.2から1.4ポイント上昇した。これを手掛かりにS& P500種は朝方上昇していた。

S&P500種金融株価指数は1.5%安。メレディス・ホイット ニー・アドバイザリー・グループを率いるメレディス・ホイットニー 氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が1兆2500億ドル規模の住 宅ローン担保証券(MBS)買い取りプログラム終了に向け準備を整 える中、米大手銀行は政府が保証するMBSの価値下落に直面する可 能性があると指摘した。

JPモルガンは1.2%安、ウェルズとシティはそれぞれ3.1% と1.7%値下がりした。

保険株やアムバック、ディズニー

米ニュージャージー州とバージニア州では、共和党の知事候補 が当選。民主党が進める医療保険改革への反発が一層強まるとの見方 が広がった。エトナは5.2%高、シグナも5.2%値上がりした。

米金融保証会社(モノライン)、アムバック・ファイナンシャ ル・グループは大幅高。同社の7-9月期純利益は21億9000万ド ルと、前年同期の赤字から一転して黒字を確保した。信用デリバティ ブ(金融派生商品)で時価会計に基づく含み益を計上した。

S&P500種採用企業のうち382社が10月7日以降に四半期 決算を発表したが、ブルームバーグがまとめたデータによると、この うち84%がアナリスト予想を上回る内容だった。

メディア最大手のウォルト・ディズニーは上昇。同社は上海に テーマパークを建設することで中国政府から承認を得た。

◎米国債市場

米国債相場は3日続落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の 声明が「経済活動の改善が続いている」と指摘したことや、来週実施 の四半期入札規模が810億ドルと発表されたことで売りが続いた。

FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0%か ら0.25%のレンジで据え置き、「長期にわたって」異例な低金利を 続ける可能性が高いとの見解を示したものの、10年債利回りは上昇 した。2年債と10年債の利回り格差は拡大し、7月27日以来で最 大の264ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)とな った。

米証券会社ジェフリーズの債券金利部門共同責任者、クリストフ ァー・ベリー氏は、「FOMCが景気判断の修正を先送りすれば、利 上げのタイミングもその分遠くなる」と語る。「市場ではFOMCが 利上げで出遅れ、後手に回るため、インフレを誘発すると懸念されて いる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時8分現在、10年債利回りは前日比8bp上昇の3.55%。

政策金利の変更に最も敏感な2年債利回りは2bp下げて

0.90%。30年債利回りは9bp上昇の4.42%。

FRBは10月に3000億ドル規模の国債購入計画を完了した。 この日の声明は来年1-3月(第1四半期)末までに、政府機関が発 行する住宅ローン担保証券(MBS)を合計1兆2500億ドル、「機 関債を約1750億ドル」購入する方針を明らかにした。

さらに「政府機関債の購入規模は先に発表した最大2000億ドル を下回るが、最近の購入履歴と一致したものであり、政府機関債の供 給が限定されている事情を反映させた」とした。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アレック ス・リー氏は「声明はハト派的な内容だ。これが投資家の長期金利上 昇懸念を高めている。政策金利を低水準で維持すると、長期的なイン フレ期待が上昇する可能性がある」と述べた。

通常の10年債と同年限のインフレ連動国債(TIPS)の利回 り差は2.13ポイントに拡大。6月10日に付けた過去1年の最大に 並んだ。

国債発行

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の年初から の投資収益率はマイナス2.8%。景気回復の兆しと国債発行の増大 が背景にある。

財務省は来週の国債入札の規模について、3年債が400億ドル、 10年債は250億ドル、30年債は160億ドルと発表した。ブルーム バーグのデータによると、いずれの年限の国債発行額も過去最高。入 札規模はプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)6社 の予想平均に一致した。

財務省は2日、今年10-12月の(第4四半期)の所要借入額見 通しを8月時点の予測から43%引き下げ、2760億ドルと発表した。 「FRB向け補完融資制度(SFP)の圧縮が影響した」と説明した。 2010年1-3月は4780億ドルになるとみている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は2日連続で過去最高値を更新した。 ドルの下落に対するヘッジ目的で、中央銀行や投資家が金の購入を増 やすとの観測が強まっている。

インド準備銀行(中央銀行)は今週、国際通貨基金(IMF)か ら金200トンを先月購入したと明らかにした。金連動型ETF(上 場投資信託)として最大の「SPDRゴールド・トラスト」の金保有 は前日、ほぼ1カ月ぶりの大幅増加となった。

デルタ・グローバル・アドバイザーズ(カリフォルニア州ハンテ ィントンビーチ)のチーフエコノミスト、マイケル・ペント氏は「イ ンドが市場価格で金を購入した事実は、金がバブルの状態にないこと、 ドルが準備通貨としての地位を失いつつあることを浮き彫りにした」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比2.40ドル(0.2%)高の1オンス=1087.30 ドルと、終値ベースの最高値。一時は同1096.50ドルを付け、取引 中の最高値を更新した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は上昇。米エネルギー省が4日発表した 週間統計で、原油在庫が市場予想に反して減少したことを受けて買い 進まれた。

同統計によると、10月30日終了週の原油在庫は前週比394万 バレル減の3億3590万バレル。ブルームバーグ・ニュースが実施し た調査では中央値で150万バレルの増加が見込まれていた。このほ か米株相場の上昇や、ドル下落で代替投資としての商品の魅力が高ま ったことも背景に原油は値上がりした。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのエネルギー担当 シニアアナリスト、トム・ベンツ氏は「きょうの在庫統計が支援材料 となったのは間違いない」と指摘。「ドル安と株価上昇を受けて原油 はすでに上げていた。在庫統計の数字はこの上昇の勢いを強めたにす ぎない」との見方を示した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比80セント(1.01%)高の1バレル=80.40ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は反発。ソシエテ・ジェネラルやマークス・アン ド・スペンサー・グループ(M&S)などの企業決算がアナリスト予 想を上回ったため、買いが優勢になった。日産自動車の業績見通しを 好感し、自動車株も高い。

フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルは4.6%上昇。同行の7 -9月(第3四半期)利益は2倍増加した。英小売りのM&Sは6% の大幅高。英消費者信頼感が1年半ぶり高水準でとどまったことも買 いにつながった。仏自動車メーカーのルノーを中心に自動車株が上昇。 日産自が2010年3月期の損失予想を上方修正したことがきっかけ。

ダウ欧州600指数は前日比1.8%高の239.13で引けた。前日 は10月2日以来の安値だった。企業業績や景気の見通しと比較する と、ここ8カ月の上昇が行き過ぎとの見方から、年初来高値を付けた 10月19日の水準から4.1%下げた。ただ、3月以来の水準からは 依然として51%上げている。

VZ・ベルムーゲンシェントラム(チューリヒ)のロルフ・ビラ ンド最高投資責任者(CIO)は「決算データは状況が改善しつつあ ることを裏付けている」と指摘し、「次の決算期にさらに改善するか どうかが大きな課題だ。現時点では、実際のところどちらにも振れる 可能性がある」と付け加えた。

4日の西欧市場では、18カ国すべてで主要株価指数が上昇。ダ ウ・ユーロ50種指数は前日比1.9%高、ダウ・欧州50種指数は

1.3%上げた。

ネクスト上昇

英衣料小売りのネクストは5.6%上げた。7-9月期売上高が 予想を上回り、同社が年末商戦の業績見通しを引き上げたことが買い 材料となった。

ルノーは4.1%上昇。ダウ欧州600指数の自動車銘柄は3.1% 高と、19産業別グループの中で3番目に大きな伸びとなった。

ブルームバーグがまとめたデータによると、10月7日以降に決 算を発表したダウ欧州600指数構成企業174社のうち60%の企業 の業績がアナリスト予想を上回った。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ10年債相場が3日続落。金融当局が政 策金利を過去最低に維持するなか、一部銀行がリセッション(景気後 退)による難局を乗り切っているとの見方が広がり、世界的に株式相 場が上昇したことが背景。

独10年債利回りは4日ぶりの高水準となった。MSCI世界指 数は上昇。フランスの銀行、ソシエテ・ジェネラルが発表した2009 年7-9月(第3四半期)決算は、純利益が前年同期の2倍強に増え、 アナリストの予想平均も上回った。米連邦準備制度理事会(FRB) は政策金利を「長期にわたり」ゼロ付近に維持すると改めて表明する 見通しだ。ブルームバーグの調査によると、欧州中央銀行(ECB) も5日の政策決定会合で政策金利を据え置くと見込まれている。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロン ドン在勤)は「株価が国債相場下落の要因になっている。リスク志向 に基づいた取引だ」と指摘。「相場はまた、中央銀行当局による出口 戦略についての発言に変化がないか見極めたいのだ」と述べた。

ロンドン時間午後5時14分現在、独10年債利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.32%。これ は10月29日以来の高水準。同国債(表面利率3.5%、2019年7 月償還)価格は0.46ポイント下げて101.46。同2年債利回りは2 bp上昇の1.30%。

◎英国債市場

英国債相場は下落。株式相場の上昇と景気が改善しつつあるこ とを背景に、イングランド銀行(英中央銀行)が5日の金融政策委員 会(MPC)で資産買い取りプログラムを拡大する公算は小さいとの 観測が広がった。

10年債利回りは約3カ月ぶりの高水準となった。債券ファンド 運用最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(P IMCO)は、英中銀が購入計画を一時休止するとの見方を示した。 同中銀が英経済の「安定化」に成功したためとしている。エコノミス ト調査によれば、英中銀は買い取り規模を500億ポンド拡大すると 見込まれている。

ドイツ銀行のストラテジスト、ヘンリック・グルベリ氏(ロン ドン在勤)は「最近の経済データがある程度改善したことを考慮する と、量的緩和が一層拡大されるリスクは低下したかもしれない」と語 った。

10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し3.79%となった。一時は8月13日以来の高水準と なる3.81%まで上げた。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償 還)価格は0.55ポイント下げ105.57。2年債利回りは0.90%と、 前日を3bp上回った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 藤田比呂子 Hiroko Fujita +81-3-3201-8662 hfujita2@bloomberg.net Editor: Masami Kakuta、 Akiko Kobari 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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