債券は下落、米債安警戒や10年債入札前に売り-FOMCを見極め

債券相場は下落(利回りは上昇)。 前日の米国債相場が下落した地合いを引き継いだほか、あす実施の10 年国債入札への警戒感から売り優勢の展開となった。日本時間の今晩に は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されることで、買い 手控えムードも強かった。

みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミス トは、「FOMCへの警戒感や10年債入札の前のタイミングというこ とで、買いが引いている状況。国際通貨基金(IMF)が公表した報告 書のなかで、日本が20カ国・地域(G20)のうちで財政状況が突出し て悪いとされたことも、市場の弱気ムードに拍車をかけたのではない か」と述べた。

東京先物市場の中心限月12月物は、2日終値に比べて16銭安の 138円11銭で開始。その後は138円10銭台を中心にもみ合っていたも のの、午後に入ると水準を切り下げた。取引終了にかけて売りが増える と一時は35銭安い137円92銭まで下げた。結局は31銭安の137円96 銭と、終値で10月30日以来の138円割れとなった。

朝方は、前日の米債市場で長期金利が上昇したことを受けて、先物 を中心に売りが先行した。3日の米国債相場は下落。米10年債利回り は前日比5ベーシスポイント(bp)上昇の3.47%程度となった。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は4日、FOMC会合の声 明を発表する。市場では声明文のゼロ金利政策の継続期間に関する「長 期にわたって」との表現が修正されるかに注目が集まっている。東短リ サーチの加藤出チーフエコノミストは、「今回のFOMCでは表現が変 更される確率よりも、維持される確率の方が高い」と予想する。

10年債利回りは1.395%

現物債市場で新発10年物の304回債利回りは、2日終値と変わら ずの1.375%で始まった。その後は、相場が下落する中でも、304回債 利回りは水準を切り下げ、1bp低い1.365%と10月23日以来の低水準 をつけた。しかし、午後に入って、売りが優勢になると上昇に転じてい る。午後4時18分時点では2bp高い1.395%で推移している。

304回債利回りが午後2時半過ぎまで低下していたことについて、 現金担保付き債券貸借(レポ)取引市場での需給ひっ迫の影響を受けた との指摘が出ていた。

クレディ・スイス証券の福永顕人債券ストラテジストは、10年物 の304回利回りだけが低下していたことについて、ポジション(持ち 高)がゆがんでレポ金利がおかしくなっていると指摘。東短リサーチの 寺田寿明研究員は、304回債のレポSC取引で「翌日物が最大でマイナ ス2%台の取引があった。きょうもマイナス0.2%-0.3%程度で取引 されている」と、レポ市場での取引の影響を受けていると説明した。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、 「10月上旬から債券が売られていたが、最近2、3日は金融不安を発 端に買い戻されている。10年債利回りはしばらく1.3%台でもみ合うの ではないか」とみている。

10年債以外も全般的に安い。新発5年債利回りは2.5bp高い

0.67%、新発20年債利回りは2bp高い2.115%、新発30年債利回りは 1bp高い2.23%で推移している。

あす10年入札、クーポン1.4%か

財務省は5日、10年利付国債の価格競争入札を実施する。前回入 札された10年物の304回債利回りは1.395%付近で取引されており、表 面利率(クーポン)は0.1ポイント高い1.4%となる可能性が高い。発 行予定額は同額の2兆1000億円程度。

クーポンが1.4%に引き上げられれば一定の需要が見込まれるため、 「波乱はない」とトヨタアセットの浜崎氏は指摘するが、今後の国債増 発による需給悪化懸念も根強い。みずほインベスターズ証の落合氏は、 「10年債は主体となる投資家が少ないだけに、あすの入札で人気が離 散するようだと、テール(落札と平均価格の差)が拡大するリスクを秘 めている」という。

白川総裁講演、緩和的な金融環境維持

日本銀行の白川方明総裁はこの日、都内の講演で、景気は先行き持 ち直していくとの見通しを示した上で、下振れリスクばかりを意識して いた春先までに比べ、上振れと下振れのリスクは均衡する方向に向かっ ていると発言した。金融政策運営に関しては、「極めて緩和的な金融環 境を維持し、わが国経済が物価安定のもとでの持続的な成長経路へ復帰 していくことを粘り強く支援していく」との考えを示した。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、「企業 金融支援措置見直し決定と、超低金利政策継続という金融政策の基本線 とは、しっかり切り離されていることをできるだけ強く、内外にアピー ルしたかったのだろう」と分析している。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎、日高正裕 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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