11月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで1カ月ぶり高値 に上昇。円も値上がりした。銀行が金融危機の悪影響をぬぐい去るの に苦戦しているとの見方が広がり、利回りの高い通貨への需要が後退 した。

ドル上昇の背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が2日間 の日程で開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の先行 きについて協議するとの観測が強まったことがある。南アフリカ・ラ ンドは主要16通貨すべてに対して上昇。金相場が過去最高値を更新 したことがきっかけ。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の主要10カ国(G10)通貨 戦略責任者、スティーブン・ピアソン氏は「リスク志向が後退すると ドルには引き続き買い注文が入る」と指摘。「ドルは選択的守りの通 貨であることから、この傾向は当面続くだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.4%高の1ユーロ=1.4716ドル(前日は同1.4775ドル)。一時は 10月5日以来の高値、同1.4626ドルを付ける場面もあった。円は対 ユーロで0.3%高の1ユーロ=132円94銭(前日は同133円32銭)。 ドルは対円で1ドル=90円35銭(前日は同90円21銭)。

ノルウェー・クローネは対ドルで0.4%安。メキシコ・ペソは対 円で0.2%下落した。大手銀行をめぐる懸念が強まったことを背景に 低金利通貨で調達した資金を高金利通貨で運用するキャリー取引の解 消が進んだ。

UBSの損失

スイスの銀行最大手、UBSが発表した2009年7-9月(第3 四半期)決算は、純損益が5億6400万スイス・フランの赤字と、赤 字幅はアナリスト予想平均を上回った。

JPモルガン・チェースがまとめた主要通貨のインプライドボラ ティリティ(IV、予想変動率)は14.27と、7月13日以来の高水 準を付けた。投資家が今後数カ月に価格変動がより大きくなると見て いることを示している。

日本の政策金利は0.1%、米国は0-0.25%であることから、ド ルと円はキャリー取引を行う際の調達通貨となっている。FOMCは 4日に金融政策の声明を発表する。

ドイツ銀行によると、ドルは年末までに1ユーロ=1.55ドルに 下落する見通しだ。従来予想では同1.50ドルへの値下がりを見込ん でいた。同行通貨ストラテジストの、バイラル・ハフィーツ氏とダニ エル・ブレホン氏は3日付調査リポートで、ドルは来年には値を戻し、 6月末までに同1.45ドルになるとの見通しを示した。

ポンドはほぼ変わらず

英ポンドは対ドルでほぼ変わらず。前日までは続伸していた。イ ングランド銀行が5日の政策決定会合で、資産購入プログラムの拡大 を決めるとの観測が強まっていた。

BNPパリバの為替ストラテジスト、イアン・スタナード氏(ロ ンドン在勤)は「同プログラムについて、市場では250億ポンドの拡 大が見込まれているが、一部には最大500億ポンド拡大されるとの見 方も浮上している」と指摘する。

英ポンドは対ドルで一時0.9%下落する場面もあった。英銀ロイ ヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とロイ ズ・バンキング・グループが、英政府から合計で313億ポンド(約4 兆6000億円)の追加出資を受けると発表したことが背景。

南アフリカ・ランドは対ドルで1.5%高。金先物12月限は過去 最高値のオンス当たり1088.50ドルを付けた。

◎米国株式市場

米株式市場は総じて堅調。ウォーレン・バフェット氏のバークシ ャー・ハサウェイが鉄道のバーリントン・ノーザン・サンタフェの買 収で合意、工具メーカーのスタンレーワークスが同業のブラック&デ ッカーを買収と、大型案件が相次いだ。一方で、半導体メーカーの投 資判断引き下げが嫌気され、テクノロジー株は売られた。

バフェット氏はバーリントン買収について、米経済の将来に「す べてを賭けた勝負」と自負。バーリントンの株価は28%上昇した。 スタンレーワークスの買収案を受け入れたブラック&デッカーも 31%高と急伸。商品市場では原油が上昇、金は過去最高値で引けた。 これを受けてエネルギー株と資源株も高い。一方、半導体のインテル は下落し、ダウ工業株30種平均を押し下げた。モルガン・スタンレ ーは米国の半導体株の投資判断を「コーシャス(慎重)」に引き下げ た。

ニューヨーク証券取引所の騰落比率は5対2。S&P500種株価 指数は前日比0.2%上昇の1045.41。ダウ工業株30種平均は17.53ド ル(0.2%)安の9771.91ドル。

BNYメロン・ウェルス・マネジメント(運用資産1420億ド ル)の投資ストラテジー担当ディレクター、クリストファー・シェル ドン氏(ボストン在勤)は、「バフェット氏が何かに投資したとなれ ば、便乗しようとする者が現れる」と語る。「なかなか伸びない雇用 と消費者への重圧に注目するのも良いが、物事には裏の面があり、バ フェット氏はそちらをみているに違いない。それは利益見通しという 裏面だ」と述べた。

FOMC発表前夜

S&P500種は2日連続で上昇。バークシャーの大型買収で株価 持ち直しへの期待が高まった。同指数は3月に記録した1年ぶり安値 からは55%戻した水準にある。

米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日と4日に米連邦公開市 場委員会(FOMC)を開催。バーナンキFRB議長は住宅市場てこ 入れのために実施した住宅ローン担保証券の買い入れを3月に終了で きるとみている。FOMCは4日午後に会合の結果を発表する。

フィフス・サード・アセット・マネジメント(シンシナティ、運 用資産186億ドル)の最高投資責任者(CIO)、キース・ワーツ氏 は、「刺激策の解除に向けたシグナルをFOMCが発信するかどうか が市場では注目される」と語る。「声明の一字一句をこと細かに熟読 することになるだろう」と述べた。

鉄道株に買い

バーリントン・ノーザンは28%高の97ドル。バークシャーにと って過去最大規模となる今回の買収コストは260億ドル。発表による と、株式と現金合わせて1株当たり100ドル支払って、バークシャー 未保有のノーザン株77.4%を取得する。これまでの出資や債務継承 分を含むと買収額は440億ドルに達する。バークシャーのクラスA株 とクラスB株はいずれも2%近い上昇となった。

同じく鉄道のユニオン・パシフィックやCSXも大幅に値上がり した。ノーフォーク・サザンは5.4%上昇。

S&P500種の運輸銘柄10種で構成する指数は5.8%上昇し、4 月以来の大幅高となった。

工具のブラック&デッカーは31%急伸。同業スタンレーワーク スによる株式交換35億ドルによる買収案を受け入れた。スタンレー は10%上昇。

半導体最大手のインテルは2.7%下落。モルガン・スタンレーは 半導体株の投資判断を引き下げ、このうちインテルを「イコールウエ ート」に引き下げた。同じく投資判断を引き下げられた半導体製造装 置のノベラス・システムズ、KLAテンコアも売られた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が3-4 日の会合で、過去最低水準にある政策金利を長期にわたり維持する姿 勢を変えないとの観測が強く、インフレ懸念から売りが出た。

インフレが加速するリスクを反映し、2年債と10年債の利回り 差は過去およそ3カ月での最大に拡大した。財務省は4日、来週実施 する中長期国債の入札の詳細を発表する予定。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は「FOMCが声明の文言を変更すると考えて いる人は少ない。現在の金利水準では冒険を避ける傾向が強く、資金 は国債市場から流出している」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時26分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.47%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は14/32下げて101 9/32。30年債 利回りは7bp上昇の4.33%。

2年債利回りは0.91%。10年債との利回り差は6bp拡大し、

2.55ポイント。8月12日以来で最大となった。

入札規模

プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)6社の予 想平均によると、来週の国債入札の規模は3年債が400億ドル、10 年債は250億ドル、30年債は160億ドルとなっている。実際にそう なった場合、ブルームバーグのデータによると、いずれの年限の国債 発行額も過去最高となる。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は「期間が短めの国債利回りはしばらく低位にとどまりそ うだが、期間が長めの国債利回りは供給を材料に上昇しそうだ。供給 は長めの国債利回りを中心に上昇圧力をかけている」と指摘した。

財務省は先月、発行済み国債の償還までの平均残存期間を72- 84カ月に延ばす計画を明らかにした。残存期間は2008年12月に49 カ月と、過去26年で最短となった。

金が最高値

金先物相場が史上最高値を更新したことも国債売りを誘った。イ ンド準備銀行(中央銀行)が国際通貨基金(IMF)から金200トン を購入したため、公的機関による金の購入がさらに増えるとの観測が 高まった。

グッゲンハイム・キャピタル・マーケッツの米金利トレーディン グ責任者、トム・ディガロマ氏は「インフレ率が上昇すれば、国債相 場は下落する」と話した。

FOMC

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、FOMCが政 策金利を0-0.25%で据え置くと、95人全員が予想した。経済成長 率はプラスに戻ったものの、6日に労働省が発表する10月の雇用統 計では失業率のエコノミスト予想中央値は9.9%への上昇。

モルガン・スタンレーの米金利ストラテジー責任者、ジェーム ズ・キャロン氏(ニューヨーク在勤)は「現段階ではFOMCが声明 を緩和的な姿勢をわずかに弱めるような内容に変更することは相場に はほぼ織り込まれている。これが金利変更の前倒しにつながるかどう かは景気次第だ」と語った。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸し、史上最高値を更新した。イン ド準備銀行(中央銀行)が国際通貨基金(IMF)から金200トンを 購入したことを好感。公的機関による金の購入がさらに増えるとの観 測が高まった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は通常取引終了後の時間外取引で、オンス当たり

1088.50ドルと過去最高値を付けた。通常取引でも前日比30.90ドル (2.9%)高の1オンス=1084.90ドルと最高値で終了した。上昇率 は3月19日以来の最大。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラン 社長は「ほかの国や特にインド国内のほかの投資家による金投資を後 押しするだろう。インドはそもそも金の大口購入者だ」と述べた。

インド準備銀行はIMFに67億ドルを支払い、10月19日-30 日にかけて同金準備を購入した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は上昇。朝方には、日中取引としては10 月15日以来の安値となる1バレル=76.55ドルまで下げたものの、 その後、相場は上昇に転じた。安値を更新しなかったことで、テクニ カル面を重視するトレーダーが買いの好機ととらえたことが背景。ま た、インド中銀が金を購入したことも商品の魅力を高めた。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズ(ニューヨーク) のエネルギー担当シニアアナリスト、トム・ベンツ氏は「原油相場は

76.50ドル近辺の下値支持割れを試したが、そうはならなかった。テ クニカル面では、これが相場上昇の兆しととらえられた」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比1.47ドル(1.88%)高の1バレル=79.60ドルで終了した。年 初からは78%高。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落し、1カ月ぶり安値を付けた。スイスの銀行、 UBSの7-9月(第3四半期)赤字が予想より悪化したほか、英銀 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が2 回目の政府救済を受け入れることを明らかにしたのが手掛かり。

UBSは、4四半期連続の赤字となったことが嫌気され、ここ2 カ月で最大の下げとなった。RBSも売りを浴びた。英財務省はRB Sに255億ポンドを追加注入すると発表。これにより政府の保有率は

84.4%に高まる。ドイツの高級車メーカー、BMWは6.3%安。同社 の7-9月期利益が落ち込んだことが売りを誘った。

ダウ欧州600指数は前日比1.2%安の234.90と、10月2日以来 の安値で引けた。企業業績や景気の見通しと比較すると、ここ8カ月 の上昇が行き過ぎとの見方から、年初来高値を付けた10月19日の水 準から5.8%下げた。同指数は3月以来の水準からは依然として49% 上げている。

メリルリンチ・グローバル・ウエルス・マネジメントのストラテ ジスト、ビル・オニール氏(ロンドン在勤)は、「相場調整は3つの 支柱の上に立っている」と指摘し、「銀行株主の見通しに対する警戒 や利上げが迫っているという懸念、そして逆説的ではあるが、米消費 者の支出に対する消極的な姿勢で2010年の回復が損なわれる」こと を挙げた。

3日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価指 数が下落。ダウ・ユーロ50種指数は前日比1.8%安、ダウ・欧州50 種指数は1.4%下げた。

UBSは5.8%安と、9月1日以降で最大の値下がり。RBSは 7%下落した。

一方、英銀ロイズ・バンキング・バンクは2.7%上昇。同行は、 英政府の資産保証スキーム(APS)活用の回避を狙い、株主割当増 資などで210億ポンドを調達する計画を明らかにした。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ2年債相場がほぼ変わらず。同利回りは約 4週間ぶりの低水準まで5ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)未満となっている。株式相場は欧州地域の景気回復が依然と して脆弱(ぜいじゃく)との懸念から下落した。

独10年債は上昇する場面もあった。欧州連合(EU)の行政執 行機関である欧州委員会が半期経済見通しで、ユーロ圏の失業率は 2011年に入っても上昇し、少なくとも1995年以来で最悪の10.9%に 達すると予想したことが背景。同報告では、銀行の損失が2009-10 年に2000億-4000億ユーロ(26兆-53兆円)のレンジになるとの 見通しを示した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は「景気見通しに対する不安な見方が広がる中、 株式相場の軟調が国債相場の上昇につながっている」と指摘。「欧州 委員会は、失業率は高水準にとどまるとし、インフレは抑制されてい ると指摘した。債券相場にとっては好材料だ」と述べた。

ロンドン時間午後5時現在、独2年債利回りは前日比1ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.29%。一時は10月8日 以来の低水準となる1.24%を付ける場面もあった。同国債(表面利 率1.25%、2011年9月償還)価格は0.01ポイント上げ99.93。10年 債利回りは4bp上昇の3.26%。一時は5bp低下した。

◎英国債市場

英国債市場では、10年債相場が下落。同利回りは前日比6ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.72%となった。一 時は10月23日以来の高水準となる3.74%まで上げる場面もあった。

英公債管理局(DMO)は3日、2015年償還の国債(発行額47 億5000万ポンド)入札を実施。同国債の平均落札利回りは2.94%。 DMOは4日に2034年償還の国債20億ポンドを発行する。

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