今日の国内市況:日経平均が大幅反落、債券は堅調-円には売り圧力

東京株式相場は日経平均株価が急 反落し、1万円を割り込んだ。米国で個人消費関連の統計が力強さを欠 いたことで、米景気回復の持続性に対し懐疑的な見方が強まり、輸出や 資源関連株から資金が流出。米商業金融大手CITグループの経営破た んを受け、世界的な金融不安の再燃が警戒され、銀行や証券株も安い。

日経平均株価の終値は前週末比231円79銭(2.3%)安の9802 円95銭、TOPIXは同14.13ポイント(1.6%)安の880.54。

米商務省が10月30日に発表した9月の個人消費支出(PCE) は前月比0.5%減と、5カ月ぶりのマイナスになった。政府の自動車買 い替え奨励策の終了が影響した。一方、10月のロイター・ミシガン大 学消費者マインド指数(確定値)は70.6と、前月の73.5から低下。 CITグループの破たん懸念も重なり、先週末のダウ工業株30種平均 は前日比2.5%安の9712.73ドルと大幅反落していた。

日本の輸出関連株は、米景気不安による販売数量の低迷が意識され るうえ、円高による為替採算の悪化も警戒され、売り圧力が強まった。 トヨタ自動車やキヤノン、TDKと主要な輸出株が軒並み安い。2010 年3月期の損益予想を上方修正する一方、売上高見通しは据え置いたソ ニーは5.8%安と売り込まれた。

先週末の米国株式市場では、S&P500種の金融株指数が4.8%安 と、全10セクターで値下がり率トップだった。またCITグループが 1日、米連邦破産法に基づく会社更生手続きの適用を申請したと発表。 これを受けて、三井住友フィナンシャルグループや大和証券グループ本 社、東京海上ホールディングスなど日本の金融株も売られた。

相場は取引開始直後から先物主導で値を切り下げたが、朝方に付け た日経平均のこの日安値は298円安の9736円と、米シカゴ先物市場 (CME)の日経平均先物12月物の10月30日清算値9715円を割り 込まなかった。午後に入ると日経平均はやや下げ渋った。安く始まった 中国上海総合株価指数が上昇に転換して市場心理が向上、中国経済への 依存度が高い海運株の一角などが買い戻された。

東証1部の売買高は概算で18億1159万株、売買代金は1兆2919 億円。値下がり銘柄数が1087、値上がりは473。業種別33指数は30 業種が下落。上昇はその他金融、電気・ガス、食料品の3業種。

個別では、JPモルガン証券が投資判断を「オーバーウエート」か ら「中立」へ引き下げた住友電気工業が急落。浴槽やトイレ販売の不振 で10年3月期の連結最終損益が一転して赤字に落ち込む見通しとなっ たTOTOも安い。JPモルガン証や大和証券SMBCなどが投資判断 を引き下げた三井不動産は6%を超す大幅安。

半面、東証1部の上昇率上位には武富士、アイフル、プロミス、ア コムと消費者金融株がずらりと並んだ。1日付の日本経済新聞が、政府 が消費者金融など貸金業向けに強化してきた規制を緩和する方向で検討 すると報道し、収益環境の改善が期待された。4-9月期の連結純利益 が計画超過となったもようの新生銀行も高い。

債券は堅調、10年債は1.4%割れに

債券相場は堅調(利回りは低下)。米国景気への懸念や金融不安 の高まりを背景に、リスク資産である株式を圧縮する一方で安全資産と される債券に買いが優勢となった。新発10年国債利回りは1.4%を下 回って1週間ぶりの低い水準をつけた。

東京先物市場の中心限月12月物は前週末比17銭高い138円16 銭で始まり、直後には138円11銭まで伸び悩んだ。しかし、株安を手 がかりに一時は138円27銭まで上昇して、6営業日ぶりの高値圏での 推移となった。午後の取引でも138円11銭が支えられると再び買いが 膨らんでおり、結局は28銭高の138円27銭で終了した。

現物市場で新発10年物の304回債利回りは前週末比2bp低い

1.385%で始まり、直後に26日以来の低水準となる1.38%をつけた。 その後は1.38-1.385%でのもみ合いが続き、午後にいったんは

1.39%まで下げ幅を縮めたが、その後に再び買いが膨らむと一時は

1.37%をつけた。その後は1.375%での推移が続いた。

304回債利回りは10月8日に1.245%をつけて以降にじり高とな り、前週末までに最大で18bpも上昇した。市場では引き続き国債増発 に伴う需給懸念がくすぶるものの、世界的に株式などリスク資産を圧縮 する動きが強まってきたほか、日銀の物価上昇率の見通しが2011年度 までマイナスとなるなど、外部環境は徐々に債券買いの材料がそろいつ つあるため、投資家からは打診的に買いが膨らむとみられた。

米国では消費関連の経済指標がいまひとつだったほか、米商業金 融CITグループが米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用 を申請したことによる金融不安の高まりが懸念されており、国内市場で も債券買い、株式売りのきっかっけとなっていた。

米国では9月の個人消費支出が5カ月ぶりに減少したことなどを きっかけに、前週末の米10年債利回りは12ベーシスポイント(bp) 低い3.38%程度となった。一方、株式市場ではダウ工業株30種平均 など主要な株価指数が軒並み下げた。米株下落やCITグループ破たん などを受けて、日経平均株価は午前に300円近くも反落した。

もっとも、あすから米連邦公開市場委員会(FOMC)や、国内 では5日に10年債入札を控えているため、朝方の買いが一巡するとそ の後はもみ合いとなった。市場では、内外で債券買い、株式売りの動き が活発化し始めたとしながらも、現物需給を10年債入札などで見極め たいとの声が多いことが、債券相場の上値を抑えたとみられた。

円に売り圧力、朝方には一時89円前半

東京外国為替市場では、世界的な景気回復期待を背景にした円売 り圧力が根強く残った。朝方は米商業金融会社CITグループの破たん を受け、円買いが先行したものの、世界的な金融危機の再燃にはつなが らないとの見方から円は取引が進むにつれて伸び悩んだ。

円は対ユーロで朝方に付けた約1カ月ぶり高値の1ユーロ=131円 1銭から一時、133円22銭まで下落。対ドルでも10月14日以来の高 値となる1ドル=89円20銭から反落し、一時は90円24銭まで値を 下げる場面が見られた。

一方、ユーロ・ドル相場は朝方に、1ユーロ=1.4685ドルまでユ ーロ売り・ドル買いが先行したが、その後は徐々にユーロ買いが優勢と なり、午後には1.47ドル台後半まで値を切り上げる場面も見られた。

CIT破たんで投資家のリスク回避姿勢の高まりが意識される中、 週明け早朝の取引では新興国通貨や資源国通貨などを売って、円を買 い戻す動きが先行。もっとも、円買いもまもなく一巡し、午前8時前後 からは一転して円売りが活発となった。

前週末の米国株安を受け、週明けのアジア株式相場は軒並み下落し ていたが、10月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が1年半ぶり の高水準となったことなどから、中国上海総合株価指数がプラスに転換。 東京株式相場も大幅安ながら、午後にかけてやや下げ渋る展開となった。

豪ドル・円は早朝に一時、10月8日以来となる1豪ドル=79円台 半ばまで豪ドル売りが進んだが、午後には81円半ばまで反発。2009 年7-9月(第3四半期)の豪住宅価格指数が予想を上回る伸びとなっ たほか、オーストラリア政府が今年度(09年7月-10年6月)の経済 成長率見通しを引き上げたことが好感された。市場ではRBAが3日の 金融政策決定会合で0.25ポイントの追加利上げを実施すると予想され ている。

RBA以外にも今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中 央銀行(ECB)、イングランド銀行の金融政策決定会合が開かれる。 また、米国では米供給管理協会(ISM)の製造業・非製造業景況指数 や雇用統計など重要指標の発表が相次ぐほか、週末には20カ国財務 相・中央銀行総裁会議(G20)も予定されており、会合結果や指標内 容に一喜一憂する波乱含みの展開が想定される。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 ISMが2日発表する10月の製造業指数は53と、3年ぶりの高水準 に上昇する見込み。一方、週末発表の10月の米雇用統計では雇用削減 の継続が示され、失業率は1983年以来、最悪の水準となる見通しとな っている。

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