日本株割安感ない、スタンダード・ライフなど投資に消極的

日本の新政権が景気てこ入れに 失敗するとの懸念が広がるなか、資産運用会社のスタンダード・ライ フ・インベストメンツは日本の工作機械関連株を売却、 INGインベストメント・マネジメントは銀行株の保有を減らしてい る。

運用資産が合わせて7050億ドル(約63兆4000億円)に上る両 社の日本株保有比率は、指標となる指数に比べて低い。純資産でみる と、日本株は10月、他の先進国すべての株価と比べ平均で2008年 5月以降最も割安な水準にあるが、それでも両社は方針を変えない計 画だ。

先進国の株式で構成するMSCI世界指数が10月、0.4%上昇 する一方で、東証株価指数(TOPIX)は1.7%下落した。TOP IXは9月に5.8%下落し、ブルームバーグが調査する88の株価指 数で最悪のリターンを記録した。株価下落の背景には、 鳩山由紀夫政権が円高を容認するとの観測や、同政権が返済猶予制度 の導入を表明したことがある。

INGで資産運用に携わるフィリップ・シュワルツ氏(ニューヨ ーク在勤)は「新政権のこれまでの成果には失望した」とし、「構造 的な改革が必要なところで構造改革がほとんど進んでいない」とし、 民主党政権はより多くの国内刺激策を講じるべきだと付け加えた。

日本株は現時点で、MSCI世界指数と比較した場合、過去1年 5カ月で最も割安な水準に近い。TOPIXは純資産に対する株価の 割合が29日時点で1.1倍。これに対してMSCI世界指数は1.7倍 だ。ブルームバーグの集計によると、両指数の割合の平均格差は10 月に0.65と、2008年5月30日以来最大となった。

割高感

しかし、ブルームバーグの集計によれば、日本株は収益見通しに 基づくと、世界の5大市場で最も割高感がある。TOPIX構成銘柄 では、今年の純利益見通しに対する株価の比率は39倍と、S&P 500種株価指数の2倍強の水準にあり、中国や英国、香港の指数と比 べると少なくとも77%高い。

スタンダード・ライフのストラテジスト、ロバート・ミキロップ 氏(エディンバラ在勤)は「逆に考えると、市場の水準が正当化され るには長い時間かかるとわれわれは考えている」と指摘。1994年に 金融業界に入った同氏は「日本の一部の分野は、わたしが日本市場を 担当した時期の大半の期間より割高感がある」と説明した。

ミキロップ氏によると、スタンダード・ライフは割高感を理由に 工作機械関連株を売却している。具体的な銘柄は明らかにしなかった が、世界の景気拡大は鈍く、企業の設備投資に頼る日本のメーカーに 打撃を与える公算が大きいと同氏は指摘した。

金融株に慎重

一方、シュワルツ氏は引き続き金融株に慎重だ。「われわれは、 総選挙に向けて若干堅調に推移すると考えて金融株について若干のリ スクを取っていた」が、銀行の準備金拡大の義務付けが国際的に検討 されるなかで、「われわれは突如として資本規制を再び気にするよう になった」と述べた。

また同氏は円高が状況を悪化させていると語る。藤井裕久財務相 が9月16日、為替介入に消極的な姿勢を示したことが円買いを招き、 10月7日に円は1ドル=88円1銭と、1月以来の高値を付けた。

シュワルツ氏は「円に関する発言でさらに失望した」とし、「特 に残念なことが重なった」と語った。

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