債券は堅調、米景気懸念や金融不安で-10年利回り1週間ぶり低水準

債券相場は堅調(利回りは低下)。 米国景気への懸念や金融不安の高まりを背景に、リスク資産である株 式を圧縮する一方で安全資産とされる債券に買いが優勢となった。新 発10年国債利回りは1.4%を下回って1週間ぶりの低い水準をつけた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、長期金利が 4週連続で上昇した反動が見込まれるタイミングで、米国の景気や金 融に対する慎重な見方が広がったと指摘。そのうえで、「今週は10年 債入札などをこなしながら1.4%台を固める」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月12月物は前週末比17銭高い138円16銭で 始まり、直後には138円11銭まで伸び悩んだ。しかし、株安を手がか りに一時は138円27銭まで上昇して、6営業日ぶりの高値圏での推移 となった。午後の取引でも138円11銭が支えられると再び買いが膨ら んでおり、結局は28銭高の138円27銭で終了した。

米国では消費関連の経済指標がいまひとつだったほか、米商業金 融CITグループが米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用 を申請したことによる金融不安の高まりが懸念されており、国内市場 でも債券買い、株式売りのきっかっけとなっていた。

米国では9月の個人消費支出が5カ月ぶりに減少したことなどを きっかけに、前週末の米10年債利回りは12ベーシスポイント(bp) 低い3.38%程度となった。一方、株式市場ではダウ工業株30種平均 など主要な株価指数が軒並み下げた。米株下落やCITグループ破た んなどを受けて、日経平均株価は午前に300円近くも反落した。

もっとも、あすから米連邦公開市場委員会(FOMC)や、国内 では5日に10年債入札を控えているため、朝方の買いが一巡するとそ の後はもみ合いとなった。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券 運用第2グループリーダーは、内外市場で債券買い、株式売りの動き が活発化し始めたとしながらも、「現物需給を10年債入札などで見極 めたいとの声が多い」ことが、債券相場の上値を抑えたとみていた。

10年債利回りは一時1.37%

現物市場で新発10年物の304回債利回りは前週末比2bp低い

1.385%で始まり、直後に26日以来の低水準となる1.38%をつけた。 その後は1.38-1.385%でのもみ合いが続き、午後にいったんは1.3 9%まで下げ幅を縮めたが、その後に再び買いが膨らむと一時は1.3 7%をつけた。午後4時28分現在では1.375%で推移している。

304回債利回りは10月8日に1.245%をつけて以降にじり高とな り、前週末までに最大で18bpも上昇した。市場では引き続き国債増発 に伴う需給懸念がくすぶるものの、世界的に株式などリスク資産を圧 縮する動きが強まってきたほか、日銀の物価上昇率の見通しが2011 年度までマイナスとなるなど、外部環境は徐々に債券買いの材料がそ ろいつつあるため、投資家からは打診的に買いが膨らむとみられてい る。

国債需給の悪化懸念が次第に弱まってきたとの指摘もあった。岡 三アセットの山田氏は、10年度予算編成に関してなお不透明要因が多 いとしながらも、政府は概算要求を切り詰めて国債発行額を抑制して くるとも指摘しており、「増発懸念でショート(売り持ち高)を増や した向きからいずれ買い戻しが入る展開も想定できる」との見方を示 した。

鳩山由紀夫首相は2日の衆院予算委員会で、10年度予算での新規 国債発行額が09年度の当初と第1次補正予算を合わせた約44兆円を 超えないよう最大の努力をする考えを明らかにした。

今週の長期金利はもみ合い

あすに祝日を控えていることも相まって投資家の様子見姿勢は強 く、今週の長期金利の低下余地は限定的との指摘も多かった。 みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、この日に超長 期債をはじめ長めのゾーンには買いが入ったとしながらも、株価との 比較では相場の上値が重いといい、「需給不安や10年債入札などのイ ベントを気にしているのだろう」との見方を示していた。

この日に長期や超長期ゾーンで買いが優勢だったことについて、 大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、年金基金などが保有債券の年限を 長期化させる買いに動いたと指摘したものの、投資家の買いが幅広く 入ってはいなかったとの見方を示した。

こうしたなか、国債増発懸念といった売り材料と、株価の下落基 調やデフレ観測の高まりなど買い材料が交錯するなか、10年債利回り は1.4%を挟むもみ合いを予想する声もあった。岡三アセットの山田 氏は、10年債の入札前後には一時的に需給が緩むが、米FOMCはじ め注目材料を消化しながら金利の上振れ懸念は和らいでいくとみてお り、「10年債の1.4%台は押し目買いスタンスでよさそう」と指摘し た。

--取材協力 池田祐美 Editors:Joji Mochida, Hidekiyo Sakihama

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