長期金利のピークは目前:増発観測織り込みの見方、1.4%半ばがめど

債券市場関係者の間で長期金利の ピーク(天井)は目前との見方が増えてきた。新政権下での国債増発 を懸念して3週間以上も金利上昇が続いたことで、発行増に伴う需給 悪化を織り込んだとみられるためだ。10年債利回りは1.4%台半ばが めどとなり、6月につけた今年最高の1.5%台に届かないとの指摘が 多い。

みずほ投信投資顧問の中村博債券運用部長は、需給不安という売 りのテーマがあらかた織り込まれたと指摘。そのうえで、市場の弱気 心理が金利を押し上げているものの、「需給絡みの材料はセル・ザ・ル ーマー・バイ・ザ・ファクト(うわさで売って事実で買う)といった 過去の経験が活きており、ここからの金利上昇余地は乏しい」と読む。

長期金利の指標である新発10年国債利回りは、10月6日に約8 カ月ぶり低水準となる1.24%をつけたが、その後はじり高に推移して 一時は1.425%を記録した。金利が上昇に転じた当初に売り材料視さ れた米国株高や金利高は終息しつつあるが、国内の需給悪化への懸念 を背景に上げ基調を維持した格好。前週末30日終値は1.405%だった。

もっとも、国債の増発規模が徐々に明らかになるに伴って、市場 の需給不安が和らぎつつあるのも事実だ。DIAMアセットマネジメ ントの山崎信人エグゼクティブファンドマネジャーは、需給相場で最 も厄介なのは発行規模が見極められないことだが、足元では今後どの くらいの国債が必要か見えてきたといい、「下期といったタームで考え れば金利高はすでに7、8合目に達している」との見方を示した。

藤井裕久財務相は新規国債発行額について、2009年度は50兆円 超となる可能性を示唆したほか、10年度については今年度補正後の44 兆円以下に抑制する意向を表明している。

長期金利のめどは1.4%半ば

市場では10年債利回りでみて1.4%台半ばがめどになり、今月の 比較的に早い時期にピークをつけるとの指摘が聞かれる。

10年債利回りは09年度第1次補正予算編成や景気回復期待を受 けて6月11日に1.56%まで上昇したが、当時と比べると景気の先行 きに慎重な見方が強いことから1.5%以上には上振れないとの読みが ある。みずほ投信の中村氏は金利上昇時に残高を積まないと収益を得 られないとしたうえで、「8月の直近ピークである1.46%をめどに、 基本的には1.4%台は買い目線で構えておくべき」という。

三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストも、金融機関 の多くは引き続き債券での収益確保の要請が強く、下期序盤のタイミ ングでは金利上昇時における買いニーズが強いといい、「10年債利回 りでみて1.45%が当面の上限との見方がメインシナリオ」との見方だ。

こうしたなか、生命保険会社が下期の運用の中核に挙げる20年ゾ ーンでは、利回りが2.1%台半ばまで上昇したことで買いが入り始め たほか、日銀による低金利の長期化観測が強いことを背景に、2年債 利回りも0.3%目前まで到達後に下げ基調となるなど、10年債以外で は投資家の買いによって金利上昇に歯止めがかかりつつある。

さらに、民主党政権下で、財政規律が大きく損なわれるとの懸念 について、金利上昇に拍車を掛ける材料とは認識されていない。DI AMアセットの山崎氏は、日本の財政破たんまで売り材料に持ち出さ れているが、主要な売り手である海外勢が例年、感謝祭(11月26日) までに売り持ち高を手仕舞うことを考えると、「長期金利は早ければ今 週にもピークをつけて下げに転じる」と予想する。

--取材協力:Theresa Barraclough Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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