11月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルと円が対ユーロで下落。こ の日発表された経済指標で米住宅市場や製造業景況感の改善が示され、 高利回り通貨への需要が増大した。

スウェーデン・クローナは対ドルでほぼ2カ月ぶりの安値から上 昇。この日発表されたスウェーデンの製造業景況指数は、製造業活動 の拡大と縮小の境目を示す50を5カ月連続で上回った。英ポンドは 対ユーロで6営業日ぶりに反落。イングランド銀行(英中央銀行)が今 週国債購入プログラムの拡大を決めるとの観測が売りを誘った。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替グループのマネジン グディレクター、サマルジット・シャンカー氏(ボストン在勤)は、 「リスク志向が戻っている」と指摘。「ユーロは対ドルで一段高にな るとみている。リスク志向は今後も後退と活発化を繰り返すだろうが、 世界景気の回復は緩やかながらも進行している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで前週末比

0.3%安の1ユーロ=1.4765ドル(前週末は同1.4719ドル)。 ユーロは対円で前週末比0.6%高の1ユーロ=133円35銭(前週末 は同132円61銭)。ドルは対円で0.3%高の1ドル=90円31銭 (前週末は同90円9銭)。

ドルと円は対ユーロで下げ幅を縮小した。米連邦準備制度理事会 (FRB)の銀行監督・規制局のジョン・グリーンリー副局長が、銀 行システムは今も「強固な状態からは程遠い」との認識を示した後、 米株式相場がもみ合いになったことが背景。

グリーンリー副局長はアトランタで開催された米下院監視・政 府改革委員会小委員会で証言した。

米株式相場は堅調

S&P500種株価指数は0.6%高。一時は1.5%上げる場面もあ った。

スウェーデン・クローナは対ドルで0.5%高。同国のスウェドバ ンクが発表した10月のPMI製造業景況指数は56.7と市場予想を 上回った。同指数では50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。 クローナは一時、9月8日以来の安値水準まで下げる場面もあった。

ダンスケ銀行のチーフアナリスト、ジェンス・ピーター・ソエレ ンセン氏はリポートで、「50の水準をこれほど上回る数値がまた示さ れたことは、世界景気の回復を背景に輸出主導のスウェーデン経済が 改善していることを示唆している」と述べた。

ポンドが安い

英ポンドは対ドルで続落し、前週末比0.3%安。対ユーロでも

0.7%値下がりし、1ユーロ=90.08ペンス。同90ペンス台に下げる のは前月28日以来となる。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、イングラ ンド銀行は5日の政策決定会合で資産購入プログラムの規模を500 億ポンド(約7兆4000億円)拡大し、2250億ポンドとする見通し だ。

DZバンクの為替ストラテジスト、ゾンヤ・マルテン氏(フラン クフルト在勤)は、同中銀による資産買い取り拡大は可能性が低いと指 摘する。

同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「金融 システムに資金を注入し続けているが、何の効果も得られていない。 最終的に現時点では同プログラムを拡大したとしても英経済にとって 実際に利益をもたらすのか疑問だ」と述べた。

オーストラリア・ドルは対ドルで0.4%高。同国のスワン財務相は キャンベラで記者団に対し、今年度の豪成長率がプラス1.5%成長に なるとの見通しを示し、5月時点の予想(マイナス0.5%成長)から 上方修正した。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。自動車のフォード・モーターの黒字決算が好 感されたほか、製造業景況指数や住宅販売成約指数、建設支出など一連 の経済指標が予想を上回ったことから買いが優勢となった。

フォードは7月以来で最大の8.3%高。7-9月期営業損益が 2008年以来で初の黒字となったことから買いが入った。このほかア メリカン・エキスプレスやユナイテッド・テクノロジーズ、ヒューレ ット・パッカードも上昇。午後に入り、米連邦準備制度理事会(FR B)銀行監督・規制局のジョン・グリーンリー副局長の発言を受け、 主要株価指数は伸び悩んだ。同副局長は金融機関が抱える商業用不動 産ローン債権がデフォルト(債務不履行)に陥る危険性を指摘した。

S&P500種株価指数は前営業日比0.7%上昇の1042.88。ダウ 工業株30種平均は76.71ドル(0.8%)高の9789.44ドル。ニュ ーヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は4対3。

スタイフェル・ニコラス(ニュージャージー州フローラムパー ク)の市場ストラテジスト、ケビン・キャロン氏は、「米供給管理協 会(ISM)統計に反映されたように、経済には全般に改善がみられ る」と指摘。「きょうのように良好な数字が続く限りは市場では安心 材料となるだろう」と述べた。

ISM製造業と建設支出、住宅販売

朝方の経済統計を受けて米国株は買い先行で始まった。ISMが 発表した10月の製造業景況指数は55.7に上昇し、2006年4月以来 の最高を記録した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス トの予想中央値は53.0だった。9月の建設支出は予想外の前月比

0.8%増加。中古住宅販売成約指数は前月比6.1%上昇した。

グリーンリー氏の発言が報じられるまで、S&P500種は1.5% 高まで、ダウ平均は146ドル高までそれぞれ上げていた。銀行システ ムは「強固と呼ぶには程遠い」との同氏発言を受けて、S&P500種 の金融株価指数は2.5%高から伸び悩みとなり、0.8%高で終えた。

米自動車大手のなかで唯一、破産法の適用申請を回避したフォー ドは8.3%高の7.58ドル。7-9月期決算は特別項目を除いたベー スで1株当たり利益26セント。ブルームバーグがまとめたアナリス ト予想は1株当たり20セントの損失だった。

前日に連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請し た商業金融のCITグループは65%急落し25セントで終了。同社の 総資産は710億ドル、負債総額は649億ドル。米財務省はCITに注 入した公的資金23億3000万ドルについて回収の望みは低いとしてい る。

S&P500種の産業別10指数のうち、この日は8指数が上昇。 中でも消費財と素材株が1%以上の値上がりとなった。

LPLファイナンシャル(ボストン)の最高投資責任者(CI O)、バート・ホワイト氏は、「ハロウィーン経過でセンチメントが 上向いた」と指摘。「フォードの決算は極めて好調だった。CIT破 産の影響を懸念する投資家は多かったが、市場はこうした懸念を振り 切った」と述べた。

携帯電話端末で米最大手のモトローラは5.4%高。シティグルー プのアナリストらは、モトローラの投資判断を「ホールド」から「買 い」に引き上げた。

クレジットカードのアメリカン・エキスプレスは2.4%上昇。10 月30日付の提出文書によると、同社は米政府の緊急貸し出しプログ ラムに基づき、さらに121億ドルの資産担保証券を発行できる。

シティグループは2.4%安。S&P500種の金融株価指数は一時、

1.8%安まで下げた後、下げ渋った。

FRB銀行監督・規制局のグリーンリー副局長はアトランタで開 催された米下院監視・政府改革委員会小委員会で証言し、「ここ数カ 月にわたり、金融市場の状況や投資家心理はともに改善してきた。一 方で、市場における相当なストレスや脆弱(ぜいじゃく)さは根強 い」と指摘した。

◎米国債市場

米国債相場は下落。米国株のもみ合いに加え、米連邦公開市場委 員会(FOMC)会合を3-4日に控え、売りが優勢になった。

米供給管理協会(ISM)製造業景況指数や建設支出、中古住宅 成約指数が景気回復を示し、米国債の売りを誘った。米連邦準備制度 理事会(FRB)当局者が金融システムは今も「強固な状態からは程 遠い」と発言。金融株が下げに転じ、S&P500種株価指数はもみ合 った。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、セルゲ イ・ボンダルチャク氏は「FOMC会合が終わるまで、相場の方向感 に関し大きなリスクを取る動きは手控えられるだろう。投資家にとっ てリスクを取る前にFOMC声明を見極めることが重要だ。それまで、 株式市場を眺めながらの展開になるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時26分現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.42%。この日の取引レン ジは3.37-3.44%。10年債(表面利率3.625%、2019年8月償 還)価格は9/32下げて101 22/32。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、6日発表 の10月の雇用統計では非農業部門雇用者数は17万5000人減が見込 まれている。

経済指標

米商務省が2日に発表した9月の建設支出(季節調整済み、年換 算)は前月比0.8%増加と、2008年9月以降で最大の増加率となった。 ISMが発表した10月の製造業景況指数は55.7と、06年4月以来 の最高。9月の中古住宅販売成約指数は前月比6.1%上昇した。8月 は6.4%上昇。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミューラー氏は「経 済指標は多少、割り引いて判断すべきだ。大恐慌以来で最悪のリセッ ション(景気後退)から脱しようとしているため、変化率で判断する と好況のように見えるが、実際には悲惨な状況からわずかに回復して いるにすぎない」と語った。

オバマ米大統領はボルカー元FRB議長が議長を務める経済回復 諮問会議で、米経済が「瀬戸際から回復した」と述べ、政府は今、債 務縮小と雇用創出について真剣になるべきだと主張。「必要な水準ま で回復していない」とも述べた。

銀行の中長期債買い

米銀は前回のリセッション直後以降で最速のペースで米国債を買 い入れている。10月中旬までの1年間に米国債やファニーメイ(連 邦住宅抵当金庫)などの政府機関債の購入額は合計18%増加し、1 兆4000億ドルとなった。

JPモルガン・チェースやシティグループ、ウェルズ・ファーゴ などの銀行はスティープ化した利回り曲線を利用した取引で利益を 得ている。事実上ゼロである政策金利に低水準に抑制されている短期 金利で資金を調達し、中長期債を購入して運用している。

RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、アイラ・ジ ャージー氏は「少なくとも2010年の終わりまで今後数四半期、銀行 は中長期債購入を続けるだろう」と語った。そのため、10年債利回 りは2010年中は4%を下回り続けるとの見通しを明らかにした。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は1週間ぶりの高値に上昇。ドルの下落を 受け、代替投資先としての金の魅力が強まった。

ドルは対ユーロで値下がりし、年初からの下落率は5.2%に拡大 した。金は年初来19%値上がりしており、上昇率は米株式相場や債 券相場を上回っている。このまま行けば、金相場は年間ベースで9年 連続の上昇となる。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏は「金は、ほかの資産が軟調なことか ら恩恵を受けている」と指摘。「金が循環物色の対象になっている」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前週末比13.60ドル(1.3%)高の1オンス=1054ド ルで取引を終了した。終値ベースでは先月23日以来の高値。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反発。10月の製造業関連指標が米中の両 方で活動拡大を示したため、エネルギー需要が増加するとの見方が強ま り、買いが入った。

米供給管理協会(ISM)が発表した10月の製造業景況指数は 2006年4月以来の最高を記録した。英銀HSBCホールディングス と中国物流購買連合会がそれぞれ発表した10月の中国製造業購買担 当者指数(PMI)は1年半ぶりの高水準に上昇した。

サミット・エナジー(ケンタッキー州ルイビル)のアナリスト、 ブラッド・サンプルズ氏は「両国の工業セクターが従来よりも堅調に なっていることを明白に示す指標だ。原油相場は昨年の下落基調とは 逆に、現在は上昇トレンドにある」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 週末比1.13ドル(1.47%)高の1バレル=78.13ドルで終了した。 一時は78.66ドルまで上昇した。年初からは75%高。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。欧州連合(EU)が英銀ロイヤル・バンク・ オブ・スコットランド・グループ(RBS)に計画以上の資産売却を迫 るとの懸念が広がったものの、米製造業が予想以上に拡大したことが、 株価上昇につながった。

銅相場の上昇を背景に、リオ・ティントとカザフミスなどの資源 株が大幅上昇した。ドイツの半導体メーカー、インフィニオン・テク ノロジーズは4.1%上げた。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリ ルリンチが同銘柄を買い推奨したことがきっかけ。一方、RBSは

7.8%の大幅安となった。

ダウ欧州600指数は前週末比0.3%高の237.64で終了。企業 業績や景気の見通しと比較すると、ここ8カ月の上昇が行き過ぎとの 見方から、年初来高値を付けた10月19日の水準から4.7%下げて いる。同指数は先週、週間ベースで7月以来で最大の下げとなった。

ダウ・ユーロ50種指数は前週末比0.7%高、ダウ・欧州50種 指数は0.5%上げた。

カナダ・ライフのファンドマネジャー、マーク・ボン氏(ロンド ン在勤)は「経済指標の数値が年末の強気見通しを引き続き支えれば、 市場関係者は株式に戻り始めるだろう」と語った。

米供給管理協会(ISM)が同日発表した10月の製造業景況指 数は55.7と、2006年4月以来の最高を記録した。

鉱山株

英豪系鉱山会社、リオ・ティントは4.5%上昇。カザフスタンの 産銅大手、カザフミスも4.5%上げた。ダウ欧州600指数の資源銘 柄は2.2%高と、産業別19グループの中で最大の上げを記録した。

アイルランドの建材会社CRHは3.1%高、同業でフランスのサ ンゴバンは3%上昇した。

ドラゴン・オイル

ロンドン市場に上場されている石油探査会社、ドラゴン・オイル は8.9%の大幅高。エミレーツ国営石油が23億6000万ポンド相当 のドラゴンの未保有株の買収で合意したことが好感された。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場がほぼ変わらず。今週予定されてい る国債入札額が償還額を下回るため、需要が支えられた。

独10年債利回りは2週間余りの最低水準まで2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)に近づいた。株式相場が上昇したほか、経 済指標で欧州と米国の10月の製造業活動が拡大したことが示されたも のの、国債相場には影響しなかった。コメルツ銀行によれば、今週の 政府債利払い・償還額が合計で約300億ユーロに対し、入札額は約 100億ユーロであるため、純供給はマイナス200億ユーロとなる。

コメルツ銀行の債券戦略部門の共同責任者、クリストフ・リーガ ー氏(フランクフルト在勤)は「今年の国債発行の多くがすでに終了 した現在、供給は支援要因になっている」と述べ、「米製造業の統計 数値を考慮すると、ドイツ国債は極めて底堅く推移している」と語っ た。

ロンドン時間午後4時8分現在、独10年債利回りは3.24%。一 時は3.22%まで下げ、先月14日以来の低水準となった。2年債利回 りは1.30%と、前週末を1bp上回った。

◎英国債市場

英国債相場は下落。ロンドン時間午後4時35分現在、10年債利 回りは前週末比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント) 上昇の3.66%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償還)価格は

0.37ポイント下げて106.56。2年債利回りは5bp上昇の0.89%。

英国購買部協会(CIPS)とマークイット・エコノミクスがこの 日発表した10月の製造業景況指数は53.7と、前月の49.9から上昇。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想平均の50.0も上回った。 同指数では50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ソシエテ・ジェネラルの為替・債券ストラテジー責任者、ビンセ ント・シェノー氏(ロンドン在勤)は、「今朝の大きなサプライズは 製造業の統計だった」と指摘。「予想よりはるかに力強い内容だっ た」と述べた。

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