【今週の債券】軟調か、増発懸念で長期金利1.4%台半ば-入札に注目

今週の債券相場は軟調(利回りは 上昇)な展開が予想される。鳩山由紀夫政権による今後の国債増発が懸 念されており、5日の10年利付国債入札に対する警戒感が強い。低調 な結果になると長期金利の代表的指標とされる新発10年債利回りが8 月以来の1.4%台半ばに上昇する可能性がある。

シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、前週は新 発10年債利回りの1.4%手前での相場反発を想定していたが、環境悪 化が続いたと指摘。今週については「10年債入札がポイント。それま では7年-10年が相対的に弱い状況が続く公算が大きい」という。

ブルームバーグ・ニュースが10月30日夕までに市場参加者3人か ら聞いた今週の新発10年債利回りの予想レンジは全体で1.34%から

1.47%となった。基本的には前週末終値の1.405%を挟んだ推移が見込 まれている。

前週の債券相場は下落。今後の増発懸念が売り材料となり、10年 債利回りは一時1.425%と8月12日以来の水準まで上昇した。新政権 下で2010年度予算の概算要求が過去最大の95兆円に膨らむほか、今年 度の新規国債発行額が初めて50兆円を超える見通しだ。みずほインベ スターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミストは、「財政規律 の緩みや国債の需給悪化懸念が再認識された格好」と指摘した。

もっとも、10年債利回りは最近3週間で1.2%台半ばから1.4%台 前半まで水準を切り上げており、投資家からの買いが見込まれる水準に 達している。シティグループ証の佐野氏は、「1.4%台は、投資家の押 し目買いが勝る水準と考えている」と言う。三井住友海上火災保険投資 部の高野徳義グループ長は、「国内の機関投資家は、長期債の購入資金 が潤沢にある」と指摘している。

10年入札に注目、クーポン1.4%か

材料面では、5日に行われる10年利付国債の入札が注目される。 需給悪化懸念を背景に、10月に実施された5年や20年債の入札が低調 な結果となったためだ。今回の10年入札時でも、国債増発に関する不 透明感は変わっていないとみられ、シティグループ証の佐野氏は「弱気 相場が進む可能性がある」と指摘。半面、入札結果が良ければ10年ゾ ーンが相対的に強くなるとの見方も示した。

前週末の入札前取引では1.405%程度で推移しており、新発10年 国債の表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.4%が予 想されている。発行額は前回債と同額の2兆1000億円程度。

市場参加者の予想レンジとコメント

30日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の 通り。先物は中心限月12月物、新発10年国債利回りは304回債。

◎みずほインベスターズ証券・落合昂二シニアマーケットエコノミスト

先物12月物137円30銭-138円40銭

新発10年債利回り=1.36%-1.47%

「10年債利回りは1.4%前半で方向感なくもみ合う。国債増発への 懸念はかなり織り込んできており、きっかけ次第で海外勢の売り持ち高 が解消に向かう可能性がある。一方、10年度予算で国債発行額が膨ら むとの警戒感も根強く、財政規律の喪失が意識されるようだと為替市場 の円安と連動して債券にも売り圧力が強まるリスクも秘めている」

◎シュローダー証券投信投資顧問・塚谷厳治運用部債券チームヘッド

先物12月物137円50銭-138円50銭

新発10年債利回り=1.35%-1.45%

「もみあい。米雇用統計などの指標より株や為替に注目。米連邦公 開市場委員会(FOMC)で金融政策は基本的に変わらないとみる。声 明の表現が変わっても米連邦準備制度理事会(FRB)は慎重ではない か。増発を気にすることはなく、10年入札も無難に消化されそう。緩 和策からの出口戦略の思惑もあって世界景気に強弱観が交錯しそうだ」

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物12月物137円60銭-138円50銭

新発10年債利回り=1.34%-1.43%

「相場は下値不安を抱えながらもみ合う。短中期債の売りは止まっ たが、入札低調が続くなかで10年入札にかけて相場の調整もありそう だ。出口戦略が警戒されるFOMCや米雇用統計も控えており、海外勢 が円債の売りで仕掛けてくる可能性もある。もっとも、国内の機関投資 家は長期債の購入資金が潤沢にあるとみている」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors:Hitoshi Sugimoto, Takeshi Awaji

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