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米国債(30日):上昇、インフレ抑制と景気回復に不安

米国債相場は上昇。経済指標で インフレの抑制が示されたほか、戦後最悪のリセッション(景気後 退)からの回復は弱いものになるとの観測が強まったことが背景。

10年債利回りは低下した。米連邦準備制度理事会(FRB)が インフレの指標とするPCEコア価格指数は、前年同月比1.3%上昇 にとどまり、01年以来最小の伸びを記録した8月と同率だった。一 方、株式相場は下落。9月の個人消費支出(PCE)が5カ月ぶりに マイナスに落ち込んだことなどが嫌気された。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は「国債相場を根本か ら支える要因は今後も存在するだろう。株式市場の軟調さを考慮すれ ば、国債相場はより高い価格水準で取引されるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時29分現在、10年債利回りは前日11ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.39%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は29/32上げて101 30/32。

政府の介入

政府による経済への介入が戦後最大規模となり米国の債務が膨れ 上がる一方、経済成長は停滞している。戦後最悪の金融危機が企業や 個人に及ぼした打撃が大きかっただけに、企業部門や家計部門の支出 は政府の支援に取って代わるほど十分に伸びない可能性がある。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は「大きな疑問は、景気が政府介入や財政刺激 策なしでも独り立ちできるかどうかだ」と指摘する。

10月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値) は70.6と速報値の69.4から上方修正された。前月の73.5からは低 下。前月は昨年1月(78.4)以来の高水準まで回復していた。

手放しは困難

米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、消費者の借り入れコス ト抑制を目指す取り組みの一環として3月に開始した3000億ドルの 国債購入プログラムを終了した。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は「FRBはこうして買い取った国債を市場 に戻す時期についてどういう見方を示すのか、将来的には注意が必要 になろう」と指摘。「短期的には、景気が引き続き不安定で、雇用の 創出がみられず、インフレ圧力が抑制されている限りは購入した国債 を手放すとは考えにくい」と述べた。

今が売り時

債券ファンド最大手の米パシフィック・インベストメント・マネ ジメント(PIMCO)のポートフォリオマネジャー、ポール・マカ リー氏は同社ウェブサイトに掲載されたリポートで、投資家は比較的 リスクの高い資産を売却するのが得策だと指摘した。

マカリー氏は、米国のリセッション(景気後退)は「むしろ終わ っていないというべきなのかもしれない」と指摘。米連邦準備制度理 事会(FRB)が政策金利を過去最低水準から引き上げるべき理由は ないとの見方を示した。

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