東電:今期業績見通し、またもお預け-柏崎刈羽原発次第
中山理夫東京電力は30日、2009年4-9 月期連結業績を発表したが、今期(2010年3月期)の見通しはまたも お預けとなった。理由は柏崎刈羽原子力発電所の営業運転再開時期が 未定なため。
都内で会見を行った武井優常務は「柏崎刈羽6、7号機のいずれ かが営業運転を再開した時点で、通年の収益予想を示す」と述べるに とどめた。
07年7月、新潟県中越沖地震後に停止した柏崎刈羽原発の再開に、 通期で3期ぶりの黒字転換がかかっているという構図には依然変化は ない。武井氏は「6、7号機が調整運転を再開したことで、これまで 総電力量として50億キロワット時を発電し400億円程度が利益のかさ 上げにつながった」と営業運転再開に望みをつなげた。
柏崎刈羽原発は5月に7号機、8月に6号機が調整運転を開始し たものの、営業運転になかなか移行できない状態にある。7号機は燃 料の一部交換作業ため停止中。6号機は調整運転中で、今月17日に新 潟県技術委員会から営業運転移行の了承を得て、新潟県、柏崎市、刈 羽村の3首長の最終判断待ちとなっている。
4-9月期の業績に目を転じると、東電の純利益は1382億円と前 年同期の1094億円の赤字から黒字転換を果たした。売上高は前年同期 比13%減の2兆4979億円。景気低迷で電力需要が前年を下回ってい るものの、円高と燃料価格低下が追い風となっているためだ。同日、 4-9月期の業績を発表した関西電力、中部電力も減収だったものの、 それぞれ黒字転換と増益を果たした。
【09年4-9月期の連結決算】 -------------------------------------------------------------- 東京電力 関西電力 中部電力 -------------------------------------------------------------- 売上高 2兆4979 1兆2992 1兆1247 (2兆8702) (1兆3920) (1兆2223) 営業利益 2407 2067 1566 (▼1245) (▼731) (459) 経常利益 2040 1958 1421 (▼1645) (▼805) (376) 純利益 1382 1277 906 (▼1094) (▼525) (232) -------------------------------------------------------------- (カッコ内は前年、単位億円、▼は赤字)
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