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白川日銀総裁:所期の目的は十分達成-企業金融支援の終了

日本銀行の白川方明総裁は30日 午後の記者会見で、コマーシャルペーパー(CP)や社債の買い入れ など企業金融支援のための時限措置の終了を決めたことについて「所 期の目的は十分達成した」との見方を示した。景気については「本格 的な成長軌道に復帰するにはもう少し時間がかかる」として、金融政 策は「現在の緩和を粘り強く続けていく」姿勢をあらためて示した。

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、12月末を期限とする企業 金融支援のための時限措置のうち、CPと社債の買い入れについては 年内で停止し、企業金融支援特別オペは来年3月末まで延長した上で 完了することを決めた。社債買い入れ終了と特別オペの来年3月末で の完了には、水野温氏審議委員が反対した。

白川総裁は特別オペを来年3月末まで延長した上で完了すること について、年度末に「万全の態勢」を敷くことに加え、それ以降は通 常の資金供給手段に移行することを「今の時点で明らかにすることに より市場でのさまざまな不確実性が高まることを防げる」と述べた。

企業金融支援特別オペは企業債務の担保の範囲で0.1%で無制限 に資金を供給する手段で、期間は3カ月に設定されている。白川総裁 は「こういうやり方は、リーマン破たん後の金融が収縮しているとき は非常に効果的だった」が、金融市場の混乱が解消した後は、共通担 保資金供給オペのように「担保にしても期間設定にしても、ある程度 収縮的に選べる方が、一般的には対応力が高い」と語った。

中央銀行として安全運転

一方で、現時点で半年先の完了を決定した背景については、金融 市場の参加者は「政策当局者がどういうふうに行動するかを常に予測 しながら行動している」と指摘。「ある日突然発表すると、市場参加者 に混乱が生じる。ある程度の期間を置いて移行した方が市場は混乱し ない」と語った。

白川総裁はさらに、「企業金融支援特別オペの残高もまだあるし、 ほとんど差がないとは思うが、通常のオペに円滑に移行するため、特 に年度末を意識した場合に万全を期すということは、中央銀行として 期待される安全運転だと思う」と述べた。

白川総裁はまた、「金融市場をみて、もし再び大きく動揺すること が仮に将来起きたとき、今回われわれが導入した措置を再びやらない と言っているわけではない」と述べ、危機が再来すれば企業金融支援 策を再導入することも辞さない考えを示した。

3年連続で物価が下落

日銀は同日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、 2011年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇 率がマイナス0.4%(政策委員の中央値)と、3年連続で物価の下落 が続くとの見通しを示した。日銀は中長期的な物価安定の理解として、 消費者物価指数の前年比が0%から2%の範囲内で中心値は1.0%と の数値を示しており、3年連続でその下限を下回ることになる。

白川総裁は「政策当局として大事なことは、経済が中長期的にみ て物価安定の下で持続的な成長経路に向かっているのかどうかという 判断だ」と言明。日本経済は「持ち直しを続け、消費者物価の下落幅 が徐々に縮小していく姿を想定している。こうした動きが持続してい くことにより、やや長い目でみれば、物価安定の下での持続的な成長 経路に復していく展望が開けると考えている」と語った。

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