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新日石、新日鉱:新社名に伝統の影薄く-JXで「非石油」

石油元売り最大手の新日本石油と、 業界6位のジャパンエナジーを傘下に持つ新日鉱ホールディングスは 30日、2010年4月に統合持ち株会社「JXホールディングス」を設立 することで最終合意したと発表した。新社名は伝統ある日石、日鉱を 連想させるものが消え、時代の変遷を反映させるものとなった。特に 石油の影は薄くなりそうだ。

株式移転比率は新日鉱1に対し、新日石1.07。新日石の普通株式 1株に統合持ち株会社の株式1.07株を、新日鉱1株には同1株を割り 当てる。統合持ち株会社の会長に西尾進路新日石社長、社長には高萩 光紀新日鉱HD社長が就任する。渡文明新日石会長と清水康行新日鉱 HD会長は相談役に退く。本社は千代田区大手町の新日鉄ビルに移転 する。

7月には石油精製販売事業会社「JX日鉱日石エネルギー」、石油 開発事業会社「JX日鉱日石開発」、金属事業会社「JX日鉱日石金属」 の3つの中核事業会社を設立する。

都内で会見した西尾氏と高萩氏は、本業の石油精製事業が厳しい 環境に置かれていることを繰り返し強調。とくに08年のリーマン・シ ョック以降、予想を上回るペースで石油製品の需要が減少していると 指摘した。

高萩氏は統合後のビジョンについて「非石油事業が中心になる。 そこにどう効率的にキャッシュを回していくのか、考えていきたい」 と述べ、燃料電池や太陽光発電事業など石油以外のエネルギー事業や 金属部門に軸足を移す考えを示した。

経常利益の4割を非石油部門から

高萩氏は、15年度をメドに「経常利益の40%を非石油部門から、 石油開発・精製部門から60%を」稼ぎたいと意気込みを見せた。両社 が30日に発表した4-9月期の業績をもとに試算すると、2社は現在 経常利益の80%を石油部門に依存している。

両社は従来から示していた日量40万バレル分の製油所能力削減 を11年3月末までに実施するほか、15年3月末までにさらに同20万 バレルを追加削減する計画を打ち出した。追加の削減策について、西 尾氏は会見後に「年内にも具体的な計画を示したい」と意欲的な姿勢 を示した。高萩氏は20万バレルの削減が製油所の閉鎖をともなう可能 性があることを示唆した。

経営統合の効果としては、13年3月末までに年間600億円以上、 15年3月末までに同1000億円以上を見込むとしている。

みずほ証券のアナリスト塩田英俊氏は「足元の状況が悪化してい るなか、石油精製部門の赤字に対する解決策が見えてこない。精製マ ージンの悪化を払拭(ふっしょく)できるような策が示されておらず、 株価は弱含みとなる可能性がある」と指摘した。

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