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中国は「成功の囚人」、鉄鉱石の契約価格は上昇か-刺激策効果で

中国にとって、今年の鉄鉱石価 格交渉での最大の敵は中国自身だ。

ブルームバーグ・ニュースがアナリストを対象に実施した調査 によると、中国による4兆元(約53兆円)規模の景気刺激策導入に 伴い、同国の鉄鉱石輸入は過去最高水準に達しており、価格は来年 14%上昇して過去2番目の高水準となる可能性がある。

最大手の宝山鋼鉄など中国の鉄鋼メーカーは同国を世界最大の 鉄鉱石輸入国かつ鉄鋼生産国に成長させ、同国の鉄鋼生産は世界の約 半分を占める。その鉄鉱石需要の急増が、利益を圧迫する可能性があ る。

米モルガン・スタンレーの金属担当チーフエコノミスト、ピー ター・リチャードソン氏はメルボルンからのインタビューで、「景気 刺激策が奏功するなか、中国は自国のほとんどの成功の捕らわれの身 となっている」と指摘。「価格上昇は回避できない」との見方を示す。

中国や日本、欧米が自動車や建設、電気機器の原料となる鉄鋼 の需要に対応するため高炉の操業を再開するなか、ブラジルのヴァー レや英・オーストラリア系リオ・ティント、豪BHPビリトンの鉄鉱 石生産大手3社は出荷を拡大している。中国は2003年に日本を抜い て世界最大の鉄鉱石輸入国となり、現在では海上貿易の半分以上を占 める。

スイスのUBSのトム・プライス氏は22日、シドニーからのイ ンタビューで、「市場は中国に反発している」と指摘。「中国はまだ 新顔だ。中国と生産各社の間にはゲームを繰り返した相手のような長 期的な関係は成立していない」と述べた。

価格交渉

ブルームバーグがアナリスト11人を対象に実施した調査による と、指標となる豪州産鉄鉱石の粉鉱の年次契約価格は1トン当たり約 70ドルに上昇すると予想されている。ゴールドマン・サックスJB ウェアによると、現物価格は指標価格を約24%上回る水準で推移し ており、契約価格の上昇を示唆している。生産各社は週内に日本の鉄 鋼メーカーと来年度の契約価格交渉を開始する予定だ。

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