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長期金利上昇に配慮か-日銀の企業金融オペ延長で短期市場の見方

日本銀行は30日の金融政策決定 会合で企業金融支援特別オペを来年3月末まで1回限り延長すると発 表。これに先立ち、日銀が午前に実施した同オペは利用額が増加、金 融機関の需要が根強いことを浮き彫りにした。市場では、オペ延長に ついて、最近の長期金利の上昇に配慮したとの見方も出ていた。

午前の企業金融支援特別オペ(11月5日-2010年1月25日)に は8432億円の借り入れがあり、前回(22日-10年1月19日)の3119 億円から増加。金融機関の利用残高は7兆985億円となり、約1カ月 半ぶりに7兆円台を回復した。

利用増加の背景には、企業による今月末のコマーシャルペーパー (CP)発行が多かった影響も指摘されるが、10月半ばから残高は 徐々に増加していた。

セントラル短資の金武審祐は同オペの延長について、「年度末の資 金繰り対策であり、需要が多いオペなので、スムーズな終了に向けた 周知期間が必要だ。財務省は、長期金利が上昇しているタイミングで 短期金利までもが上昇するのを警戒しており、これに配慮した面もあ るだろう」とみる。

日銀はこの日の決定会合で、企業金融支援特別オペは期限の年末 から来年3月末まで延長したうえで打ち切ると発表した。一方、CP や社債の買い入れを年末で打ち切ると決定。CP買い入れはこの日も 4回連続で応札がゼロになるなど形骸化している。

国債・TBへの配慮

国内大手銀行の資金担当者は、日銀総裁は特別オペの年末での打 ち切りに傾いていたとみるが、長期金利上昇など外部環境とのタイミ ングの悪さや、間接的にオペの影響を受けている国庫短期証券(TB) の利回り上昇を警戒したのではないかと指摘する。

国債増発懸念で長期金利が上昇するなか、財務省は税収不足を補 うためにTB1年物を含めた短中期債の増発が検討されている。セン トラル短資の金武氏は、「政府の対策との関係を考えると、短期金利ま で上昇することは避けたいだろう」という。

午前に実施されたTB買い切りオペ4000億円には4倍を超える 応札が集まっており、9月下旬以降、日銀に対するTB売却の意欲が 高まっている。この日は目立った取引は見られなかったが、オペの落 札利回り格差がプラス0.005%となり、長めのTB利回りを中心に上 昇圧力が続いているとみられている。

期先が反落、今後の調節に注目

もっとも、日銀が特別オペの来年4月以降の打ち切りを決めたこ とで、ユーロ円3カ月金利先物相場では2010年の6月物や9月物など 期先限月が小幅反落(金利は上昇)。原資産であるユーロ円TIBOR (東京銀行間貸出金利)3カ月物の下げ渋りが警戒された。

大手銀の担当者は、特別オペから通常の共通担保オペへの移行に ついて、市場参加者が予想できる形で潤沢な資金供給が続く安心感が 保たれるよう、日銀は市場と対話していく必要があるという。特別オ ペの頻度を減らしながら、共通担保オペを拡大していく可能性が指摘 されている。

国内大手銀行のCPディーラーは、日銀の決定内容に驚きはない という。また、今後のCPレートについては、最近の緩やかな金利上 昇は止まるとしながらも、銘柄間の信用スプレッド(金利格差)はあ る程度維持されるとみていた。

資金需要の低迷でCP発行が減少するなか、特別オペの延長でC Pレートの押し下げ圧力が続く可能性もある。ただ、最近の市場では レポ(現金担保付債券貸借)金利の下げ渋りから、期間の短いCP金 利が上昇している。

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