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10月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円がユーロに対して下落。 少なくとも7週間ぶりの大幅安だった。午前に発表された7-9月 (第3四半期)の米国内総生産(GDP)で、エコノミスト予想を上 回る伸びが示され、投資家の間で高リスク資産への選好が強まった。

円とドルはブルームバーグが調査する主要16通貨の大半に対し て下落。英ポンドはドルに対して4日続伸した。イングランド銀行 (英中央銀行)が発表した9月の英住宅ローン承認件数が1年半ぶり 高水準だったことが好感された。

フィッシャー・フランシス・ツリーズ・アンド・ワッツ(ニュー ヨーク)の資産運用担当者、デービッド・ティーン氏は「経済成長は それほど良くはないが、評価できる内容であり、金利は低い。今の環 境は好ましい状況にある。それが資金をリスク資産へと振り向けてい る」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時13分現在、ドルはユーロに対して1 ユーロ=1.4827ドル。一時は最大1%安の1.4859ドルまで売り込ま れた。前日は1.4706ドル。円は対ユーロで最大1.9%安の1ユーロ =135円99銭。円はドルに対しては0.8%値下がりして1ドル=91 円49銭(前日は90円75銭)。

第3四半期の米GDP

米商務省が発表した第3四半期のGDP(季節調整済み、年率) 速報値は前期比年率3.5%増加した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値は3.2%増だった。

ドルは対ブラジル・レアルで2.6%下落、円はオーストラリア・ ドルに対して2.8%値下がりした。低金利通貨で資金を調達し、高金 利通貨で運用するキャリー取引が拡大するとの観測が背景。

日本の政策金利は0.1%、米国は事実上ゼロ。これに対しブラジ ルは8.75%、オーストラリアは3.25%に設定されている。

ドルは前日までの4日間、ユーロに対して上昇していた。9月の 米新築販売が予想外に減少するなど、米景気回復の腰折れが示唆され、 高リスク資産への需要が減退したのが背景だ。

金利先物市場動向によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が 3月の会合でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を引き上げる 確率は33%となっている。前日は34%だった。

英ポンド

ポンドはドルに対して1.2%上昇。イングランド銀行(英中央銀 行)が発表した9月の英住宅ローン承認件数は5万6215件と、1年 半ぶりの高水準となった。英不動産市場が低迷から回復しつつある兆 候が強まった。8月は5万2970件(改定)。

みずほコーポレート銀行の欧州ヘッジファンド営業責任者ニー ル・ジョーンズ氏(ロンドン在勤)は海外からの英銀株への需要やそ の他資産への需要がポンドを押し上げたと語る。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.6%低下して75.990。6日ぶりの低下だった。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。主な株価指数は7月以来の大幅高となった。 米経済がプラス成長に戻ったことを好感し、買いが膨らんだ。

米商務省が発表した第3四半期(7-9月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率3.5%増加した。 5四半期ぶりのプラスだった。これを背景にキャタピラーやアルコア、 アメリカン・エキスプレス(アメックス)が上昇した。決算が予想を 上回ったモトローラやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、 ニューモント・マイニング、ケロッグも高い。

PNCウェルス・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ウ ィリアム・ストーン氏は「弱気な投資家は10-12月(第4四半期) に大敗を喫するだろう。米国の内外で景気は回復しており、回復基調 の維持で最終的に売上高も伸びるだろう」と指摘した。

S&P500種株価指数は前日比2.3%高の1066.11で終了。ダウ 工業株30種平均は199.89ドル(2.1%)高の9962.58ドルで終えた。 先進国と新興市場国の銘柄で構成するMSCI・AC世界指数は8日 ぶりに反発し、1.6%高となった。

GDPが株価を支援

GDP伸び率はエコノミストの平均予想である3.2%を上回り、 7カ月にわたる株価上昇局面は景気回復見通しに対して行き過ぎとの 懸念が後退した。

ウォール街の「恐怖指数」として知られる米国株オプションのボ ラティリティ指数(VIX)は11%低下の24.76。株価下落に備えた オプション需要が後退し、終値ベースでは2月以来で最大の低下とな った。

LPLファイナンシャル(ボストン)のチーフ市場ストラテジス ト、ジェフリー・クライントップ氏は「株式の上昇局面は終わってい ない。GDP統計は特に個人投資家にとっては信頼感を押し上げる重 要な要因だ」と述べた。

プラス成長への回帰を受け、利上げや景気刺激策解除の観測も高 まった。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、ウェーバー・ ドイツ連銀総裁は29日、ECBが来年、景気刺激の緊急措置の引き 揚げを開始することを示唆した。ノルウェーとオーストラリアはすで に利上げを開始している。

ガイトナー米財務長官は29日、下院金融サービス委員会の公聴 会で証言し、住宅ローンの返済に苦しむ人や失業者にとって「リセッ ション(景気後退)はなお存続し、深刻だ」と述べた。

スリベント・ファイナンシャルのアナリスト、マイケル・ビンガ ー氏は「綱引きだ。GDPが予想を上回り、企業が一段と効率よく運 営されている。一方、政府は景気刺激策を解除する様子はなく、米連 邦公開市場委員会(FOMC)も声明の文言を変更したり、早期の利 上げを示唆する姿勢も示していない。失業率は高水準にとどまってい る」と話した。

決算

モトローラは9.8%上昇。29日発表した7-9月(第3四半期) 決算は、一部項目を除いたベースの1株当たり利益がアナリスト予想 を上回った。人員削減が奏功した。

P&Gは4%高。2009年7-9月(第1四半期)決算は、販売 量の落ち込みを値上げで補い、予想されたほど利益は悪化しなかった。

ケロッグは2.8%上昇。7-9月(第3四半期)決算は1株当た り利益が94セント。アナリスト予想は85セントだった。

これまでに7―9月(第3四半期)決算を発表したS&P500種 構成企業のうち1株当たり利益がアナリスト予想を上回ったのは 81%。このままいけば、ブルームバーグが1993年にデータを集計し 始めて以降で最高となる。ただ、利益は296社の平均で23%減少し ている。

米労働省が発表した失業保険継続受給者数も買い材料となった。 17日に終わった1週間に14万8000人減少して579万7000人と、3 月21日以来の最低水準となった。減少幅は7月以来の最大。

S&P500種のセクター別では全10セクターが上昇した。GD P統計発表後、原油や金、産業用金属が上昇し、素材株指数やエネル ギー株指数が上げた。

エクソンモービルは一時2.4%下げたが、持ち直し0.2%高で終 えた。7-9月(第3四半期)決算は1株当たりが98セントと、ブ ルームバーグがまとめたアナリスト15人の平均予想を4セント下回 った。

◎米国債市場

米国債相場は反落。第3四半期の米実質国内総生産(GDP)の 予想を上回る成長と7年債入札の不調が背景。

この日の7年債入札で最高落札利回りは3.141%と、入札直前の 市場予想の3.120%を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.65倍となり、前回の2.79倍を下回った。原油先物相場と株式市 場はともに値上がりした。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォー ド)のシニア国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「予想を 上回る内容のGDP統計と堅調な株価が国債相場の重荷になり、この 日の相場の基調を決定した。それが軟調な入札にもつながった」と指 摘。「一方、国債相場はもっと下げていた可能性もあるがそうはなら なかった。それは明白だ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時29分現在、既発の7年債利回りは前日比6ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.06%。7年債(表面 利率3.0%、2016年9月償還)価格は3/8下げて99 20/32。

10年債利回りは8bp上昇し3.49%。2年債利回りは4bp上 昇の0.97%。

「期待」

米商務省が発表した第3四半期(7-9月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率3.5%増加し、 5四半期ぶりのプラスとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミストの予想中央値は3.2%増だった。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクターで 米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は「これま で長期にわたり『底入れ』と言われてきたが、これが今後続くトレン ドなのか精査する必要があるだろう」と指摘。「マイナス成長は終息 しつつあるのかも知れないと期待したいところだ」と述べた。

メリルリンチの米国債マスター指数によれば、米国債の今月の投 資収益率はマイナス0.2%と、このまま行けば6月以来の月間ベース でのマイナスとなる。

オバマ米政権が戦後最悪のリセッション(景気後退)に対処する ため前例のない規模で借り入れが膨らむなか、流通市場で取引される 米国債の総額は7兆100億ドルと記録的水準に達している。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の1社であ るゴールドマン・サックス・グループは20日付リポートで、米国債 の発行額は今月1日からの今会計年度に2兆3800億ドルとなり、前 会計年度の1兆8100億ドルから増加するとの見通しを示した。

失業の増加

米労働省が発表した17日に終わった1週間の失業保険継続受給 者数は14万8000人減少して579万7000人と、3月21日以来の最低 水準となった。減少幅は7月以来の最大。一方、24日に終わった1 週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は53万件と、前週の 53万1000件とほぼ同水準にとどまった。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミューラー氏は「継 続受給者の数値は、予想からそれほど大きく外れていたわけではない。 ただ、これまで大きく減っていなかったのだ。つまりこれは今後もな お失業者が増加することを示唆しており、力強い景気回復にとっては 向かい風となるだろう」と語る。

米財務省は今週、過去最高規模となる総額1230億ドルの国債を 発行。この中には26日に入札した70億ドルの5年物インフレ連動債 (TIPS)、27日入札の2年債440億ドル、前日実施の5年債410 億ドルが含まれる。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ここ3週間で最大の上昇を記録 した。ドルが下落し代替投資としての金の魅力が高まった。

ドルは5日ぶりにユーロに対して下落。午前に発表された7-9 月(第3四半期)の米国内総生産(GDP)が5四半期ぶりにプラス 成長を記録、高利回り資産への買いが膨らんだ。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は「リスク選好が戻り、ドルが売られている。 リスク許容がインフレと同一視され、インフレ対策として金に買いが 入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は、前日比16.60ドル(1.6%)高の1オンス=1047.10 ドルで取引を終了した。10月6日以来の大幅高だった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場はバレル当たり2ドル以上の反発。第3四 半期(7-9月)の米実質国内総生産(GDP)が5四半期ぶりにプ ラス成長となり、燃料需要が拡大するとの楽観が強まった。

原油相場は前日比で一時3.9%高。米商務省が発表した米GDP 速報値は前期比年率3.5%増加した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値は3.2%増だった。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「これ はリセッション(景気後退)が終了したことを裏付けるもので、今後 唯一の課題は景気回復のペースがどうなるかだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比2.41ドル(3.11%)高の1バレル=79.87ドルで終了した。年 初来では79%値上がり。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇し、ダウ欧州600指数は前日の7月以来の大 幅安から反発した。米経済が7-9月(第3四半期)に予想を上回る プラス成長となったことが手掛かり。

ベルギーの金融サービス会社、KBCグループは17%の大幅高。 70億ユーロの公的資金返済計画をめぐる欧州連合(EU)との交渉 が「順調に進んでいる」との報道が買いにつながった。英銀ロイズ・ バンキング・グループは7.5%上昇。英政府の資産保証スキーム(A PS)の利用を回避するため、同行が株主割当増資を検討しているこ とが好感された。

フィンランドの製紙会社、UPMキンメネを中心に資源株が高い。 同社がアナリスト予想を上回る黒字となったことが買いを誘った。

ダウ欧州600指数は前日比1.9%高の241.73と、ここ2週間で 最大の値上がりとなった。

米商務省が29日発表した第3四半期の実質国内総生産(GD P)は前期比年率3.5%増加し、ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミストの予想中央値(3.2%増)を上回った。5四半期ぶり のプラスだった。

ロベコ・アセット・マネジメント(パリ)の投資部門ディレクタ ー、イブ・マイヨ氏は、「米GDP統計は良い驚きだった。これが相 場を押し上げた」と指摘し、「経済活動と家計支出で回復の勢いがあ るのは明らかだ」と付け加えた。

29日の西欧市場では、ギリシャを除く17カ国で主要株価が上昇 した。ダウ・ユーロ50種指数は前日比1.7%高、ダウ・欧州50種指 数は1.5%上げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ国債相場が下落。独10年債はこのまま でいけば、月間ベースで5カ月ぶりマイナスとなる。この日発表され た欧州と米国の経済統計で世界景気の回復ペースが速まりつつある兆 候が強まったことを受け、株価が上昇した。

10年債利回りは1週間余りで最大の上昇。10月のユーロ圏景況 感指数が予想を上回ったほか、米経済は今年7-9月(第3四半期) に5四半期ぶりにプラス成長となった。独10年債とギリシャ10年債 の利回り格差(スプレッド)は先月8日以来で最大になった。米格付 け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ国債の格 付けを引き下げ方向で見直すと発表したことが背景にある。イタリア はこの日、約74億ユーロ相当の国債入札を実施した。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バン キングの債券ストラテジスト、ルカ・カツラーニ氏は「供給増と景気 回復への見通しから、当社は長期国債に対しては弱気だ。投資家はそ れぞれのポートフォリオで国債がオーバーウエートにならないように する必要がある」と語った。

ロンドン時間午後4時22分現在、10年債利回りは前日比6ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.32%。同国債(表 面利率3.5%、2019年7月償還)価格は0.52ポイント下げ101.44。 2年債利回りは7bp上昇し1.36%となった。

◎英国債市場

英国債相場は続落。2年債利回りはここ1週間で最大の上げを記 録した。午前に発表された米国の7-9月(第3四半期)国内総生産 (GDP)が予想以上の伸びを記録、高リスク資産への選好が強まっ た。

イングランド銀行(英中央銀行)が発表した9月の英住宅ローン 承認件数が5万6215件と、前月の5万2970件から増加したことも国 債の売り材料だった。

米商務省が発表した第3四半期の実質国GDP(季節調整済み、 年率)速報値は前期比年率3.5%増加した。5四半期ぶりのプラスだ った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央 値は3.2%増だった。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)の債券アナリ スト、エリザベス・アフセス氏は、「米国のリセッション(景気後 退)は理論上では終了した。これは国債にとってではなく、信用市場 やリスク資産にとっての好材料だ。これを背景に英国債は下げるだろ う。住宅ローンの承認件数が予想よりも若干良かったことも売りを誘 った」と語った。

ロンドン時間午後4時25分現在、2年債利回りは前日比6bp 上昇し0.88%。同国債(表面利率4.25%、2011年償還)価格は0.09 ポイント下げ104.53。10年債利回りは6bp上げて3.66%。

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