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任天堂:今期は6期ぶり最終減益へ、Wii販売失速

携帯型ゲーム機世界最大手の任天 堂は29日、今期(2010年3月期)の連結純利益が前期比18%減の2300 億円になる見通しと発表した。家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」の 想定以上の販売失速や値下げ、円高が響く。通期での最終減益は04年 3月期以来6期ぶり。

ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト23人による予想 の中央値2700億円を400億円下回った。従来予想は前期比7.5%増の 3000億円。売上高予想は同18%減の1兆5000億円(従来予想は1兆 8000億円)、営業利益予想を同33%減の3700億円(同4900億円)にい ずれも減額した。

今期のWii販売計画も従来の2600万台から2000万台に見直した。 4-9月の販売台数は575万台と前年同期の約6割にとどまっている。 大阪市内で会見した岩田聡社長は「上期のWiiは非常に悪かった。ヒ ット作が出ないため、社会でゲームが話題にならなくなる悪循環が起き た」と不振の理由を説明した。

年末にかけて『Wii フィット プラス』や『ニュースーパーマ リオ』など大型ソフトの発売を控えるなか、岩田社長は「値下げで販売 の勢いも戻ってきたが、かなりまとまった量が動かないと修正後の数字 も達成できない。ハードがどうこうよりまず年末の強力ラインナップを どう売るかが大切」と話した。

年間配当を減額

業績予想の下方修正を受け、配当予想も変更した。09年9月末の 配当を1株当たり270円とし、10年3月期末についても同690円に引 き下げる方針。従来は9月末が前年同期比230円減の430円、期末は前 期比60円増の840円を計画していた。

携帯型ゲーム機では新機種「ニンテンドーDSi LL」を11月 21日に発売することも発表。価格は2万円。まず国内市場で投入し、 欧米では来年1-3月にも販売を開始する。液晶画面は4.2インチで 「DS Lite」と比べ2倍近いサイズ。高視野角のパネルを採用し 周囲の人と一緒に遊んで楽しめるという。岩田社長は「携帯機の新たな プレースタイルを提案したい。一家に1台、家族で共有するDSとして 受け入れていただくと普及が進むのではないか」と期待を込めた。

富国生命投資顧問の桜井祐記社長は、景気悪化で消費者は価格と商 品価値とのバランスに敏感だと指摘したうえで「感性を心から揺さぶら れるような商品でないとなかなか売れない。特にユーザーは飽きっぽく なっており、3-4カ月も経てば次をまた求め始める」と話した。

成長性の復活あるか

ペンガナ・キャピタルのファンドマネジャー、ダイアン・リン氏 (シドニー在勤)は、任天堂株について、投資家の立場からすると「以 前のような成長性を取り戻すまでは魅力のある銘柄とは思えない」と指 摘した。

同社は今秋に入りWiiの値下げを実施。北米で9月27日から50 ドル、日本では今月1日から5000円安くした。欧州でも今月2日から 卸値を引き下げたものの、値下げではソニーの据え置き型ゲーム機「プ レイステーション3(PS3)」が先行。これを受けて9月の米国販売 台数で単月として初めてPS3がトップに立った。米市場調査会社NP Dの20日の発表によると、Wiiは前年同月に比べ33%減少した一方 で、PS3は同2倍以上に伸びた。

同時に発表した4-9月期の連結純利益は前年同期比52%減の 695億円だった。売上高は同35%減の5481億円、営業利益は同59%減 の1044億円だった。

取材協力:近藤雅岐 -- Editors:Chiaki Mochizuki Hideki Asai

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