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特別オペは1回限りの延長の公算も-日銀が企業金融支援の終了を議論

日本銀行は30日に開く金融政策 決定会合で、12月末を期限とする企業金融支援策の終了ないし見直し について議論する。コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れ 終了には異論は少ないものの、企業金融支援特別オペの終了について は慎重意見もある。エコノミストの間では、「来年3月末までの1回限 りの延長」が落としどころとなるという見方が強い。

白川方明総裁は14日の前回会合後の会見で、企業金融支援特別オ ペが「特定資産の市場取引に歪み」をもたらしていることに加え、通 常の資金供給手段である共通担保資金供給オペとの「差は小さい」と 言明。特別オペの終了または見直しを行う可能性を示唆した。

ただ、CPと社債の買い入れはほとんど需要がないためやめても 影響は少ないが、企業債務の担保の範囲なら0.1%で無制限に資金調 達できる特別オペは、7兆円近い残高がある。日興コーディアル証券 の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「年末でやめてしまうと、 年度末越えに一抹の不安が残る。共通担保オペに移行させる経過措置 として、3月末までの1回限りの延長が落としどころ」とみる。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「日銀が企業金融支 援特別オペを見直すときは、短期金利全体が上がらないように配慮す るだろう。日銀が軟着陸を目指すとすれば、12月で停止することはせ ず、来年1-3月は共通担保オペへの移行期間とするのが無難」と指 摘する。金融市場の動向も判断材料の1つになりそうだ。

市場は内外の利上げの動きに神経質

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「本来、 白川総裁が前回会合後の会見で『地ならし』的に説明したように、共 通担保オペへの振り替えによって特別オペがなくなる分の資金供給を 代替することは可能だ。資金供給金利の差も0.03%前後の上昇で済む だろう。しかし、今はあまりにもタイミングが悪い」と指摘する。

金融市場では、「長い期間にわたって」超低金利が続くとした米連 邦公開市場委員会(FOMC)の声明から、「長い期間にわたって」が 削除されるとの観測が出始めている。上野氏は「市場が内外での利上 げに関連した動きに神経質になっているタイミングで、火に油を注ぐ ような行動を取ることは自制すべきだ」と指摘。特別オペは「規模を 縮小するなど手直しした上で延長するのが妥当」とみる。

日銀は12月末を期限とするCPと社債の買い入れ、企業金融支援 特別オペのほかに、来年1月15日を期限とする補完当座預金制度、い わゆる付利制度と、来年3月末を期限とする民間企業債務の適格担保 基準の緩和(トリプルB格まで)を行っており、これらについても30 日の金融政策決定会合で取り扱いを議論する。岩下氏は「補完当座預 金制度と適格基準緩和の延長には、異論はないだろう」と予想する。

適格基準の緩和と付利制度は延長

加藤氏も「適格基準の緩和までやめてしまうと、日銀が金融引き 締めに向かっているととられかねない。市場も織り込んでおらず、時 期尚早だろう。政治判断としても残しておくのが得策」とみる。補完 当座預金制度についても「日銀は時限措置と言っているが、米国も恒 久化しており、日銀も続けたいと思っているだろう。大量の資金供給 を続けながら金利を0.1%に抑えるためにも付利は必要」と語る。

各種の企業金融支援策の終了ないし見直しには、なお慎重論がく すぶっており、採決では1票ないし2票の反対が出る可能性もある。 しかし、加藤氏は「少数の反対論があっても、超低金利継続の印象ま で揺らぐことはなく、全体としてはまとまるだろう」とみている。

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