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シャープ:7-9月は4四半期ぶり黒字、液晶回復と経費削減

液晶テレビ国内最大手シャープの 7-9月期の連結純損益は4四半期ぶりに黒字に転じた。液晶テレビや パネルの販売改善、経費削減や人員体制の見直しなどが寄与した。

同社が29日に東京証券取引所で発表した7-9月期の連結純損益 は74億円の黒字(前年同期は31億円の黒字)だった。4-6月期の 252億円の赤字から大幅に改善した。4-9月までの経費削減額は1191 億円。通期2000億円という目標の約6割を上期で達成したことになる。

7-9月期の営業損益は276億円の黒字(同143億円の黒字)。商 品別では、主力の液晶パネル事業の営業損益は155億円の黒字となり、 4-6月期の147億円の赤字から大きく改善した。

東証で会見した濱野利重副社長は、7-9月期について「市場での 品薄感から価格が大きく戻った」として、液晶パネル価格の安定化が寄 与したと説明。液晶パネルの通期の営業利益計画を期初の160億円から 180億円に上方修正した。

濱野氏は液晶テレビ事業が7-9期に若干、黒字になったことを明 らかにした。下期(09年10月-10年3月期)も黒字を見込んでいるが、 「4-6月期の赤字が大きく、通期では赤字が残る」と話し、来期に黒 字転換を果たしたいとの意向を示した。

7-9月期の液晶テレビの販売実績は239万台で、4-6月期の 200万台を上回った。通期計画の1000万台は変更しない。濱野副社長 は「黒字体質に持ってきたことは間違いないが、市況の先行き不透明感 は強い」とみている。

液晶テレビの売上高予想は6700億円と従来から100億円上乗せし た。年末商戦に向け、次世代液晶パネルと省エネ効果の高い発光ダイオ ード(LED)をバックライトに採用した液晶テレビ「AQUOS(ア クオス)」の新シリーズ4機種を投入するため、堅調な販売を見込む。

今期予想は据え置き

10年3月期通期の連結業績見通しは従来予想を据え置いた。純損 益は30億円の黒字(前期は1258億円の赤字)となる見通し。リストラ 効果などで液晶テレビの赤字が大幅に縮小するほか、太陽電池の収益回 復も見込む。営業損益は500億円の黒字(同555億円の赤字)、売上高 は前期比3.4%減の2兆7500億円を予想する。

今月1日からはテレビ用液晶パネルを製造する堺工場(大阪府堺 市)が稼働。世界初の第10世代という最大級のガラス基板を使い、現 在主力の亀山第2工場(三重県亀山市)より一回り大きい40-60型と いった高採算の大型パネルを効率的に生産する。

濱野副社長は、液晶テレビは各国の需要喚起策の動向など不透明要 因があるとし、液晶パネルは「年明けには工場が量産体制に入ることも あり、生産能力からすると余剰感が出るかもしれない」として来年1- 3月期については慎重な見方を示した。

大型液晶パネル全体の需給は供給過剰局面に入る可能性が高いと の指摘がある。ドイツ証券の9月のリポートでは、「10月以降は供給可 能なパネル数量が継続的に増加する一方で需要が頭打ちとなり、需給ギ ャップが再び拡大する公算が大きい」と分析している。

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