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解体の憂き目に遭う米AIG、アジア・欧州勢が優良資産を続々買収

かつては保険最大手だった米ア メリカン・インターナショナル・グループ(AIG)がアジアと欧州 勢によって解体されつつある。売却対象としている資産に国内から買 い手が現れないほか、海外勢にはドル安が追い風となっている。

ブルームバーグの分析データによれば、AIGが昨年9月の米 政府による救済以降に売却することで合意した資産90億ドル(約 8200億円)相当のうち、9割余りが海外勢によって取得された。国 内の同業他社は2007年以後、900億ドル余りの評価損・貸し倒れ損 失に見舞われており、身動きが取れない。一方、ドル相場はというと、 ユーロや円、スイス・フランなど他通貨に対するドルの動きを示すイ ンターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は先週、1年2カ 月ぶり低水準を付けた。

米投資銀行マクグラッドリー・キャピタル・マーケッツのヘク ター・キューラー社長は「ドル安に加え、質の良い資産が割安に獲得 できる状況となっている」とインタビューで指摘。「国外の買い手に とっては申し分ない環境で、米企業よりも引き続き有利だろう」との 見方を示した。

破たん間際に追い込まれ、これまでに1823億ドルの公的支援を 受けたAIGは融資返済に向け、資産売却を進めている。これまでに 成立した取引には米自動車保険事業のスイス同業チューリッヒ・ファ イナンシャル・サービシズへの売却20億ドル相当や工場・発電所の 保険を手掛けるハートフォード・スチーム・ボイラーのミュンヘン再 保険への売却(8億1500万ドル相当)が含まれる。

AIGはまた、資産運用事業の一部を香港の資産家、李沢楷 (リチャード・リー)氏率いる投資会社パシフィック・センチュリ ー・グループに約5億ドルで売却することで合意しているほか、ニュ ーヨーク本社は韓国の金融機関を含むグループが取得する予定。金額 は明らかにされていない。合意案件で最大規模は今月決まった台湾の 生命保険部門の売却で、香港の投資会社プリマス・フィナンシャル・ ホールディングスが率いるグループが21億5000万ドルで取得する。

ブルームバーグのデータによると、年初から今月27日までの期 間では、米保険業界での海外勢による買収は40億ドルに上り、取引 総額の86%に達している。昨年は95億ドルで、全体の39%だった。

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