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債券相場は軟調、増発懸念で長期債売り優勢-10年債利回り1.42%に

債券相場は軟調(利回りは上昇)。 国債増発に伴う需給悪化懸念が強いことから、米債反発や株安のなかで も長期債中心に売りが優勢となった。新発10年債利回りは1.42%と約 2カ月半ぶりの高い水準をつけた。

みずほ投信投資顧問の中村博債券運用部長は、国債増発の規模は 徐々に明らかになりつつあるが、市場のテーマとなってまだ日が浅いた めもうしばらくは弱地合いが続きそうだとみており、「銀行をはじめと する投資家は金利上昇がどこまでいくのか探っている状況だ」という。

東京先物市場の中心限月12月物は前日比6銭高い137円92銭で始 まり、午前には総じてプラス圏での推移となった。しかし、午後に売り 圧力が強まると水準を切り下げ、取引終盤には137円64銭と中心限月 としては8月14日以来の安値を更新した。結局は19銭安い137円67 銭で取引を終えた。

前日の米債相場が上昇に転じたことや、国内市場での円高、株安傾 向を反映して、午前の債券市場では買い優勢の展開となった。しかし、 午前の買いが一巡すると一転して売りが広がった。岡三証券の坂東明継 シニアエコノミストは、米国の長期金利低下といった材料があっても現 物債が売り込まれた展開について、「国債需給に関する懸念が残ってい るためだ」との見方を示した。

BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストも、2年債 の入札結果が予想通りの水準で決まっても相場の反発力は鈍く、むしろ 10年ゾーンなどで売りが優勢だったといい、「増発規模などもう少し 不透明感が弱まるまで地合いの好転は見込めない」と指摘した。

藤井裕久財務相は2010年度予算編成で、新規国債発行額を今年度 第1次補正後の44.1兆円以下に抑える考えを示しているが、市場では 09年度第2次補正予算編成と合わせて需給懸念がくすぶっている。

10年債利回りは1.42%

現物市場で新発10年物の304回債利回りは前日比1.5ベーシスポ イント(bp)低い1.39%で始まった。しかし、その後に売りが優勢と なると水準を切り上げて、午後には1.5bp高い1.42%まで上昇して、新 発10年債としては8月12日以来の高い水準を記録した。

また、5年物の86回債利回りは0.5bp高い0.70%に上昇して、新 発5年債としては8月14日以来の0.7%乗せとなった。

もっとも、今後に国債増発への警戒感が徐々に和らぐとみられるほ か、景気回復に対する市場の期待も弱まると指摘された。みずほ証券の 下南雅史マーケットアナリストは、株式などのリスク資産は実体以上に 買い上げられており、景気回復への持続性に関心が向かえば調整を余儀 なくされると予想。その際には国債が安全資産として見直されるとみて おり、長期金利はいずれ低下に向かうとの見方を示した。

超長期債には買い需要

一方、超長期ゾーンでは金利上昇圧力が弱まってきた。今後の国債 増発に伴う需給不安は強いものの、現状の利回り水準では生命保険会社 の買い需要が膨らむとみられるためだ。三井生命運用企画部の吉村俊哉 部長は、債券保有によって安定収益を確保する狙いから下期も超長期ゾ ーンの組み入れを増やす方針を示しており、「20年債の利回り2.1%台 半ばは(一定額を購入する)平準買いができる水準」だと考えている。

BNPパリバ証の山脇氏は、生保は金利水準を重視して投資してく るため、20年債利回りが現状のレベルにあれば需給は均衡するとみて おり、「20年債が安定を維持すれば5年や10年ゾーンの金利が一段と 上振れるリスクも小さくなる」との見方を示した。

新発20年債の利回りは8日に1.98%まで低下して、約3カ月ぶり の低い水準を記録した。その後はじり高に推移して22日には2.15%を つけたものの、この水準では売りが細っている。

2年債入札は無難に通過

財務省がこの日に実施した2年利付国債の入札は無難に通過した。 個人向け国債の販売不振などに伴う国債発行の振り替えにより、2年債 は早ければ11月にも増発される見通しだが、市場では日銀の低金利政 策が当面は維持されるとの見方が有力であり、岡三証の坂東氏は利率が

0.1ポイント引き上げられたので需要が出たとも指摘した。

財務省は午後零時45分に2年国債(286回債、11月発行)の入札 結果を発表。最低落札価格100円4銭5厘、平均落札価格は100円5銭 だった。最低価格は市場予想通りの水準となり、最低と平均価格の格差 (テール)は前回債の4厘から5厘に若干拡大した。一方、応札倍率は 前回の2.49倍から3.02倍に上昇している。

--取材協力:関泰彦、池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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