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10月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで大幅上昇。一 時は1年2カ月ぶりの安値に沈んだが、テクニカル分析で節目の1ユ ーロ=1.5074ドルを割り込まなかったことから方向を変え、ほぼ2 カ月ぶりの大幅高となった。

ドルは南アフリカ・ランドやニュージーランド・ドルに対しても 上昇。株安で高利回り資産買いが勢いを失うとの思惑が背景にある。 新興アジア10カ国の通貨の中では特に韓国ウォンが対ドルで買われ た。韓国経済が7年ぶりの高成長を記録したことから買いが入った。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロの上昇に歯止めがかかる のは時間の問題だ」と語る。「これまでにもユーロは高値をつけた後、 伸び悩んできた」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時16分現在、ドルは1ユーロ=1.4856 ドルで推移(前営業日は同1.5008ドル)。一時は前営業日比1.1%高 の同1.4845ドルまで上昇。日中の上昇率としては9月1日以来で最 大。一方、アジアの取引時間では2008年8月以来の安値となる同

1.5063ドルに下げる場面もあった。

ドルは対円で0.2%上昇し1ドル=92円20銭(前営業日は同92 円6銭)。一時は9月21日以来の高値となる同92円29銭まで買い進 まれた。

シティグループのリサーチリポートによると、ユーロは08年7 月15日に記録した過去最高値、1ユーロ=1.6038ドルを起点とする フィボナッチ76.4%のリトレースメントライン、1ユーロ=1.5074 ドルが抵抗線となっていたが、これを上抜けられないと分かると市場 は売り優勢に転じた。シティグループのチャートによると、ユーロの きょうの高値はこの抵抗線に0.1セントほど及ばなかった。

「重要な方向性の転換」

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は顧客向け調査リポートで、ユーロがこの日の取 引で値を戻さず、10月23日の安値である1ユーロ=1.4986ドルを下 回って引けるなら、「重要な方向性の転換」に向かっていると考えら れると指摘した。

チャンドラー氏は、「きょうの値動きはチャート上でのユーロに テクニカルなダメージを与える」と指摘。1ユーロ=1.4830ドルか ら同1.4840ドルの「支持線」を割り込めば、同1.4675ドルに向けて ユーロの売り持ちが増えるとの見方を示した。

同氏はまた、ユーロと株価の相関関係は50%程度で健在だとの 考えを示し、株高の環境でドルが下げるのは世界経済の回復に対する 「信認票」だと指摘した。

株価下落

株式市場ではS&P500種株価指数が下落。一時は1.1%高にな っていたものの反転し、1.2%安まで下げている。商品市場では原油 先物が大幅安、金先物も下げた。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フ為替ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「リスク主導の相 場上昇は一服した」と指摘。「金も原油も下げている。株にも売りが 出ている」と続けた。

南ア・ランドは対ドルで1.6%安。ニュージーランド・ドルは同

1.1%下げた。株価の下落で、低金利通貨で調達した資金を高利回り 資産に投じるキャリートレードが下火になるとの思惑が広がった。

政策金利で比較すると日本の0.1%、米国のゼロ金利に対し、南 アが7%、ニュージーランドが2.5%となっており、円とドルはキャ リートレードの調達通貨となっている。

◎米国株式市場

米株式相場は続落。上昇する場面もあったものの、初回住宅購入 者向けの税控除措置を議会が徐々に縮小させるとの懸念から下げに転 じた。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が公的資金返済のため、増 資を余儀なくされるとの思惑も売りを誘った。

S&P住宅建設株指数は構成する12銘柄すべてが下落した。B OAは5.1%安。ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リ チャード・ボーブ氏が投資判断を引き下げたフィフス・サード・バン コープやサントラスト・バンクス、USバンコープもそれぞれ下げた。

S&P500種株価指数は前週末比1.2%安の1066.95。ダウ工業 株30種平均は104.22ドル(1.1%)下落の9867.96ドル。ニューヨ ーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対5。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は「売り材料が多く見られた。ローン 損失は増えるだろう。追加増資が必要になる銀行も恐らく出てくるだ ろう。税控除も永久には続かないことはすでに知られている。急速な 上昇局面の後、小休止が望まれていた」と語った。

S&P500種は一時1.1%高となる場面もあった。予想を上回る 決算を背景に株価が上昇を続けるとの見方が強まったことが背景。7 ―9月(第3四半期)決算を発表したS&P500構成企業のうち約 80%がアナリスト予想を上回った。これは、過去最高となった4―6 月(第2四半期)の72.3%を超えるペース。

住宅株

パルト・ホームズやD.R.ホートンを中心に売りが膨らみ、S &P住宅建設株指数は3.4%下落。ビル・ネルソン上院議員によると、 初回住宅購入者に8000ドルの税控除を付与している法律について、 上院指導部は2010年まで延長しながらも、規模を縮小する方向で協 議している。現行法は今年11月末で失効する。

ISIグループのアナリストはリポートで、「徐々に規模を縮小 するのは延長よりも悪く、全体よりも住宅市場にとって恐らく悪い」 と指摘した。

銀行株が急落

S&P500種の銀行株指数は3.3%安と、24産業の中で最も下げ がきつい。ボーブ氏の投資判断引き下げが売りを誘った。

同氏は23日付リポートで「政府は問題資産購入計画(TAR P)に基づき銀行が発行した優先株を買い戻させる前に、増資により 450億ドルの資本調達を銀行に求める可能性がある」と指摘。「新株 発行はBOAの既存株主にかなりの打撃を与える。銀行が政府の意向 に沿えば、30億株を発行するか、発行済み株式数を35%拡大する必 要がある」との見方を明らかにした。

BOAは一時7.1%下げたものの、シティグループが「優先選 択」リストに加えたため、やや下げ渋った。シティはBOAが売られ た後、「非常に魅力的」になったと指摘している。

米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁はこの日シカゴで 講演し、銀行は引き続き「深刻な問題」に直面していると指摘した。 また、銀行破たんで資金が枯渇し始めている預金保険基金の増強のた め、財務省の融資枠から借り入れれば、FDICと銀行業界にとって 打撃になるとの見方を示した。

ドル高で資源株も安い

S&P500種の素材株指数は2.5%、エネルギー株指数は1.5% それぞれ下落した。ドルが上昇し、インフレヘッジとしての商品株需 要が弱まったことが理由。

ニューモント・マイニングやフリーポート・マクモラン・カッパ ー・アンド・ゴールドが安い。

◎米国債市場

米国債相場は下落。10年債利回りは2カ月ぶり高水準に上昇し た。米財務省は今週、景気刺激策や記録的な財政赤字を賄う財源とし て総額1230億ドルの入札を予定。この日は5年物インフレ連動債 (TIPS)を70億ドル発行した。

米国債は4営業日続落。同インフレ連動債の入札で最高落札利回 りは0.769%。投資家の需要を測る指標の応札倍率は過去の平均を上 回った。財務省は明日以降も3日連続で入札を実施する。

バークレイズ・キャピタルの米国債券ストラテジー責任者、アジ ェイ・ラジャディアクシャ氏は、「国債利回りは依然として比較的低 水準で推移している。大量の供給を控え、また景気が危機脱却を開始 しているようみえるなか、こうした低利回りは正当化されない」と指 摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは前週末比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.57%。一時は3.58%と、 8月24日以来の高水準となった。10年債(表面利率3.625%、2019 年8月償還)価格は22/32下げて100 15/32。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォー ド)の米国債ストラテジー責任者、デービッド・エーダー氏は、「モ メンタムは一段の利回り上昇を示唆している」と指摘。「10年債利回 りが3.52%を超えれば、次の目標は3.76%になる。抵抗水準は

3.28%だ」と述べた。

5年物TIPS

米財務省は27日に440億ドルの2年債入札を実施。28日には5 年債を410億ドル、29日には7年債310億ドルを発行する。

この日の5年物インフレ連動債入札は前回4月23日発行債(発 行額80億ドル)と銘柄統合されるリオープンで、償還期限は2014年 4月となる。前回の最高落札利回りは1.278%だった。

この日の入札の応札倍率は3.10倍と、97年10月の3.56倍以来 の高水準。過去5回の同インフレ連動債入札の平均は2.31倍。

海外の中央銀行を含む間接入札の割合は47.8%と、06年10月の 入札で記録した51.4%以来の高水準。過去5回の入札の平均は

30.8%。

インフレ予防

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は、「5年物TIPSは最近堅調な資産 クラスの一角として、特に人気が高い」と指摘。「TIPSはインフ レヘッジに加え、特にほかの利回りが非常に低水準となっている環境 で分散投資の面でも有益だ」と述べた。

5年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は

1.52ポイントと、月初時点の1.37ポイントから拡大した。同利回り 格差は今後5年間の消費者物価の見通しを反映する。

米財務省による1週間の入札規模としてこれまでの過去最大は 1150億ドルで、7月31日までの5日間に発行された。

9月末までの09年会計年度に1兆4000億ドルに膨れた財政赤字 を補うため、財務省はこれまで1兆6000億ドルの中・長期債を発行 した。

平均償還期限

FTNファイナンシャルによると、戦後最悪のリセッション(景 気後退)からの脱却に向けたオバマ政権の取り組みの財源として、米 財務省が発行した短期債は1兆9000億ドル。財務省は国債償還まで の平均残存期間を26年ぶり最短となっている49カ月から72カ月に 引き伸ばす計画だ。従って、10年債と30年債の発行が今後1年で 40%増の6000億ドルとなる可能性があるという。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。ドルが2週間ぶりの高値に上昇 したため、代替資産としての金の魅力が薄れた。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は一時0.4%安に下げ た後で方向を転じ、0.8%高まで上昇した。金はドルと反対の方向に 動くことが多い。過去最高値は今月14日に記録した1オンス=1072 ドル。

R.F.ラファーティ(ニューヨーク)のマーティー・マクニー ル氏は、「すべてはドル次第だ。ドルが上昇すれば金には下落余地が 生じる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は、前営業日比13.60ドル(1.3%)安の1オンス=

1042.80ドルで取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は1カ月ぶりの大幅安。ドルが対ユーロで 14カ月ぶり安値から上昇したことで商品投資に対する魅力が薄れた。

米政府が住宅購入者への税優遇措置を終了するとの懸念や米銀バ ンク・オブ・アメリカ(BOA)が政府から受けた救済資金返済に向 け新株発行を余儀なくされるとの観測から、S&P500種株価指数が 値下がりしたことも、原油相場の重しになった。

エネルギー取引コンサルティング会社、ショーク・グループのス ティーブン・ショーク社長は「これはドルの動きによるものだ」と指 摘。「市場では現在、リズムも理性もあまり多く存在しない。原油価 格がここまで上昇したことについても正当な理由は見当たらない」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 週末比1.82ドル(2.26%)安の1バレル=78.68ドルで終了した。 年初来では76%値上がり。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は3営業日連続で下落。金融機関が増資する必要が あるとの見方から銀行株が売りを浴びた。一方、スウェーデンの家電 メーカー、エレクトロラックスと、同国の産銅会社ボリデンは7-9 月期利益が市場予想を上回ったことから上昇した。

オランダの金融サービス会社、INGグループは18%急落。公 的資金返済に向け、株主割当増資により110億ドル強を調達すると発 表したことが手掛かりとなった。英銀ロイズ・バンキング・グループ は7.2%下げた。事情に詳しい関係者1人によれば、同行は今週、 225億ポンドを調達する計画を発表するという。

一方、エレクトロラックスは7-9月期利益が2倍増加したこと が好感され、6.7%上昇。一時はダウ欧州600指数をプラス圏に押し 上げた。

ダウ欧州600指数は前週末比1.3%安の241.84で終了。一時は

0.6%上げる場面もあった。米銀行銘柄の投資判断が下方修正された ほか、バンク・オブ・アメリカ(BOA)が公的資金返済で株式売却 を余儀なくされるとの観測から、米S&P500種指数の銀行銘柄が下 落。ダウ欧州600指数もこれに追随して下げに転じた。

ダウ・ユーロ50種指数は1.8%安、ダウ・欧州50種指数は

1.2%下げた。

フォルティス・グローバル・マーケッツのシニア仕組み証券スト ラテジスト、フィリップ・ガイゼル氏(ブリュッセル在勤)は、「過 去数カ月、株式相場は急ピッチに上昇した。極端な動きの後、相場は 極めて迅速に調整する可能性がある」と指摘。さらに「リスクに対す る投資リターンの割合が非常に悪いため、トレンド変更の始まりかも しれない」とも語った。

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RB S)は5.7%安。25日付の英紙サンデー・タイムズによれば、政府保 証プログラムの適用を受ける不良資産の水準を引き下げるのに伴い、 英政府から数十億ポンドを受け取る可能性がある。

ボリデンは2.9%上昇した。同社の7-9月期純利益は6億8300 万スウェーデン・クローナ。アナリスト予想では4億6200万クロー ナと見込まれていた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債がほぼ変わらず。ユーロ圏経済がリセ ッション(景気後退)からの回復の兆しを見せるなか、国債増発によ り需要が後退するとの懸念が広がった。

先進国23市場で構成するMSCI世界指数が1.1%下げたこと を受け、独10年債は下げ幅を縮小した。同指数は一時は0.8%上昇 する場面も見られた。今週はオランダ、ドイツ、イタリアが国債発行 を予定しているほか、米財務省も総額1230億ドルと過去最大規模の 入札を実施する。また、29日に発表される10月のユーロ圏景況指数 は前月からの改善が見込まれている。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニコラ ス・スタメンコビッチ氏は、「供給面が懸念され、これは国債にとり 悪材料となる」と指摘。「先行指標はユーロ圏経済の回復を示唆して おり、これが国債相場を圧迫するだろう」と語った。

ロンドン時間午後5時15分現在、独10年債利回りは前週末比1 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.36%。一時は 9月23日以来の高水準となる同3.39%を付ける場面もあった。同国 債(表面利率3.5%、2019年7月償還)価格は0.08ポイント下げ

101.14。2年債利回りは前週末から1bp下げ1.37%。一時は

1.41%まで上昇した。

◎英国債市場

英国債市場では、10年債相場が下落。株式相場が一時上昇した ほか、イングランド銀行(英中央銀行)の資産買い取りプログラムが 上限の1750億ポンドに近づきつつあることが材料視された。

英国株の指標であるFT100種指数は一時、前週末比0.7%高と なった。イングランド銀のウェブサイトによれば、22日時点で資産 購入残高は約1710億ポンドに達した。米国が今週、過去最大規模と なる1230億ドル相当の国債入札を予定していることも懸念材料。

ノムラ・インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・ マローニー氏(ロンドン在勤)は、「株式相場が材料だ。量的緩和の 終わりに近づきつつあり、資産の購入規模を考慮すれば、市場がこれ について若干神経質になるのは当然だ」と述べ、「英中銀は市場参加 者以上の存在だ。供給問題はすべての市場にとっての何かしらの背景 となっている」と語った。

10年債利回りはロンドン時間午後4時9分現在、前週末比2ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.69%。一時は

3.73%まで上げる場面もあった。同国債(表面利率4.5%、2019年3 月償還)価格は0.13ポイント下げ106.38。2年債利回りは一時は

0.95%まで上昇した後、前週末からほぼ変わらずの0.89%となった。

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