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NY外為:ドル上昇、対ユーロ節目割らず反転-対円も高い

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルが対ユーロで大幅上昇。一時は1年2カ月ぶりの安値に沈んだが、 テクニカル分析で節目の1ユーロ=1.5074ドルを割り込まなかったこ とから方向を変え、ほぼ2カ月ぶりの大幅高となった。

ドルは南アフリカ・ランドやニュージーランド・ドルに対しても 上昇。株安で高利回り資産買いが勢いを失うとの思惑が背景にある。 新興アジア10カ国の通貨の中では特に韓国ウォンが対ドルで買われ た。韓国経済が7年ぶりの高成長を記録したことから買いが入った。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロの上昇に歯止めがかかる のは時間の問題だ」と語る。「これまでにもユーロは高値をつけた後、 伸び悩んできた」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時16分現在、ドルは1ユーロ=1.4856 ドルで推移(前営業日は同1.5008ドル)。一時は前営業日比1.1%高 の同1.4845ドルまで上昇。日中の上昇率としては9月1日以来で最大。 一方、アジアの取引時間では2008年8月以来の安値となる同1.5063 ドルに下げる場面もあった。

ドルは対円で0.2%上昇し1ドル=92円20銭(前営業日は同92 円6銭)。一時は9月21日以来の高値となる同92円29銭まで買い進 まれた。

シティグループのリサーチリポートによると、ユーロは08年7月 15日に記録した過去最高値、1ユーロ=1.6038ドルを起点とするフィ ボナッチ76.4%のリトレースメントライン、1ユーロ=1.5074ドル が抵抗線となっていたが、これを上抜けられないと分かると市場は売 り優勢に転じた。シティグループのチャートによると、ユーロのきょ うの高値はこの抵抗線に0.1セントほど及ばなかった。

「重要な方向性の転換」

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マーク・ チャンドラー氏は顧客向け調査リポートで、ユーロがこの日の取引で 値を戻さず、10月23日の安値である1ユーロ=1.4986ドルを下回っ て引けるなら、「重要な方向性の転換」に向かっていると考えられると 指摘した。

チャンドラー氏は、「きょうの値動きはチャート上でのユーロに テクニカルなダメージを与える」と指摘。1ユーロ=1.4830ドルから 同1.4840ドルの「支持線」を割り込めば、同1.4675ドルに向けてユ ーロの売り持ちが増えるとの見方を示した。

同氏はまた、ユーロと株価の相関関係は50%程度で健在だとの考 えを示し、株高の環境でドルが下げるのは世界経済の回復に対する「信 認票」だと指摘した。

株価下落

株式市場ではS&P500種株価指数が下落。一時は1.1%高にな っていたものの反転し、1.2%安まで下げている。商品市場では原油先 物が大幅安、金先物も下げた。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フ為替ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「リスク主導の相 場上昇は一服した」と指摘。「金も原油も下げている。株にも売りが出 ている」と続けた。

南ア・ランドは対ドルで1.6%安。ニュージーランド・ドルは同

1.1%下げた。株価の下落で、低金利通貨で調達した資金を高利回り資 産に投じるキャリートレードが下火になるとの思惑が広がった。

政策金利で比較すると日本の0.1%、米国のゼロ金利に対し、南 アが7%、ニュージーランドが2.5%となっており、円とドルはキャ リートレードの調達通貨となっている。

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